真っ昼間でも、こ・ん・ば・ん・は。
今年もこの季節がやってまいりました。
「ほぼ日の怪談」担当(2年目)、サノです。
サノは今年、おそらくみなさんがお気づきでないであろう
「あること」に、気がついてしまいました。
2004年にはじまって以来、
「ほぼ日の怪談」は毎年休まず連載を続け、
おかげさまでたくさんの怪談が集まり、
いま、サノの計算が正しければ、正しければですね、
「ほぼ日の怪談」に掲載された怪談は、なんと、
全「953本」になっているようです。
きゅうひゃく、ごじゅう、さんぼん!
ひえーー!!
そしてですね、去年は1年で
「45本」の怪談が掲載されておりまして、
もし、もしですよ、今年、去年を超える、
47本の怪談が掲載されたら‥‥‥‥
そう。ほぼ日に集まった怪談の数が、
「1000本」に到達しちゃうんです。
これ、すっごいことだと思うんです。
プロの怪談師も、マニアなオカルト編集者もいない。
みなさんとほぼ日で、1本1本集めた、
素朴で、だから恐ろしい「すべて実話の不思議な話」が、
今年23回目の夏を迎え、ついに1000本に迫っている。
なんだかまもなく、四半世紀。
「21世紀の怪異報告」がこんなにたくさん、
こんなに長い年月集められてきた場所、
他にないんじゃないでしょうか。
ここ、100年後とかにはもう、
『古事記』とか『宇治拾遺物語』とか、
『東海道四谷怪談』みたいに
なっちゃってるんじゃないでしょうか。
『ほぼ日の怪談―二十一世紀怪異採集録―』みたいな。
さて、こんなふうに書いたけど、
べつに今年、「1000本」超えなくてもいいんです。
「980」でも、「999」でも、なんでもいいんです。
とにかく、「みんなでこんなにやってこれちゃった!」
というよろこびに気づいちゃったので、
今年はなんだか勝手にお祭り気分で、
いつもよりほんのちょっとだけ、
「ほぼ日の怪談」を賑やかそうと思っています。
「ほぼ日公式X」だったり、
「ほぼ日なにしてる?」だったり、
もしかしたら、毎週月曜20時から生配信の、
「プレイバックほぼ日」にもお邪魔するかもしれません。
夏の夜空に破裂する花火のように‥‥とはいかないけど、
夏祭りの提灯みたいにぼーー‥‥んやりと、
「ほぼ日の怪談」のたのしみを、
いつもよりあちこちに、飾りつけてみたいと思います。
ということで、今年も怪談にご縁のありましたみなさま。
またはるか昔の怪談を、どこかに供養したいみなさま。
今年もあなたが経験した怪談、
または経験した人から直接聞いた怪談
のみ、募集しております。
みなさま、ぜひお気軽に、
そしてくれぐれも
お・手・柔・ら・か・に、
ご応募くださいませ‥‥。
‥‥ませ♡
怪・その11
「その蝋燭は2本とも」
昭和50年代の話です。
私の母方の祖母は、
青森県の弘前市に暮らしていました。
私の母は、7人兄妹の下から2番目で、
さらに、私は母の超高齢
物心ついたころの祖母の印象は、
もう、すっごいおばあちゃん。
私たち家族は東京に暮らしていたので
それほど会う機会もあ
可愛が
歳が離れすぎていて、お互い何を話していいかわからず、
あまり親しく話をした記憶はありません。
ただ、私が小学生のとき、
家族でお盆に帰省した際に、
祖母の実家にあたる青森県黒石市の本家に、
祖母と母、母の妹(叔母)と私の4人で
訪ねたことがあります。
黒石市は今でも、
「こみせ通り」という
歴史的な街並みを保存し
「こみせ」とは、
通りに面した家のひさしを張り出した、
木造アー
当時はごく当たり前の街並みで、
黒石のみならず、弘前の中心市街
同じようなつくりになっていました。
そして、黒石の本家も、
ひさしを長く張り出した家でした。
当然、古い木造建築で、
こみせがあるため家の中は日当たりが悪く
全体的に薄暗かったことを印象深く覚えています。
久しぶりに会った母と親族らは、
たくさんの思い出話に花を咲かせ
子どもだった私は完全に退屈して、
家の中をうろうろしていました
すると、あるとき、
さっきまでたのしげに話していたはずの
祖母や母、初めて会った親族のおばさんらが、
声をひそめながら、
どこか興奮したような様子で話していました。
私が興味をもって近づいて
おばさんの一人が立ち、
仏壇の中にしまってあった箱を持ってきて
「ほら」と見せてくれました。
箱の中を覗くと、
敷いた綿の上に横たえられた、
蝋燭が2本。
その蝋燭は2本ともまったく同じように、
鎌首をもたげるように「上」に向かって反り返り、
まるで龍が首を起こしているかのような、
不気味な形で固まっていたのです。
祖母は40年ほど前に他界していますし、
母も叔母もみんなすでに
結局それがなんだったのか、
今となってはわかりません。
蝋燭の様子に驚いたというよりも、
古い薄暗い家で、
だいの大人が額を集めて
怪奇現象を話していたその異様な光景が、
妙に恐ろしいものとして、記憶に残っています。
(S.Y)
2026-08-17-MON
-
書籍版「ほぼ日の怪談」
この連載から、2冊の本がうまれました。
ほぼ日の怪談の膨大なアーカイブから、
よりすぐりの怪談を、それぞれ120作以上掲載。カバー画:ヒグチユウコ
Kindle版もあります。
『ほぼ日の怪談』
『ほぼ日の怪談 おかえり』これまでの怪談を読む
投稿や感想はこちらまで。
ひとりでこわいのは嫌なので、
真っ昼間でも、こ・ん・ば・ん・は。
この企画に備えて先々週、
マジの神社に人生初のお祓いに行ってきました、
「ほぼ日の怪談」二代目担当・サノトモキです。ページの上に「Whisper」なるバナーも増えていますが、
みなさま先日の生配信は観ていただけましたでしょうか。
やるまではいろんな意味で怖かったけど、
(やったらやっぱり怖かったけど、)
とってもたのしかったなあ。
観てくださったみなさま、コメントくださったみなさま、
ご視聴、本当にありがとうございました。さて!
大変、大変お待たせしました。
ほぼ日の怪談2026、本日よりスタートです。今年も届いておりますよ。
恐ろしい報告が。
今年も預かっております。
大切な人との思い出を。
今年も凍らせていきます。
みなさまのその、背筋。今年は「酷暑日」なんてことばも生まれまして、
ますます暑さが猛威を振るっておりますが、
だからこそ我々この場所で、
ひっそり一緒により一層、
レッツ・ ゾ・ゾ・ゾといきましょう。ほぼ日の夏ははじまったばかり。
募集はまだまだお待ちしております。
素朴でも小さくても、
長くても遠い昔の記憶でも、
どうぞ遠慮なく。
洒落にならないような怖い話だって、
もちろん、遠、遠‥‥‥遠慮なく。それではみなさま、
今年もよろしくお願いいたします。
まずは本日、今年最初の3篇を、
おたのしみください‥‥。真っ昼間でも、こ・ん・ば・ん・は。
昨年。2025年。
怪談をまとめていて、気づいたことがあります。それは、家での怪談報告には、
圧倒的に「二階」が多いのです。二階への階段、二階の天井、二階の押入れ‥‥。
べつに一階でもいいだろうに、
みなさんなぜか、二階ばかりで、
不可思議な経験をしているのです。こういうの、本当に勘弁してほしいのです。
「場所」って、本当に怖いのです。
サノは実家のおばあちゃん家が
木造の二階建てなのですが、
もう、夜にひとりで二階に行ける気がしません。
実際、昨年末帰省したとき、
二階で寝るのめちゃめちゃ怖かったんです。
よぎっちゃうんです。本当に勘弁してほしいのです。これからは、3歳の長女についてきてもらおうかな‥‥。
0歳の次女でもまったくかまわないな。
誰かどうか、サノと二階に来てください。さて、本日の舞台はどんな場所?
みなさま、ぜひ本日も3篇、
おたのしみくださいませ‥‥。真っ昼間でも、こ・ん・ば・ん・は。
今年の「ほぼ日の怪談」をはじめる前に、
生まれてはじめてお寺に
「お祓い(正確には「ご祈願」)」を
しにいったのですが、
みなさん、ご経験ありますか?
お祓い。なんか、サノ、終わったあと妙に、
「いい時間だったなあー」と思ったんですよね。家を引っ越すタイミングとか、
いろいろお祓いに行くべしな理由が
揃っていたので、
せっかくならと家族みんなでお寺に行きまして。「ほぼ日の怪談を無事健やかに終えられますように」、
「新しい家でみんなで幸せに暮らせますように」、
とか、いろいろと願い事をするようなイメージで
席に座ったんですよ。でも、いざはじまって、
住職さんたちの読み上げるお経を聞いていると、
いろいろと願い事を詰め込もうとしている
じぶんがとっても邪(よこしま)な気がしてきて、
頭のなかをじぶんのことで騒がしくしているのが、
なんだかとってももったいない気がしてきて、
そう思った途端、
じぶんでも経験したことがないくらい、
「ム」の状態でそこにいることができるようになって、
それがとても心地よかったんです。そこでいろいろ考えたことがあるんですけど、
それを書くと完全に2000字とか
超えそうな気配がしてきたので、
書くとしたらこれはいつか
3分コラムに書こうと思います。とにもかくにも、担当サノ、
お祓いの大いなる力をお借りして、
本日も3篇、怪談をお届けします。
みなさま、ぜひ本日も、
おたのしみくださいませ‥‥。真っ昼間でも、こ・ん・ば・ん・は。
金曜日の夜、「ほぼ日、なにしてる?」に、
「ほぼ日・乗・組・員の怪談」を、
突然、そっと、置きました。すみません。同僚に急にあんな怖い話されて
ひとりで抱え込んでおくことなんて、
サノにはできませんでした。
お読みくださったみなさま、
一緒に受けとめてくださり、
誠にありがとうございました。ただ‥‥‥‥ですね。
いるんです。他にも。
「怪談アリ」な乗組員が。べつにサノ、「怪談あります?」とか
社内で聞いてまわってるわけじゃないですよ。「生配信見たよ」とべつべつに
声をかけてくださったふたりの乗組員に、
お礼を伝えつつ、つい軽い出来心で、
「●●さんは怪談みたいな経験、ありますか?」
と聞いちゃっただけなんです。
そうしたら2分の2で、「怪談持ち」だったんです。この会社、
まだまだ「怪談持ち」な乗組員が
潜んでいる気がいたします。
最近オフィスを歩いてる仲間たちが、
正直ちょっと怖いです。東京はここのところ、
ほんの少し涼しいときがありますよ。みなさまの街にも、
ときおりの涼しさが訪れることを願いつつ‥‥
今週も引き続き、「ほぼ日の怪談」をお届けします。
本日も3篇、どうぞおたのしみくださいませ‥‥。真っ昼間でも、こ・ん・ば・ん・は。
ほぼ日の怪談を編集していると、
「こんなの怪談になりませんよね‥‥?」
と申し訳なさそうに添えられていたり、
「ずうっと書く側じゃなかったけど、
じつはずうっとある体験について書いてみたくて、
今年は、なんとなく、書いてみました」と勇気の痕跡が残されていたりするメールが、
わりと届きます。あの、送ってくださって、
本当にありがとうございます。
ものすっごくうれしいです。「オチはありません」も、
ときどき書いてくださってますよね。はい、オチ、なくとも、大・大・大歓迎です。
あったことが、ただ思い出されて、書かれているだけ?
ええ、それでこそ、「ほぼ日の怪談」って感じがします。怖いんだけど、愛おしいんだよなあ。
「ほぼ日の怪談」たち。
伝わるかなあ。
このきもちは、担当者だけの特権かなあ。ということで、本日も愛を込めて、
3篇、怪談をお届けします。
それでは、いってらっしゃいませ‥‥。真っ昼間でも、こ・ん・ば・ん・は。
「おそれ」には、4つの漢字があるそうです。
恐れ。怖れ。虞れ。畏れ。
「恐れ」はよくご存知の通り、
なにかおそろしい対象があって、
それを怖がったり、不安がったりすること。「怖れ」はじぶんの内側にある、
なにかをこわがったりおそれたりする
その「感情そのもの」を表現しています。「虞れ」という漢字はなかなか普段使いませんが、
このさきなにかよくないことや危ないことが
起こるかもしれない、という、
未来への「おそれ」を表すときに使うそうです。
サノがよくやりがちなやつです。そして「畏れ」は、
偉大なものや敬うべきものを、
敬い重んじるきもちを差しています。ほぼ日の怪談は、よく読んでいくと、
全部の「「「「おそれ」」」」が入っている気がします。奇々怪々な恐ろしいものたち。
それらに出くわしたときのそれぞれの怖がりよう。
日常に潜む違和感からじわっと膨らんでいく虞れ。
ことばで説明しきれない大いなるものに対する畏れ。みなさまが寄せてくださる投稿を見ながら、
世に潜む怪談の「尽きなさ」もまた、
なんとも畏ろしいものだと思う日々です。さて、本日もまさに「畏れ」としか
言いようのない怪談を交えつつ、
今週最後の3篇をお届けいたします。
それでは、いってらっしゃいませ‥‥。

