シャンソンという深く豊かな海をめぐる旅。
ここらでそろそろ、
この方々に出ていただかないことにはね。
ということで、お待たせしました。
チャラン・ポ・ランタンのおふたりです！
小春さんが
新宿や上野で弾きはじめたアコーディオン。
ももさんが16歳から歌っている「愛の讃歌」。
路上うまれのチャラン・ポ・ランタンは、
今年はじめて、日本のシャンソンの総本山
「パリ祭」の舞台に立ったのだ！
アコーディオンについて、
シャンソンについて、「歌」について。
いろいろ聞きました。おもしろかった。
聞き役は「ほぼ日」シャンソン担奥野です。
チャラン・ポ・ランタン
もも（唄／平成生まれの妹）と小春（アコーディオン／昭和生まれの姉）による姉妹ユニット。大道芸人の姉とただの高校生だった妹 2人で2009年に結成。2014年にエイベックスよりメジャーデビュー。バルカン音楽、シャンソンなどをベースにあらゆるジャンルの音楽を取り入れた無国籍のサウンドや、サーカス風の独特な世界観で日本のみならず海外でも活動の範囲を広げている。チャラン・ポ・ランタンとしての活動のほか、映画やドラマ、舞台への楽曲提供・演技・CM・声優・イラスト・執筆・動画編集など活動の範囲は多岐に渡る。2016年に発売の配信シングル「進め、たまに逃げても」が、TBSドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」のオープニングテーマに起用され、大きな反響を呼ぶ。2019年7月17日には、メジャーベストアルバム「いい過去どり」を発売。2020年に入り、5月27日発売の配信シングル「空が晴れたら」を皮切りに「8週連続”宅録”配信シングルリリース」を敢行。2020年10月28日にはアルバム「こもりうた」を発売。2021年9月より独立。9月18日には小春がプロデュースした手頃な値段のボタンアコーディオン「Bébé Medusa」の予約販売を開始。一晩でボタンアコーディオンを531台売り上げる。自分たちで会社を経営しながら、自分たちの世界を今後も大きくしてゆく予定。
- ──
- 今度「はじめてのシャンソン」という
コンサートをやるんです。
それでいま、急激に、
シャンソンの渦に巻き込まれています。
- 小春
- あら。
- もも
- すごーい。
- ──
- 演歌歌手の神野美伽さんが、
シャンソンを歌うコンサートなんです。 - シャンソンはじめて‥‥という方にも、
ぜひ一緒に楽しんでほしくて、
いろんな人のところへ
「シャンソンのこと教えてください！」
とお願いしてまわっておりまして。
- もも
- どういった人たちのところへ？
- ──
- アコーディオン奏者の桑山哲也さん、
シャンソン歌手のソワレさん、
そして、ロックスターROLLYさん。 - これまで、その御三方に
「わたしとシャンソン♪」をテーマに
取材を重ねてまいりました。
- 小春
- 最高のラインナップですね（笑）。
- もも
- そのあとに、チャラン・ポ・ランタン。
はたしてわたしたちは、
シャンソンを語れる者たちかしら？
- 小春
- 語れるほどの人間ではございませんが、
という記事も必要なのかも？
- ──
- いやあ、日本のアコーディオン奏者を
もっと増やしたいと思って、
自力で交渉や手配や配送などをすることで
非常にお買い得なお値段を実現し、
一晩でアコーディオンを531台も売った‥‥
すなわち
日本のアコーディオン奏者を
一晩のうちに、531人も増やしたという、
すばらしい功績をお持ちのおふたり。 - アコーディオン奏者の桑山（哲也）さんも、
最近、若者たちと話すと、
「チャランポチャランポばっかりだよ」って。
- 小春
- いえいえ、そんなことないんですけど、
そうなんですか。うれしいです。
- ──
- シャンソンの取材をはじめるまでは、
アコーディオンのこと、
ぜんぜん何にも知りませんでした。 - でもいま、とっても気になっていて。
なんかもう、弾きたい‥‥。
- 小春
- またひとり増えた（笑）。
- ──
- いまさらですがアコーディオンって、
音色も見た目も、すごい魅力的ですよね。
- 小春
- わたしたちの生まれる前ですけど、
外国の民謡を日本語で歌うのが流行って、
ヨーロッパのマイナー調の曲が、
日本人の心に響いた時代があるんです。 - 日本の歌かと思ったらロシア民謡だった
みたいな曲って、たくさんありますし。
『カチューシャ』とか。
- ──
- あー、聴いたら絶対わかる曲ですね。
- 小春
- 同じように、昔はシャンソンも、
日本人にとって、
なじみのあるジャンルだったんだろうな、
と思うんです。 - で、その２つの音楽には
アコーディオンが絶対必要だってことで、
かつての日本には、
アコーディオンいいよね～という時代が。
- ──
- それは、いつぐらいのことですか。
- 小春
- 歌声喫茶なんかが流行ったころですから、
おそらく、
いまの80歳90歳くらいの方の青春時代、
とかじゃないかなと思います。
- ──
- 1950年代とか1960年代、ですか。
- 小春さんが、はじめてアコーディオンを
手にしたのは何歳だったんですか。
- 小春
- ７歳です。
- ──
- そんな幼いころから！
- 小春
- サーカスでアコーディオン弾きを見て、
ほしくなって、
サンタさんにお願いしました。
- ──
- サンタさん、くれたんですか。
- 小春
- くれたんです。
- ──
- 素敵なサンタさんだなあ。
- 小春
- サンタさん、マジありがとうみたいな。
- ちいさいころにお母さんに連れられて、
シルク・ドゥ・ソレイユのショーを見たんです。
- ──
- ええ。シルク・ドゥ・ソレイユって、
生演奏なんでしたっけ。
- 小春
- そうなんです。
- とんでもない身体能力の人たちが
すごいパフォーマンスを見せるなかで、
どうして
アコーディオンに惹かれたんだろうと、
いまでは思うんですけど。
- もも
- 『アレグリア』だよね。
- 小春
- そう。楽団のみなさんが
階段を上がってくるみたいなシーンで、
わたしたちの近くを、
たまたま
アコーディオンの人が通ったんですね。 - そのときに「うわー‥‥！」って、
いっぺんに虜になってしまったんです。
- ──
- 出会いのインパクトが強烈だった。
- 小春
- それがすべて。それだけでやってます。
バカのひとつ覚えの代表です。 - サーカスって、さまざまなジャンルの
多種多様な人が混じり合ってるし、
そもそもサーカス自体が移動しつつで
音楽も多国籍ですよね。
そこから、民族音楽にも興味が湧いて、
外国の民謡には、
アコーディオンが使われてるんだって、
子どもながらに気づいたんです。
- ──
- するどい！
- 小春
- 輪になって踊るチェコのポルカ、
ロシア民謡、そしてフランスのシャンソン。
どれも、アコーディオンがいるよなあ。
アメリカの牧場とかにも、
アコーディオンを弾いてる人がいるなって。
- ──
- あ、つまり、フォークダンス的な。
- 小春
- そうです。『わらの中の七面鳥』とか。
外国の民謡には、
よくアコーディオンが使われています。
アコーディオンって、
いろんな曲が弾けるんだなあと思って。
- ──
- ぼくはアコーディオンの音色を聞くと、
日曜日のお昼を思い出します。
つまり「NHKのど自慢」なんですが、
人によっては
演歌を思い出す人もいれば
ボサノヴァを思い出す人もいますよね。 - 小春さんはJ-POPの曲で弾いてたり、
本当に、いろんな音楽で活躍してます。
- 小春
- そうなんです。そうやって
アコーディオンを手に入れてから
しばらくは、
誰に聴かせるでもなく、
ひとりでほそぼそと弾いていたんです。
- ──
- アコーディオン弾きの青春。
- 友だちとか先輩がギターをやっていて、
とかいう話はよく聞きますが、
当時アコーディオンを弾いてる人って、
まわりにいたんですか。
- もも
- たまたま同じクラスに、１人だけ。
- ──
- えー、いたんですか。すごい。
- 小春
- 最初ひとりで弾いてたんですが、
学校を転校したら、
たまたまアコーディオンを習っている
男の子がいたんです。クラスに。 - で、わたしも、
その子と同じ教室へ習いに行ったのが、
レッスンを受けた最初。
- もも
- 小春、10歳のころね。
- そうやって
アコーディオンの音が入ってる音源を
小春が探して聴くうちに、
わたしも、同じ部屋にいるから、
世界の音楽を聴くようになったんです。
- ──
- おお。
- もも
- 当然シャンソンにも使われているから、
シャンソンも聴いてました。 - J-POPでも、
Mr.Childrenさんの『くるみ』が
アコーディオンからはじまる曲だとか、
椎名林檎さんの『りんごのうた』にも
アコーディオンが入ってるだとか、
アコーディオンをきっかけに
聴く音楽の幅が広がっていったんです。
- ──
- ももさんを巻き込みながら、
小春さんのアコーディオン人生は
そんなふうにして、はじまった。
- 小春
- それからずっとアコーディオンです。
- アコーディオンに取り憑かれた人生、
なんです。
（つづきます）
写真：福冨ちはる
2025-11-10-MON
-
演歌歌手の神野美伽さんが歌う
「はじめてのシャンソン」Ａ席（7700円）のチケットを
お取り置きいたします。以下の
「チケットのお取り置きはこちら」のフォームから、
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チケットのお渡しとお支払いは
コンサート当日2025年11月15日（土）17時より、
会場（東京赤坂・草月ホール）の受付にて承ります。
なお、座席番号は会場受付にてご確認ください。
お連れ様がいらっしゃる場合には、
なるべく隣同士の席にお座りいただけるよう
配慮いたしますが、受付順によっては
ご希望に添えかねる可能性もあること、
あらかじめご了承ください。
※ePlusでのチケットの販売受付は終了しました。
