SHIMIZU_MICHIKO
清水ミチコの試供品無料進呈
(秘密厳守)
1998年12月の日記

第18回

12月1日・火曜日
香川でAIDSデーのシンポジウムに呼ばれる。
実は12月1日にAIDSデーを設定したのも
知らなかったけど、12月1日は好きだ。
11月いっぱいは秋なのか冬なのかハッキリしないけど、
12月1日になると、さあ、こい冬!
という気にハッキリ気持ちが決められる上、
クリスマスに向けてツリーが飾られる初日だ。
でもなんで西村知美や東ちづるでなく、私。

ここで発見したのは、
人はモノマネしがちである、ということ。
シンポジウム、という言葉に負けるのか、
合わせてしまうものなのか、司会者はじめ、誰もが
「シンポジウム顔」をして、どよーっと暗い雰囲気。
それで、私なのね!とわかり、パカッと陽気に出た。
みんなもパカッとなったようだった。ホント。
楽しみにしていた醤油と生姜だけをからめる
「醤油うどん」が、本当においしい。
私は穀物(ごはん、麺、パン)が、
イジョーに好きなんだけど
こういう具がない麺というものにはひとしお惹かれる。

12月2日・水曜日

仕事の帰り、紀伊国屋書店で
「ぼくが愛するロック名鑑(ピーターバラカン)」と
「深夜特急2(沢木耕太郎)」を買う。
クリスマスツリー設置。
夕食、おみやげに買ってきたうどんを茹でたのと、
大根のサラダ、れんこんのソース炒め、
飛騨牛ステーキ1枚を3人で。

家の前を焼き芋屋さんが通ったので、
コドモと「デザート買い行くか!」と言って
コートをはおって走り、2本買う。
昔よりずっと安い(400円)。
帰りにクスクス笑ってたので、何がおかしいの、と聞くと
「あのおじさん、本当に焼き芋みたいな顔だった」という。
そういえば本当だ。
似てくるもんなんだよ、商売って、と答える。

12月3日・木曜日

MDで「息子よ」を聞きながらニッポン放送へ。
勝手に天気予報を「よく聞けキャンペーン」としてから
これが楽しみになってきている。
こないだは腹話術でやった。
吉永コーナーも笑える。
(吉永小百合様の、断れよ仕事! 
 と言いたくなるような過去の歌特集)

そのあとのTBSまで時間が余り、
やのっちとラーメン屋さんへ。
ここは前からガイドブックを読んで楽しみにしてたけど、
サラダなんかがついてきて、げっと思う。
しかもラーメンがあらっ、という味。
「日清のラーメン屋さん」にそっくり。
いや、ラーメン屋さんがヘタなのではなく、
今やインスタント食品がうますぎてるのかも。
STAR BUCKSでコーヒー。
TBSについたらエレベーターに高田順次さんが
ごく普通の顔で乗っておられ、
それがいっそうおかしくて、
私を含め乗客みんな静かにニヤニヤしていた。

1998-12-11-FRI

第19回
12月4日(金)
朝、ベッドで、
今日はこの幸福感のまま、1日を過ごす、と決意。
「自分さえ良ければ全部いい」、という考えは、
まるで悪い言い方のようで、そうではない。
自分すら気分良くできない人は、万事急須なのだ。
不幸よ、アクシデントよ、
来るならさあカムカムいらっしゃいー、で始める。

朝食を作って、めずらしく食べて、そのあとテレビ生放送。
帰って、家で1時間メトロノームでピアノ。
JAZZコード名の基礎。
ここでもうアクシデント到来。
むいてないんじゃなく、コードが別に必要ないのだ、
今までだって適当だったんだから、
そうだ、トイレに貼ろ、とF・AUGを貼る。

メール3通。
中に1通、大瀧詠一さんからのがあり、嬉しい。
さっそく返事。
なぜかあやまってる1通も来てた。
どうやら私の送ったメールがその人を傷つけていたらしい。
バカバカ、冗談よ、と思ったが、
メールというもの、音声でもなく字ズラあるわけでもなく、
軽い気持ちで書いたものが、
けっこう傷つけやすいところがあるようだ。
わかるわかる。
私もメールであやまって、驚かれた事があった。
電子文明の悲しさよの。
朝の決意、夕方頃にはケロリと忘れてて、
普通な1日になってた。

12月5日(土)
てびちとTBSで。
てびち、というのは私が勝手につけた伊集院光さんの手。
豚足の沖縄料理だ。
性的に興奮したりさせるのがセクハラなら、
こういう食欲をそそる手を、
人目にナマでさらしているのもセクハラだろう。
そのせいか、帰りに脂っこいものが食べたくなり、
肉を解凍しといて、と家に電話。
挽き肉しかないぞ、と言うので近所の焼き肉屋に誘った。
自分の腹がてびちに。

ビデオで「タイタニック」また。
これはコドモと初めて一緒に見に行った大人の映画。
この時は嬉しくて、ちょっと興奮した。
私が幼稚園児の頃、親が夫婦喧嘩をすると
どっちかが映画館に連れてったもんだった。
「座頭市」や「男はつらいよ」は、
今も胸がきゅーんとしまる。
浅草キッドの玉袋さんは
「いつか俺は初・大人映画にJAWSを、
あっちゃんと見るんすよ」
と嬉しそうに言ってた。
しまった。予定する、という楽しみがあったか。
しかしコドモは「こんなに感動した映画はない」、と言う。
今度は「ポセイドン・アドベンチャー」を見せたくなった。

12月6日(日)
事務所にVAIOきた。

元旦の「テレ東ラーメン番組」打ち合わせ。
お正月にラーメンをぶつけてくるところが
この局のいいところだ。
原宿の和田誠事務所へ行く。
打ち合わせは簡単に終わり、
そのまま近所の鉄板ステーキをごちそうになる。
お店を出た路地で、
石田純一さんが携帯電話をかけているところに遭遇。
やけにあせってたみたい。電話落としそうだった。

RAJIOに行き、
和田さんに映画で一番泣いてしまった
ベスト3を聞いたら、
「グレンミラー物語・子鹿物語・
素晴らしき哉人生!」なのだそう。
グレンミラー、どこで泣くんすか、
と聞くと、
「ラストの明るい音楽に俺は泣けるんだよ」、
と言っておられた。芸人の話も面白かった。
ナマで見たもののネタの記憶力。
そのままボロンテールに行き、帰宅AM3:00だった。
9時間もしゃべっていたのか。
上に書いたこと以外、中身の記憶がない。

1998-12-12-SAT

第20回

12月7日・月曜日
事務所の中川さんが、下北沢の「水の戯れ」に行ってきて、
えらく感動してきた。
中川さんはウチの事務所の、TVブロス誌上での
「スタッフ募集」を見て勤務3年目になる人なのだが、
とにかくフットワークが軽い。
どんなミクロなライブハウスも見逃していない。
今年はライブより演劇、なのだそうだ。
そういう方面の雑誌もあるのだそうだ。
タイトル聞いてちょっと笑った。

中川さん
「私はなぜだかあがる、という事がないのです」と言う。
今までも結婚式のスピーチにしろ歌にしろ、
「あがる」という感情がどういうカンジなのか
よくわからないそうなのだ。
「自意識がもともと低くて、これつまり
アーティスト向きじゃないって事なんですよ」と
サラーッと言ってて、ははあやっぱ、言う事が違う、
冷静にライブ見てきてんだなあ、
そういうもんかもなあ、
どこかでちょいと平等だなあ人間、と思った。
「ホーキング本」にもはまってて、
数学をまた「勉強したく」なったそうだ。
おまえが宇宙だ。

12月8日・火曜日
金曜日に出る新宿ルミネのイベントのために、
ネタ「悲しみワルツ」と「MYWAY」をピアノ用にして
自己トレ。
ピアノ、コード練習すればするほど、
どんどん遠のくというか、ヘタになってるような。
そんなバカな。書くな書くな。

コドモが90点とってきたので、
ワーあんた天才だなあ、すごいすごいとおだてる。
仕事の時間まで遊んだろか、と言うと
「久しぶりにあれをやってほしい」と言う。
あれ、というのは恥ずかしい話、
「みじめ暮らしごっこ」というもの。
詳細は書くのをやめとく。
とにかく何で思いついたのか、
いったいどこが面白いのかわからない設定。
「これ(みじめ暮らしごっこ)を、一番乗ってくれるのは、
みつるちゃんとばあば(私の母)で、
とてもカナコ思いつかないようなセリフが
すらすらと出てくる」と言っていた。
どんなセリフなのかを聞いてみら、吹きだしてしまった。
書くな書くな。悲しみワルツを。

12月9日・水曜日
ヤノッチとスカッシュ。
左手を器用にしたい、と思い、
思いきって左手で打つことにしてみたら、
これがうまいうまい。
打ちながら、あんがい私って運動神経いいんじゃないか、
頭で「悪い」と決めつけてたんだ、あの時の運動会、
あれで自分のキャラクターをまちがえたんじゃ、
なんて思いが浮かびつつ。
右にやって来た玉は、素早くさっ、と
左手から右手に持ち変えて打つ。
こうなると体を左右に動かさなくても、どんどん拾える。
ヤノッチに、「こう、両手で持ちかえて打つのって、
いいと思うんだけど、プロテニス界でのルールは、
アリなの?」と聞くと、
「聞いた事はないけど、
とにかく今日、蟹、みたいですね!」
と誉められ(?)る。
蟹とは、うまいこと言う。

マシン20分。
使い方のわからないマシンを
インストラクターのお兄さんに教わる。
教わったあとで、お兄さんから小声で
「バラクーダー、って知ってますよね」と、言われる。
ははあ、お笑い芸人は
けっこうジムに通ってきてるらしいと聞いてたから、
「もしかしてバラクーダー、ここに来てるんでしょ!」
と聞くと、
「いいえ! 来てません」とニコニコして言う。
そのあとでクイズの答え(さて、正解はー!)のように
「実は私、バラクーダーの息子なんですよ」と言われる。

バラクーダーの息子、という言葉もいいが、
なんだか顔もちょうど良かった。
そのあと必死にマシンをやってもやっても、
チャッカー、ポッコー、チャカポコチャ、
が頭から離れず。

1998-12-15-TUE

第21回

12月10日・木曜日
LFビバリー放送中、「交通安全」のさとう玉緒のマネ、
そっくりにできた。
本番リハ。

みじめ暮らしごっこ(ド貧乏ごっこ)、
なんでコドモが好きなのか、惹かれるのか、夫婦で話。
「俺には言わない」のらしい。
「しょせん、あんたは貧しさを知らないから。
ぼんぼんだわ」
と言うと、俺んとこだってけっこうあったぞ、と
お互いの細かい記憶の貧乏トークになったのだが、
これがけっこう面白いものだった。
いつのまにか自分たちが新・みじめごっこに。
そういえば昔、松っちゃんともこれではりあった。
「じゃ、昔のおまえんちの冷蔵庫、チーズ入ってたか」
という質問に、
「あ、入ってた」と言うと、
「な」と、すでに勝ち、のような顔だった。
貧乏、いったいどこの何を刺激するんだろう。

12月11日・金曜日
NHKぴかいち倶楽部で、「お母さんと一緒」特集。
「清水さん、『イカイカ・イルカ』という歌、
イルカのかぶりモノで踊ってください」、と言われる。
しかし、イルカよりもイカの方がどうしても大きく、
好きだった。
「イカじゃダメ? イカ着させてくださいよ」と頼むと、
イカ、結構重くて大変そうですけど、いいですよ、と言う。
イカのかぶりモノで歌って踊る。
踊りながらやっぱりイカで良かった! と思った。
すごくいい歌じゃない! とノリノリ。
イカのかぶりもの

そのあとルミネのイベントライブ。
なんてことだ。
このために練習したのに、ピアノミスしっぱなし。
新しく練習したやつも、やらないで終わった。
きっと、「せっかくピアノ練習したんだから」
の「せっかく」のヨコシマな部分だ。
パカッ、だけで出よう。
かわいいモヘアの手編みのマフラーを
これまた同じような髪のかわいい女の子から
すごく楽しかったです! 盛り上がってましたね、
と、もらう。
そうか、そうなんだ、と言葉を反すう。

しかしやはり家について
どうにも否定的顔つきになってて、
「笛、吹いてあげる」と言って、
真横でコドモがリコーダーを吹いてくれた。
(学校の課題曲・映画トトロより「迷子のテーマ」)
マイナー調だし、音がどうにも貧乏くさくて
(やっぱコドモ)
曲が盛り上がるにつれて吹き出してしまい、
(いつかリコーダー、使える)と思い、
たいへん元気になった。
コドモもその笑いがわかったのか、
途中で笑いだして苦しみながら吹けなくなってんの。

12月12日・土曜日
赤坂泰彦さんの番組に、泉麻人さんと。
泉さん、ジェントルなカンジで、変わってなかった。

赤坂さんの「自信」を、
以前顔マネと文で書いてたことがあり、
本人知ってて、ちょっと緊張。でも大丈夫とのこと。
CM中に、
「僕ね、昔、永ちゃんと二人で飲んでて
殴り合い寸前まで行った事ある」
という話。なんでか、というと
「あんた、日本一の田舎モノだよ!」
と言ったからだそうだ。
「どっちがですか」と聞くと(これもいきなりな質問だが)
「僕が、矢沢に」と言っておられた。
「赤坂さんが。矢沢さんに」リピートしてんの。

12月13日・日曜日
宝島原稿。顔マネ。
あまりにも似てないと笑える。
クイズか。

1998-12-20-SUN

第22回

12月14日・月曜日
FM-TOKYOで番組収録。6時間かかる。
麻木久仁子さん、コロッケさんと御一緒。
麻木さん、
「どういうわけかちっともモノマネされない
イラストなんかも描かれないの」、と言い、
思わず「あ、私もやる気しない!」と、
ヒラメキのままに言う。
じっと見られた気がした。
「さわやかだから!」
とわけのわからない答弁。
しりゃしたで怒られ。

12月15日・火曜日
インタビュー取材。
そのあとレンタルしたビデオ
「ユージョアルサスペクツ」が、日本語吹き替え版だった。しまった。
吹き替えがうまいヘタにカンケーなく、
見ててなんとも気持ちが悪い。感情移入が難しい。
もしも自分が出てるヤツを
違う人で言葉を吹き替えされたら、
同じ日本語でもああっ、ニュアンス違うー、
と思うんではないか。
でもこれ、使えるかもしれない。
何に。

12月16日・水曜日
元旦のテレ東「ラーメン特番」収録。
坂東英二さん司会。
よく見ると理想的なラーメン職人の顔。

もっとぬるくなったような、
うまいけどのびたラーメンが出ると覚悟してたら、
これが全て作りたてで出してくださった。ありがたや。
熱くて本当にうまい。
しかし、ここでわかったこと。
1.
人間、本当においしいと思うと、顔は喜びを出せない。
なんというかその瞬間、表情が静止、止まるモノだと実感。

そのくらいおいしかったのです。
半分くらいの量ずつ、でも6杯食べた。
ここでわかったこと。
1.
人間、ゆっくり腹がいっぱいになると、
胃が重くはならず、あとで背骨にくるモノだと実感。

「ぼうまんかんに、効くザッツ」をいただいた。

 

1998-12-24-THU

第23回

12月17日・木曜日
TBSラジオ(カモネギ放送局)でのニュース、
印象的だった。
「オーストラリアの少年が日本で落とした財布が、
つい最近、広島だかのゴミ収集所で見つかり、
届けたところ、母親がお礼とともに、
『まったくこのお財布は、私の家族の中の誰よりも
長い旅行をして帰ってきたわ』と語った」のだそうだ。
本当かいな。
どうして外人たちはいつもそう瞬時に
イキな事をしゃべれるのか。謎。

洋画で、「リアリティのある」と言われてるものでも、
死ぬかもしれないって時なのに、
必ず「イキ」なセリフが出てきて、
「あれ」と、不思議だった。
「死ぬのは俺からかい?
それとも君の弔いをしてからになるのかい?」
ってなセリフ。(比喩、ヘタですが)

最近の「6DAYS,7NIGHTS」のテレビCMだって、
敵に殺されそうな時に崖っぷちで、
ハリソンフォードが女の子にキスをする。
そして「ごめんよ」とあやまる。
「このキスのこと?」と女の子。
「いや、これさ」と女の子を海に落として、自分も落下。
こんな風な事、やたらある。

こないだだって、
マグワイヤの記録的ホームランボールを、
たまたまキャッチできた男の子が、
本人にボールを渡すとき、
「マグワイヤさん、これ、落とし物です」
と、言ったと聞いた。
なんなのだ、この蝶ネクタイ。
(本当にてっきり落とし物だとばかり思ってた少年、
という話だったら面白いけど。)

アジア圏に内緒の言語教育があるのではないか。
なんて言うと、この質問の答えもまた、
すぐにエスプリで答えそう。

12月18日・金曜日
「金曜スタジオパークからこんにちは、のあとは
ぴかいち倶楽部でーす」。
の、ナマ放送。
ゲストはつぶやきシローさん。

夕方、早めの忘年会。
さすがNHKで、まじめに鰻を食べ、
番組の反省やら来年の期待など一人一人が明るくスピーチ。

車中、MDで真心ブラザーズの「スピード」をかけて
一緒に早口で歌った。
「♪ウダウダ考えてるとスピードが落ちる!
アイルトンセナ!」
のところ、めちゃ気持ちがいい。

12月19日・土曜日
茗荷谷の貞静学園(お嬢様女子高)で、トーク。
女子高生は、本当にかわいいなあ。よく笑うわあ。

ピアノもあったので、
自らてきとうな校歌など、即興で歌う。
こういう時はラクーにできる。
帰りに、まったく疲れってもんがない。
そのあとまた、NHKに行って来週の収録分の撮り。
この時は夫が来てたので、ちょっとかわいくしてみました。おえ。

矢野顕子さんのさとがえるコンサートが
生放送でオンエアされてたらしく、
友達からビデオが届いてて、見る。
毛帽子、グリーンフィールズ、素晴らしい日々。
また快感うるうる。

12月20日・日曜日
家族にうなぎの炊き込みめし、サラダ、
吸物などをいそいそと作り置きし、
楽しみにしてたお食事会へ。おめかし。

キンタマの会のメンバーで、
(仲良し女性4人組。まるで男みたいな性格なので、
さっき笑いながら電話でそう名前がついた)小笹鮨へ。

恐い(顔だけ)ご主人が
「俺が適当に出すから、まかしな」とおっしゃる。
うまかねー。幸せばい。女同士はいいねえ。
食べる食べる。

そのあと、下北のMOTHERへ。
途中、「清水ミチコじゃねえか」
とか言って某ギタリストが現れ、
(私は知らないが有名なんだそうだ)
めちゃめちゃ酔っててからんでくる。あんまりだ。
びびりそうなところを、さすがキンタマの会メンバー、
「女同士で話したいから、あっちに行ってください!」
とバシッとキメてくれた。
カッコいいったら、もー。
店をザジに変え、
仕事の話、ややお品のない話や、かわいい話。

なんと、みつるちゃんが、
私のコドモが通ってた同じ幼稚園に、
(コドモを)預けようかとちょっと考えてる、
なんて言ってて、すごく嬉しい。ちょっと鼻高く。

その幼稚園とは、下高井戸の「小羊幼稚園」といって、
小さい規模ながらも、健常者のコドモと障害者のコドモとを
平等にシゼーンに預かってるところで、
そういうところを、少しも先生(クリスチャン)が
いばっていない、
まかせんしゃい、という「顔」をしてるのがわかって、
気に入った。
もしかしたら、人生の教育上、こういう幼稚園は
コドモのためにとてもよろしいんじゃないか、とも思い、
通わせたのでした。
でもホント、友達のめんどうを見てる姿など、
かわいかったな。
今、ちょっとワルな格好をしてみたいなんて言ってるのが
(ワルとはモスグリーンなのらしい)嘘のようだ。

12月21日・月曜日
原稿3本。
注文していた高山の「中華そば」が届く。うれしい。
偶然、実家から「飛騨りんご」も一箱届き、リッチに。
そのうちお歳暮で「グリコのお菓子いろいろ」
なども来た。まあ。あらまあ。

来年のお正月に予定していた家族のバリ旅行、ナシに。
正月は旅行、
となんとなく決めてたところがあったんだけど、
ウチのコドモ、たいくつでたまらん長期休みを
あんまりしらないんじゃないか、との夫の見解。
確かに忙しいかも。承諾。

1998-12-26-SAT

第24回

12月22日・火曜日
スタッフで事務所の大掃除。
といっても、私は何もしないで、リンゴむいて差し入れ、
そのまま忘年会に参加。
近所にある、中華料理というより中国の家庭料理っぽい店。
なかなか日本語が通じないが、
味、とてもおいしいお店ある。
12月という月は、国内の年間ビールの3分の1が
消費される月なのらしい。
というのは嘘。
でも私の体内ではそうなっている。
明日のためにあまり飲まず。

12月23日・水曜日
ビバリー終わったあとで、日テレのロケ。
昔、私が6年アルバイトしていた
田園調布のデリカテッセン「PATE屋」へ。
ここは私のサンクチュアリだ。

年末で忙しそうなところへ、カメラが入って
パテ屋のスタッフに申し訳ない事をした。
あやまるのもおかしいし、いや、私は今タレントなのだ、
気にするな、堂々と、と、数分頭を整理。

別の仕事を終え、帰りにまたPATE屋へもどってみた。
たまたまここの経営者の義兄にあたる林泰義さんが、
「地域の交換取引システム」についての
ディスカッションを軽いパーティ形式でやっており、
東京工業大学の学生ら約30人とともに参加、
という事になった。
林さん、なんと自分のアイデアで、
かわいいデザインの「流通紙幣」を作成しておられた。
この「地域の交換取引システム」というのは、

1「私はこれができる」という事をいくつか紙に書く
2「私はこれを求めている」という事をいくつか紙に書く
3 それを目録にする
4 おたがいの供給を手持ちの流通紙幣で買い合う
というもの。

これだと、たとえば
「高枝切りバサミを持っている」と登録しておけば、
「今だけちょっと欲しい人」は買わなくても借りられる。
借りた人は何か「自分ができる事」の人への地域奉仕で
また通貨を取り戻す。
誰も現金が儲かったりも、損したりもしない。
個人の得意な事を点数でわかちあえるのみだ。

「しかし、図々しい性格だと、
得ばっかりする人間が出るのでは」と、
質問の挙手があがった。
「そういう人は必ず出るとは思いますが、
地域で借金の額がこのくらい、
とリストに名前が出ますから目立ってしまい、
かえって出にくいんじゃないかと思います」と、林さん。

「もったいない個性が
小さな社会でラクに参加できる」のが特徴。
子供の世話、パソコン操作、ハンガリヤ語、
セラピー、歌を歌いたい人、歌を聴きたい人、など。
案外原始的なようで、とても新しい考えだ。
説明に鼻息が荒くないところも、聞きやすく、
「それ、インターネットで
やったらいいんじゃないか」と、私が意見。
よくよく私は考え方がせっかちだなあ。
まず、地面でやってみて、ってところがない。
だからここが好きなんだろうけど。

12月24日・木曜日
ビバリーのあと、
沖縄での「JALSTORY」イベントに呼ばれてライブ。
沖縄ならどんな仕事でも行きたい。仕事と思えない。
ギャラなんていらない。人を幸せにする島だ。
飛行機が遅れ、
9時半からのステージに間に合うかの瀬戸際であり、
かつ、車が渋滞。
普通ならイライラするところが、
やはり明るい地の力のせいか、
遅れたら遅れたでいいじゃない、踊ればいいじゃない、
と開放的思考、楽天的考えに。

しかし、運転の方はそうも言ってられないらしく、
生まれて初めて時速160キロを味わう。スカッ。
暴走族の気持ちわかるわかる。遅刻なし。

面白いライブだった。タガ、はずれてるんだもん。
ホテルで鉄板焼。
いつも接待はできるだけ辞退しているが、
ここだと、ぜひ、食べさせてください、
という感謝の気持ち。
どんなにいい思いをしてるか、コドモに電話。
ちょっと迷惑そうだった。
ゲーム、そんなにいいのか。

12月25日・金曜日
帰りの飛行機の時間まで余裕があり、
ホテルで午前中テニス。
那覇市内の、おなじみ公共市場2Fでごはん。おおうまい。
おばさんに「ミッちゃん来また来てくれたね?」
と親しいカンジで聞かれ、嬉しい。
「ミッちゃん! 沖縄通じゃん!」
とスタッフに言われ、そーさ、と得意顔。
しかし「ちゃんぷるー」と「いりちー」の違いを聞かれ、
わからず。
聞いてみたら同じ意味だとの事。炒めものですな。
路上でウベ・アイスクリーム食べる。

しかし、どうもスタッフの一人が体調悪いのか、
時々ひどく匂う。
食べ物ダメそうだったマネージャーかいな、
いや、坂田さんかな、あ、柴田さんだな、
なんて想像するが、
そのうち、自分が買って持ち歩いていた
生ラッキョウの匂いだとわかった。

買い物しすぎたつもりだったのに、
家で包みを開けてみると、
あれ? こんなもんだっけ? と思う。
家に帰るといつもこう感じる。
「おみやげ」って、
どうも途中の道で減ってるような気がしてならない。

1998-12-29-TUE

BACK
戻る