2025年11月15日（土）、演歌歌手の神野美伽さんが歌う
「はじめてのシャンソン」が開催されました。
素晴らしい夜になりました。
約１年、多くのプロの方々の知恵と力を借りながら、
シャンソンを楽しく学びながら準備してきた
「はじめてのシャンソン」チームの
右往左往＆試行錯誤の記録を前後編でおとどけします。
後編の最後には、
当日のダイジェスト動画を公開するとともに、
参加したみなさんからの感想メールもご紹介しますね。
担当は「ほぼ日」のシャンソン係・奥野です。
- 2025年11月15日（土）、東京赤坂の草月ホール。
- １年前から準備してきた
「神野美伽さんが歌う はじめてのシャンソン」
本番当日。 - 主催のわれわれ「ほぼ日」にとって
まったく「はじめて」の状態からのスタートで、
ぶっちゃけて言いますと、
いろいろスムーズに進まないことも多々あり、
神野さんはじめ関係するみなさんに
さまざまご迷惑をおかけしながら、
みなさんのおかげで開催できたコンサートです。
- 結果として、すばらしい夜になりました。
神野さんの歌に、バンドの演奏に涙がこぼれた、
という感想がたくさん届きました。 - ただ舞台裏では「はじめて」の取り組みを前に
あっちこっちへ頭をぶつけて、
正直「集客」や告知方法にも苦労したりなど‥‥
ここへ至るまでには、いろんな物語がありました。 - そのあたりのことまでふくめて、
シャンソン担当の「ほぼ日」奥野がお伝えします。 - まず、最初の最初までさかのぼると、2018年。
- わたくし奥野がやっているほぼ日の不定期連載
『俳優の言葉』へ、
國村隼さんに出ていただきたいと思ったんです。 - そこで何人のかたに繋いでいただき、
ついにはご出演いただくことができたのですが、
そのとき、
國村さんの取材の窓口となってくださったのが、
尾中美紀子さんという方でした。 - 尾中さんは
これまでいろんな映画やドラマに関わってきた、
すばらしいプロデューサー。 - 國村さんの取材のあと、その尾中さんが、
「演歌歌手の神野美伽さんがとてもおもしろい、
紹介しますから、
次は神野さんをインタビューしてみてください」
とおっしゃったのです。 - それまで「演歌」というものを、
生で聴いたことがほとんどなかったんですけど、
尾中さんに誘われるがまま、
神野さんの演歌のコンサートへ出かけました。
端的に言って
「神野さんの演歌、カッコいい！」と感銘を受け、
それまでの「挑戦し続けてきた人生」について、
後日、じっくりお話をうかがうことができました。
- で、そのときのインタビューを、
「赤の画家」として知られる笹尾光彦さんが読み、
いたく感動なさった。 - ‥‥という「前段」があって、世間はコロナ禍へ。
- 当時、大きな手術をなさって、
二重の意味で「歌を歌うこと」を禁じられていた
神野さんが、首にコルセットを巻いた状態で、
桑山哲也さんのアコーディオンをバックに
「オー・シャンゼリゼ」を歌い、
インターネットで配信したことがありました。 - あらかじめ数年前の神野さんインタビューで
熾火（おきび）のような熱が籠もっていた
パリ大好き笹尾さんのハートを、
神野さんの渾身の「オー・シャンゼリゼ」が
撃ち抜いたのです。ふたたび。 - すぐさま、笹尾さんから連絡が来ました。
「神野さんの歌を聴いて涙が止まらなかった」と。 - そんなことを言われたら、
神野さんご本人にに伝えしないわけにはいかない。
そしたらなんと！
神野さんも笹尾さんの絵のことが気になっていて、
個展に足を運んだこともある‥‥と。
しかも、神野さんは「赤」が大好きなんだそう。 - これはもう、
おふたりに会っていただくより他にありませんね。
流れ的に。ということで
年に一度、渋谷で開催される笹尾さんの個展の後、
３人でランチをしました。 - いろんな話をしたんですけど、
演歌の他にもジャズやロック、
笠置シヅ子さんのブギ‥‥などに挑戦してきた
神野さんは、
笹尾さんが涙した「シャンソン」も好きだった、
そんな話をしてくださいました。 - そしたら、笹尾さんがふいにこう言ったんです。
「神野さん、
シャンソンのコンサートをやったらどうですか。
主催は『ほぼ日』で」 - そのときは「できるのかなあ」なんて思ったし、
あとから神野さんに聞いても、
やっぱり同じような思いを抱いていたそうです。 - （念のため、ぼくが「できるのかなあ」と
思ったのは、「主催＝ほぼ日」という部分）
- でも、笹尾さんだけは「本気」だった。
- ランチから１ヶ月後、ひとまずみんなで会って、
「可能性があるかどうかから話しましょう」
という「探り」のミーティングに、
必殺のコンセプトシートを描いてきたんです。 - 笹尾さんはプロの画家ですが、
50代の半ばまで
外資系広告代理店の副社長を務めていた人です。
たくさんの広告を手掛け、
キャンペーンなどのイベントを立ち上げてきた
クリエイティブディレクターが
「神野美伽さんがシャンソンを歌う」
というコンサートを発案し、
そのコンセプトが、
油彩画家の手描きビジュアルで表現されている。
- アートピースのようなコンセプトシートを前に、
ぼくらは
「わ、こんなコンサートができたらいいなあ！」
と「ワクワクしてしまった」のです。 - シャンソンのことを、ほとんど知らないのに！
- ここから、われわれほぼ日シャンソンチームの、
よくいえば「大冒険」、
実際は右往左往の試行錯誤がスタートしました。 - 忘れもしない、2024年12月13日のことです。
- いまから思えば、コンサート本番まで、
この時点で「約11ヶ月」しかなかったんだなあ。
（後編へ続く）
2025-12-23-TUE
