「ほぼ日のアースボール ジャーニー」の
パッケージイラストを描いてくださったのは、
イラストレーターの福田利之さん。
カラフルで、かわいくって、
箱を捨てるのがもったいないくらいと、
たいへんご好評いただいております。
そうだ、あの素晴らしいイラストを使えば、
なにかすてきな商品がつくれるのでは‥‥!
そんな思いつきから生まれたのが、
今回のスペシャルアイテムです。
完成したものを福田さんと見ながら、
おすすめポイントなどをご紹介していきます。
福田利之(ふくだ・としゆき)
イラストレーター。
1967年、大阪生まれ。
エディトリアル、装丁、広告、
ムーンライダーズやスピッツのCDジャケット、
絵本、テキスタイルなどなど、
さまざまなビジュアル表現を手がける。
「ほぼ日」では、読み物、商品問わず、
様々なコンテンツにご登場いただいています。
「ほぼ日のアースボール ジャーニー」では、
パッケージイラストを描いてくださいました。
-
- ──
- 前回の『生活のたのしみ展』で、
「ジャーニー」の先行販売をしたとき、
福田さんの絵でグッズはつくらないんですかって、
けっこういろんな人からいわれたんです。
「絵がかわいいからあったら買うのに」って。
- 福田
- ぼくもそういう話だと聞いていたので、
あのパッケージの絵で
なにかつくるんだと思ってました。
- ──
- 結局、素直にそうなったのは、
「やさしいタオル」だけでした。
- 福田
- ハンドタオルは描き下ろしですけどね。
- ──
- 地球をつかむ猫。
- 福田
- よく考えると不思議なタオルです。
- ──
- ただ、もっと不思議なのは、
完全にオリジナルデザインになった
「つみき」と「モビール」だと思うんです。
- 福田
- 完全に新作ですからね。
パッケージの絵とまったく関係ない。
- ──
- これは、どういういきさつで‥‥。
- 福田
- これは担当のさくらさんの
振り切れ方がわりとすごくて。
- さくら
- すいません(笑)。
- ──
- ほぼ日乗組員のさくらさんが、
今回のグッズを担当したんですよね。
- 福田
- まず、さくらさんが
ぼくのところにやって来まして。
「おい、福田! つくるぞ!」って感じで。
- さくら
- いやいやいや(笑)。
- 福田
- 「おい、福田、もう好き放題やるぞ」って来て、
だからぼくも「おっ、来たか」って感じで。
なので、わりと好き放題やらせてもらいました。
- さくら
- ちょっと補足していいですか?
- ──
- お願いします。
- さくら
- 最初は私もパッケージイラストを
使ってつくろうと思っていたんです。
「つみきとかモビールとか、
もうちょっとインテリア雑貨に
寄ったものをつくりたいんです」って
福田さんに相談したら、
「それはゼロから考えなきゃいけないよ」って
アドバイスしてくださったので。
じゃあ、ゼロからつくりましょうってことで。
- 福田
- そのあとの吹っ切れ方は見事でした。
むしろぼくのほうが
「もっとアースボールに寄せなくていいの?」
って心配してたくらいですから。
- ──
- 「地球」を意識しなくていいのかと。
- 福田
- 「地球のほうがいいんじゃない?」って。
でも、さくらさんがもう、
「いや、関係なくやりましょう」っていうから。
- さくら
- それはそうですけど(笑)。
ただ、それはモノとして
かわいくなるほうを優先したってことで。
- ──
- でも、そのおかげというか、
結果的に福田さんの新作ができました。
- 福田
- じつはぼくも過去に木のブロックを
試作でつくったことがあったんですけど、
そのときは実現できなかったんです。
なので、今回のお話をいただいて、
じぶんの好きなようにできるって聞いて、
だったら欲しいものをつくろうかなって。
いまだとじぶんの子どもに向けてですけど。
だから、ぼくとしてはほんとうに大満足です。
- さくら
- 実際、福田さんちの
ふたりの娘さんにも使ってもらったんです。
- 福田
- はい、すごく喜んでました。
- さくら
- あそび方が決まってないおもちゃだから、
もう自由に、たのしそうにあそんでくれて。
すごくうれしかったです。
- 福田
- これ、つくりもほんとうに素晴らしくて。
たとえば、こうやって、こうやって‥‥。
- ──
- わっ、すごい!
- 福田
- すごいでしょう(笑)。
こんな感じでいろいろ積めちゃう。
- ──
- 意外と何個でもいけますね。
- 福田
- ちゃんとバランスを考えながらやるとね。
これをここにおいて‥‥。
- 一同
- おぉーっ!
- 福田
- すごいよね。
このままお部屋に飾ってもいい。
- ──
- 一個一個もかわいいけど、
積んだままでもおもしろいですね。
- 福田
- 積んであそんだりもできるけど、
丸い枠の中でおはなしをつくったりね。
- ──
- ちょっとステージっぽいですもんね。
- 福田
- ひとつひとつのパーツが丁寧だし、
持ったときの感触も、木の匂いもいい。
製作してくださった「山のくじら舎」さんのおかげで、
ほんとにいいものができました。
- さくら
- 「山のくじら舎」さんには、
すごくいろいろお世話になりました。
- 福田
- こっちのリクエストにも
けっこう付き合ってくださってね。
- さくら
- はい、ほんとに。
- ──
- このモビールもかっこいいですね。
- 福田
- こっちもすごくいいものです。
モビールって紙でできてるものとか、
素材がいろいろあるんですけど、
今回は「真鍮(しんちゅう)」にしてもらいました。
ちょっと高くなっちゃうんだけど。
- ──
- キラキラしてきれいです。
- 福田
- 高級感ありますよね。
これ、写真でちゃんと伝わるかな。
やっぱり他の素材よりも、
ぜんぜん高級感があるんですよね。
- ──
- 華奢な感じもいいですね。
- 福田
- これ、おいくらでしたっけ?
- さくら
- 税込み11,000円です。
- 福田
- 安くはないけど、ものはいいですよ。
海外だったらもっと高いんじゃないかな。
- さくら
- 家にモビールがあると、
空間が変わっておもしろいですよね。
人が動くとゆらゆら揺れるし、
家にあるとすごくいい気分になります。
- 福田
- 製作してくださった工房もよかったね。
- さくら
- 栃木県の足利市にある
「mother tool」さんという
ご夫婦でやってらっしゃる工房で。
- 福田
- あそこの工房はおもしろかったなぁ。
- さくら
- さっきのつみきもそうですけど、
このモビールも経年変化がたのしめます。
いまは真鍮がキラキラしてますけど、
2年ぐらい経つと深みのある
おちついた色味に変化して、
さらにすてきな雰囲気になると思います。
- ──
- 吊り下がってる4つのモチーフは、
なにか意味があるんですか?
- 福田
- まず「月」は、どうしても入れたくて。
というのも、うちの娘の名前が「ツキ」なので。
地球とは関係ないけど(笑)。
- ──
- いやいや、アースボールの中にも
月のコンテンツがあるくらいなので、
むしろぜんぜんオーケーだと思います。
- 福田
- 吊り下げるモチーフをどうするかは、
けっこう悩んだんです。
やっぱり地球にいる生きものにしようとか。
いちばん大きい丸いもの、
じつはこれが地球のつもりです。
地球の中に植物があって、
そのまわりをクジラと鳥という生きものが、
くるくるまわってるイメージで。
- ──
- へぇーー。
- さくら
- 意外とつくりはシンプルなので、
壊れてもすぐに直せますし、
家の中で長く使ってもらえると思います。
- ──
- おうちのシンボルになりますね。
- 福田
- いいですよね。
じぶんが欲しいものだったので、
ほんとにありがたいですね。
ぼくも家に飾らせてもらおうと思います。
- ──
- そもそも「ジャーニー」のパッケージの絵は、
どうやって決まったんですか?
- 福田
- このパッケージに関しては、
ほぼ日のデザイナーの田口さんが
ディレクションしてくれました。
‥‥田口さん、そちらにいますけど。
- 田口
- どうも、おじゃましてます。
- 福田
- 最初から田口さんの中には、
けっこう明快なイメージがあったので、
そこにぼくのアイデアを乗っける感じでしたね。
あ、そうだ。これいったかな?
- ──
- はい?
- 福田
- いや、このパッケージの中に、
ちょっとあそびを入れてるんです。
- ──
- あそび?
- 福田
- どこだったかな‥‥。
ああ、これこれ、これです。
- 田口
- ああ、そうそう(笑)。
- 福田
- これ、誰だって思いません?
- ──
- たしかに、急に人の顔が‥‥。
- 福田
- じつは最初、田口さんからは、
ここだけちょっと生々しいから
別のやつにしてくださいっていわれて。
- 田口
- 最初ラフでもらったときは、
これよりもっとリアルだったんです。
- 福田
- ラフの段階ではそうでしたね。
- ──
- これ、誰かモデルがいるんですか?
- 福田
- そう、いるんです。
さあ、それは誰でしょうっていう。
- ──
- えぇ、誰だろう‥‥。
ぜんぜんわからないです。
- 福田
- もったいぶることじゃないんですけどね。
ええと、あの人です、あの人‥‥。
あれ、名前が出てこない(笑)。
- ──
- そこ大事なところです(笑)。
- 福田
- ええと、ええと‥‥ああ、そうだ。
はいはい。思い出しました。あの人です。
スティーヴ・ペリー。
- ──
- スティーヴ・ペリー‥‥って、誰ですか?
- 福田
- アメリカに「ジャーニー」っていう
ロックバンドがいて、
そのボーカルのスティーヴ・ペリーです。
いまはもう脱退しちゃったんだけどね。
つまり、その人の似顔絵です。
あんまり似てないところがヤバい(笑)。
▲似てるかどうか、チェックしてみよう。
ジャーニーの名曲「Don't Stop Believin'」です。- ──
- ‥‥ええと、このボーカルの人が、
スティーヴ・ペリー?
- 福田
- はい、そうです。
この人がスティーヴ・ペリーです。
アースボールの名前が「ジャーニー」だったので、
「ジャーニー」のスティーヴ・ペリーをここに‥‥って、
誰もわかんねえよっていう(笑)。
- ──
- そんな秘密がこのパッケージに(笑)。
- 田口
- 最初に福田さんのラフを見たとき、
この顔がどうも気になっちゃって、
「このジョン・レノンみたいな人は誰ですか」
って聞いちゃったんですよね。
- 福田
- そうそう(笑)。
- 田口
- 他のイラストと比べて、
なぜかこの顔だけものすごくリアルで、
別のものにしてもらおうと思ったら、
福田さんが「じつはジャーニーの‥‥」って。
あ、だったら残しましょうと。
それでここに、隠れキャラ的に。
- 福田
- ぜんぜん隠れてないね。
- ──
- 福田さんご本人の顔だと
思ってる人もいるんじゃないですか。
- 福田
- いや、思わないでしょう(笑)。
ちょっと土屋太鳳さんには似てますけど。
- ──
- いやいや、似てないです(笑)。
- 福田
- そうかなぁ。
ちょっと似てると思うんだけど。
スティーヴ・ペリー。
- ──
- とにかく、ええと、なんでしたっけ。
話を強引に戻します。
- 福田
- お願いします。
- ──
- ということで、
福田さんデザインのタオルが出ますと。
- 福田
- はい。
いつもながら素晴らしい仕上がりです。
- ──
- そして、つみきとモビールは、
完全に新作として生まれたわけですが、
実際、つくってみてどうでしたか。
- 福田
- まあ、なにしてもいいとはいえ、
ものにするときの制約はやっぱりあって、
その制約の中でいえば、
ほんとうに自由にやらせてもらいました。
だから形はシンプルなんだけど、
ちゃんとじぶんらしさも出てるなって感じます。
- ──
- これだけシンプルな形なのに、
やっぱり福田さんのデザインですよね。
- 福田
- あ、そうですか。
だったら、すごくうれしいです。
誰が見てもそう思うんだったら、
ぼくらしさが出てるってことだと思うので。
丁寧に形にしてくださった
「山のくじら舎」さんや「mother tool」さんのおかげです。
ありがとうございました。
- ──
- アースボールと並べてもかわいいし、
季節的にもクリスマスギフトにおすすめですね。
- 福田
- いつ発売ですか?
- ──
- 12月6日から「ほぼ日ストア」で販売します。
- 福田
- クリスマスにも間に合いますね。
これまでじぶんがつくったものの中でも、
代表的なものができたような気がします。
みなさんにも気に入ってもらえるとうれしいです。
▲商品の詳細はこちらからどうぞ!