秋空の下のマーケット 「もみじ市」がやってきます

その6 手紙社さんにて ♯3     当日の朝が、すごいんです。

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北島 これ、当時、自分でつくってた雑誌なんですけど、
なんていうんですかね、こういうの。
わたなべ 公私混同?
北島 そう、かんぜんな公私混同(笑)。
自分たちの「もみじ市」を紹介したんです。
スギエ あ、これが1回めのですか?
北島 そう、1回めです。
スギエ へえーー。
北島 みんなでユニクロで買った服を
ユニフォームみたいにしてね(笑)。
スギエ たのしそう‥‥。
北島 だいぶ昔のことのような気がするけど、
そんなに前じゃないんだよねぇ。
わたなべ ねえ。
北島 (セソコさんに)席、空いた?
‥‥じゃあみなさん、移動しますか。
山下 あ、向こうの席に。
北島 ええ、お昼ごはんの時間が終わりましたので。
わたなべ お客さんもいらっしゃらないので。
山下 そうですか、
じゃあ、せっかくなので。

(移動する)
北島 ‥‥というわけで、つづきはこちらで。

山下 あー、いいですねえー、
本と雑貨に囲まれて。
スギエ あらためて、よろしくお願いします。
北島 よろしくお願いします、
とは言うものの‥‥
千夏ちゃんは、あと5分なんだよね、
ここにいられるのが。
千夏 すみません、
仕事に行かなくちゃならなくて。
スギエ あ、そうなんですね、
こちらこそすみません、お仕事なのに。
北島 あと5分、「もみじ市」について語って(笑)。

スギエ ぜひ。
山下 あと5分。
では、どうでしょう、
「もみじ市」をやめられない理由は?
千夏 やめられない理由‥‥なんだろう‥‥。
山下 いちばん楽しいところ、とか。
千夏 ‥‥(じっくり考えて)やっぱり、
ふつうに仕事をして、
会社に勤めていると、
こういう関係を築くことって
なかなかできないと思うんです。
ましてやこう、
作家さんと近い距離で関われるなんて
そうそうできることじゃないですよね。
たとえば、
「この器はどうやってつくられているんだろう」
というのを直接
つくった人に聞けたりとか、
絵を描いている人に、
どうやってこれを描いてたのかを聞けたりとか。

スギエ なるほど、そうですよね、
そんな機会ってないですよね。
千夏 ‥‥あとは、そう、
やり続けてるいちばんの理由は、
なんとも言えない、あの、
このなにか、グッと胸にくるような感じが‥‥。
とくに、そう、
当日の朝が、すごいんです。
北島 ああ‥‥朝か‥‥。
千夏 なんとも言えない緊張感と、
言い表せない気持ちが入りまじって‥‥。
北島 ついにきた、いよいよだ‥‥って。
千夏 長いあいだずっとメールとか電話で
やり取りしていた人たちが、
ぜんいん勢ぞろいして、
朝の空気のなかで、
「おはよう!」
「おはよう!」
「おはようございます!」って。
北島 そこでまず、泣きそうになるんです。
千夏 そう(笑)、はじまる前に泣きそう。
「どうかよろしく!」っていう、
当日の朝が、ものすごいんですよ。
わたなべ うん‥‥。
千夏 わくわくするし、
がんばろう!って思うし。
北島 北から南から集まって来るからね。
千夏 ええ。

スギエ ‥‥それは、たまらないですね。
山下 なんか‥‥すばらしいです。
「もみじ市」を主催されているかたの気持ちの
神髄をうかがえたような‥‥。
千夏 そうですね、やっぱり朝が、いいんです。
何にも変えられないものがあります。
山下 ‥‥千夏さんも、あれですね、
うちのスギエと同じで、
内に情熱を秘めるタイプですね。
スギエ なに言ってんですか(笑)。

山下 物静かにみえていた人が
こころをこめて話しはじめたときの
すごみをみました。
北島 千夏ちゃんは小さな巨人と言われていますから。
山下 その呼び名の理由が、いまわかりました。
千夏 あ、ごめんなさい、
ほんとにタイムアウトです(笑)。
山下 すみません、引きとめてしまって。
千夏さん、ありがとうございました。
千夏 ありがとうございました、
失礼いたします。

(千夏さんだけ、去る)

  (つづきます)

2010-10-07-THU
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