SHIMIZU_MICHIKO
清水ミチコの試供品無料進呈
(秘密厳守)
1998年10月の日記

第1回

今日からこのページに
店子としてお邪魔することになりました。
よろしくね。

テーマソング

10月6日(火)
今日はなぎら健壱さんと一緒に新潟へロケ。
ロケはスタジオより好きだ。
気が楽なんだもん。
なぎらさんもそのようだ。
しかし、ナギーだからこそいいのかもしれない。
気が合わない相手だとどっと疲れるのよね。
水商売わかるわよね。
ナギーはどんどんしきって行くマッハ文朱さんに
けっこう疲労したと言っていた。
本当にしきりがマッハ級なのらしい。
人間頭の回転が遅いとしきれないのだそうだ。
そりゃそうだ。名言。
言いながらナギーはマッハッハと泣き笑いをした。

私は林寛子ー! と泣きつきあっているとロケバスの窓から
「妖精美術館」の看板を見つけ、
いったい何だ妖精って、小さなおばあちゃんが
スプーン曲げるんじゃないか、
ナスカのあれじゃないの、口から出るホラ、
ああエクトプラズマの写真?
展示してあるんじゃない?
と笑ってるとドライバーの方が
「そんなに行きたいのなら、寄ります?」と、
途中で下車。いいねえ。感謝して降りる。

一人300円だった。ここはお客さんが来たら、
そこで電気をつけるというシステムらしい。
中は「妖精のような女性」が描かれたと思われる
妖精(外人らしい)の絵の展示と、
妖精が使う歯の入れ物、
妖精の指ぬき、
妖精の欲しがる物(私たち人間の使うやかんや楽器)
が展示されていた。
あと、なぜかオルガンと、バリの神まで展示してあり、
妖精と神聖と、どこでラインを決めるかは難しいようだった。
妖精は全体に琥珀色が好きと見た。

1998-10-08-THU

第2回

10月9日(金)
生番組「ぴかいち倶楽部」(NHK金曜お昼2時〜)が
国会中継で飛んだ。ラッキー! いいぞ政治家! 
何をしましょう、と考え、CDかけつつ冷蔵庫の整理。
もういっさい買わないわよ、瓶詰め。いつも残る。
ふりかけも買わない。
冷蔵庫は扉をあけた時にパアッと光がさしてないといやだ。
たんまりあると苦しそう。わかる。
何事もエア欲しいわよね。
残り物で不思議なしそ味噌汁と
不思議なまぜごはんができた。
でも残さず食べてた。さすが家族だね。

10月10日(土)
東北学院の学祭へ。
外で学生がジャズを演奏していた。窓からながめて聞く。
知っている曲が流れてきたので
合わせてひとり小さくキーボードで参加。
しかしやはり難しく、ついていけずに途中であきらめた。
楽屋に実行委員の方が来て
「きをつけ!」の姿勢のまま今回の主旨、
ならびに感謝の意とともにきちんと
挨拶をなさったので驚いた。
えらいねえあんた、ちゃんとしてんだねー、と言うと
「リハしましたので!」とパリッと言った。
とてもいいカンジの学生さんがいっぱいで楽しかった。
ただしみんなに、
インターネットとか、やってる?と聞くと
ほとんどやってない事が判明。
実際はまだまだらしいぞ電子文明。
帰りにまた「きをつけ!」で挨拶、
感謝の意をしっかり聞き、
萩の月

「萩の月」をおみやげにいただいた。
学生諸君、また会おう。
そのあと都内でFMのジャズの番組に収録へ。
帰りにビデオをレンタルし、
夫婦で 「フェイスオフ」と
「グッドウイルハンティング」を見た。
「フェイスオフ」期待してたのに最悪だった。

10月11日(日)
吉田照美の「やる気まんまん」ゲスト。
なぜか好みの男性に細野晴臣さん、と答えてしまった。
私は本当は(本当に?)
しゃべりたがり屋なんだなあと思った。
時間が足りなくて帰りに、
ちぇっ、もっと話したいぜ、と思っていた。
フロムAの原稿を書き、コドモとプレステのI.Qで戦う。
さすが小学生、ボロ負けだった。

1998-10-15-THU

第3回

10月12日(月)
横浜でおよばれライブ。
気持ちよか。
しかしビデオまわしてるヤツがいて、
かなりヤなもんだった。
カメラと違って、(カメラは全然平気なのに)
いつも気持ちが悪いもんだなあ。
ビデオ撮ってる人に悪気はないんだろうけど、
ぜったい口元がにたにたしている。
そこがゲー、だ。
最近のは小さいから、とくにいやらしいね。
ニッポンのヒト。スケベね。
帰ってから馳星周「不夜城」を読んだ。
歌舞伎町がかっこよく見えてきた。
ハタチの頃、ムシャクシャして、
夜、歌舞伎町を一人歩いた事が何度かあった。
ただ歩くだけなんだけど、これだけでざま見ろ! 
と思ってた。
今思うと何やってたんだろう。清純派か。小さい。

10月13日(火)
マネージャーやのっちと夫と私の3人で
「月に一度は行こう」と決めたスカッシュへ。
近所のエクザスで。
本当にスカッ、シュッ。だ。
友情なのだ。
そのまま夫は会社へ、
私はナレーション撮りへと別れる。
ナレーションは好きな仕事だけど、
ときどき自分でも明らかに
ナレーターのモノマネをしているのがわかる。
実はモノマネってそんなに上手ではないんだけど、
好きこそものの、とも言う。
夕食に麻婆豆腐と鶏肉のスープを作り、
焼いた鮭の残りとともに家族で晩ごはん。
麻婆豆腐は我ながらおいしかったが、
「NHK7時のニュース」を見たい夫と、
TBSの島田紳助のクイズ番組を見たい私とで、
20秒ほど気まずい、いやあな雰囲気。
だいたい夕食にニュースが合うのか、まずくなる、
ああまずいまずい、というのと
これでもクイズか、簡単すぎる、という対立。
どんなごちそうでも、
本当にぜったい一気に舌がバカになる。
そしてまずくなる。
これ法則。
そして察知し、笑顔でまあまあ、とコドモ。
これも法則。
結局、じゃああんたやってみてよ。
10問正解したらニュースに変えたるわ、
ただし画像は見ないでよ、答えが出るんだからね、
人間つい読むんだから、と、
険しく言い、クイズに夫が参加。
全問正解した。
するとおまえもやってみろ、と夫が言い、トライ。
8問できた。ふふふふ、と笑いながら麻婆豆腐を
レンジでも一度チンして食べた。

1998-10-18-SUN

第4回

10月17日(土)
「天才テレビ君」に出演。
メイク部屋でレギュラーの小学生に
「Xファイル、すっごくよかった、
ジブリのもののけはいまいち!
前のに比べると!」と教わる。
ぜったい人間の全体的な
知能指数はあがってきている。
と、思う。
しかし心の方はどうや、どないや、と思ってみるが、
そっちも昔より澄んでいる気がする。
かといって私達が劣っている、
というカンジもしない。
これ理屈では変な話だが本当。

10月18日(日)
共立女子大でトークアンドライブ
というヤツ。
ピアノが小さく、音もひどかった。
アップライトはないだろう。
私でセーフ、だ。
昔、ここを受験したいです、と言った時、先生が半笑いで
「え?」と言ったのを思い出した。
すぐに今のは冗談です、と言う顔で取り消したのでした。
ここの学生はとてもお嬢さんぽく、おっとりしていた。
このおっとり、こそがお嬢様の証明なのだ。
私はせっかちだが、せっかちはせっかちを嫌う、
というか、苦手なものだ。
おっとりは全てをやさしく包み込んでくれるね。
私の格言ね。
夫はおっとりね。それで結婚ね。
1階が楽屋になってて6階が会場だったのだが、
本番直前、エレベーターに乗ったら
どうも下に向かっている。
「下に行ってない?」と聞くと
「あ、そうです、すみません。
でも地下は駐車場ですので」と、
花のような笑顔でわけのわからない返事。
しかし、その言い方がなんともかわいらしく、
口には出さないが(駐車場ならいいさあ、駐車場は
誰だって好きさね)、という気にすらなった。

10月20日(火)
名古屋パルコのCMナレーション撮り。
中野裕之監督の1本。
ちょっと大人っぽいカンジでやった。
お弁当に「HOMEWORKS」のサンドイッチが出て、
とても嬉しかった。
ハンバーガーしか知らなかったのだが、
サンドイッチ(アボカドと海老)もおいしかった。
あんまり「ありがとう!」というカンジが強かったのか、
スポンサーは
「どうしたんだこの人」という顔をしていた。
いいさ。
私は今こういうテイクアウトのショップが
とても好きでいるのです。
「STAR BUCKS」のカプチーノなんて
「おまえは千円だ」、と思っている。

中野さんはついにハリウッドに行って
「『水着の女王』をリメイクさせてほしい」
と持ち込んだそうだ。すごい。
一般人にわかりやすいところが
中野さんの身上でもある、と思う。

そのあと和田誠さんの事務所に行って
和田誠プロデュースのコンサートの打ち合わせ。
タモリさん、平野レミさん、小松政夫さん、水森亜土さん、
斉藤晴彦さん、私、団しん也さんの7人。
最後どうしようか、という事になる。
「私だったらベタでも全員で歌ってほしい」と意見を言う。
何の曲にする? と聞かれ
文字バケの歌「7人だから
ドレミの歌!どう?」
と言うが、言ったあと赤面。
どうも私の中には
ジュリーアンドリュースがいる。

10月21日(水)
楽しみにしていた「6DAYS,7NIGHTS」の試写会が
渋滞で間に合わず、
「10分遅れそうですが、なんとか入れてくれんか」
とお願いしてみるもやはりダメだと言う。
そりゃそうか。あ、そうですか。
余った時間をどうするかと考え、
結局六本木WAVEで時間をつぶす。
サムルノリのCDをバーゲンで500円で買った。
いいのかどうかわからないCDは
いつもジャケットのデザインで一か八かで決める。
普段はレンタルなんだから、と自分に言い聞かし
たくさん(6まい)買った。
「マジカルパーカッション」という
世界のパーカッショニストを集めたのが良かった。
ちょっと笑ってしまった。
打楽器のみとか、打楽器と声のみははおかしい、
というか面白いと思う。
いつだったか和田誠さんから電話で
「ミッちゃん、バイブはやらない?」と聞かれ、
けっこうこの人下ネタ言うんだ、ガッカリだな、
と誤解した事があった。
ビブラフォンはバイブと言うんですな。

1998-10-23-FRI

第5回

10月22日(木)
ニッポン放送「ビバリー昼ズ」生放送。
高田文夫さんは性格、価値観、好み、
いずれもまったく気が合わないようでいて、
なぜか放送になると合う。とても楽しい。
笑って苦しんでしまう。不思議な人だ。
水道橋博士に言わせると、
両者ともにボケになっているのだそうだ。
聞いてる方が突っ込みたくなると言う。

10月23日(金)
レギュラーのNHK「ぴかいち倶楽部」生放送。
ラジオ体操、第三、というのをわざわざ実践する。
糸井さんもそうなのらしいが、
私も「踊り」に似たような身体で表現することが下手で、
まじめにやればやるほど、まるで{笑わせている}ような
動きなのがわかる。けどそれ違う。

パントマイムデビューしたての時、
お笑いの女性評論家に、
「とっても、
惜しいの!」
と言われた。
「身体がコメディアン
じゃないの。
動きがないの。
あなたは
パントマイムをやったら
絶対うまく行くタイプ」
と言われて、
当時まじめだった私は
すぐに駒沢の
マイム研究所へ通った。
しかし、「カベ」が上手くなるほど、
「何かが違う」と直感し、すぐ止めた。
「カベ」は、なぜか生理的にとても
顔が赤くなるものなのです。
いまでも「カベ」は上手なので、時々無関係にやると
「さすが」と言われるのに、
私は奇妙なおかしさをもらってしまう。

10月24日(土)
某有名芸能人と一緒。
しかし隣の楽屋の罵声がこわくてこわくて、
付き人さんにそんなに怒ってあげないでちょうだい、
とにかく聞きたくないよ、と願った。
男性芸人はこういうところが嫌い。
女性の芸人は絶対にやさしいし、
残酷なところがぜったいにない。
こいつの私らに対する笑顔がとても感じがいいのが、
またいっそう気分が悪くなる。
男性芸人は、少なくとも声がけっこうもれている、
という事に気がつくべきだ。
芸を磨く前に自分を磨け、だ。

10月25日(日)
NHKで「熱血!オヤジバトル!」収録。
キッチュさんと御一緒。
40才以上のバンドを紹介する番組で、
うまいも下手も、音楽を聞いてるだけでけっこう楽しい。

キッチュさんは
気がついているのかどうかわからないが、
会うと必ず、
「僕は同い年のようでいて、
1月生まれのミッちゃんとは、
学年では違って、年下なんだよね、
実はトシが下なの」
と言われる。
これが毎年マネージャーと
「また今年も言われたあなた」と、噂になる。
私も私で、なんでだか必ず
「はあっ!そうですか!」
驚いたような顔をしてしまうのだ 。

1998-10-31-SAT

第6回

10月27日(火)
たまっていた原稿書き。
書きたいのに、ある名前がどうしても思い出せず、
友達のコトミちゃんに電話すると
「ロビンウィリアムズのさあ」と言っただけで
「ジャック!」
「甘くて黄色でさあ」
「サバイヨンソース!」と返事が早いので、
「いつもどうしてすぐわかるの?」と聞いたら、
「ミッちゃんの顔を思い浮かべると
なぜか答えが見えてくる」と自分でも不思議そうだった。
こないだは
「こないだ名古屋は強ーい雨だったから、ひまだったし、
わざわざベランダに出て
一人実況中継やってみたところ!」と言っていた。
私はすごい風の日にやった事がある、と話して笑った。
こういうところはとても似ている。

10月28日(水)
コドモの連絡帳に、毎日親のサインが必要なのだけれど、
それに変わったデザインのサインや
小さなイラストを勝手に書いていたら、
「クラスのお友達の一人が、
それを見ておなかを抱えて苦しそうに笑ってた」という。
ものすごく嬉しい。
どれに笑ってたか、と聞いて、
どれどれとそれを見ると
あら? これかなあ。だった。
あんまり自信がないデザインだった。

そのあとコドモの話で笑ったのは、
さすが今のコドモ、クラスの女子の中で今、
「ブラ」をしてくるコが出たんだけど、
そのうち、そうブラの必要のない子も
2、3人つけてくるようになったのだそうだ。
体育の着替えの時につけてない子が、その子に、
「ねえ、どうしてそれ、つけてるの?」
と聞いたと言う。
そしたら黙って、しばらくして
「暖かいじゃない」。と大きな声で言ったんだそうだ。
かわいい! 暖かい!

1998-11-01-SUN

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