SHIMIZU_MICHIKO
清水ミチコの試供品無料進呈
(秘密厳守)
2000年2月の日記

第123回

1月29日・土曜日
小林克也さんとラジオ生放送。
「音楽好きの小林克也さんが、一番いい!
 と感動した日本の歌手はどなたですか?」と聞いたら
忌野清志郎さん、なんだって。
返事が早かった。
私は勝手に、シブイ系の大御所を出すとばっかり
思ってたので、意外だった。

タクシーで帰宅。
コドモが「(ちゃお!の)応募者全員に大サービス!」に
応募する、と封筒を持ちながら嬉しそうに言っていた。
「それは、大サービス! なんじゃなくて、
 切手450円分を同封の上なんだから、
 買ってる事になる」と言うんだけど、
あんまりわかってない、というか
でもいいじゃんってカンジ。
私は「大サービス!」が、くやしいんだけど。
あんた、おこずかいでやりくりしなさいよ、と言う。
この「なさい」と言う時、いきなり母親っぽくなる。
でも、私もやってたんだよなあ、同じ事。

1月30日・日曜日

本屋さんに行ったら、
目線の下に、3才くらいの男の子が歩いていて、
その後ろから、母親らしき女性が、
「ひいらぎちゃん! こっちでしょ? ひいらぎちゃん」
と呼んでいた。
へえ、ひいらぎちゃんって名前か、
ちょっといいじゃない、と思ってたら、
隣にいたカップルの女の子が、
「絶対聞こえるように言ってるし」
と小さくつぶやいたのがおかしかった。
(そういえばちょっとそうかも!)と、
顔は本に向けたまま、心の中で返事。

誕生日を理由に、夕方家族で下北沢のレストランへ。
ビレッジバンガードに寄って、
おもしろそうなCDや本、小物など買う。
帰り道で、知り合いにバッタリ。
家族と一緒だと、妙に照れながらの立ち話になる。
大橋君チのお店の前を(ここかよー)通って、
カプチーノ片手に歩いて帰った。

1月31日・月曜日
TBSに出て、メイクを落として車に乗り、
ヤノッチとスポーツクラブへ。
約6人ほどしかいない中に、
渡辺美里さんがおられたらしい。ヤノッチ報告。
「なったことあるぞー!」と思いながらスカッシュ。
そのあと
「あ、hitomiさんに、センチバさんも!」と
ヤノッチ次々と発見。
なんで、ノーメークなのにすぐわかるんだろ、
最近の若い人は。
場内モノマネ・オン・パレードにもびっくりだけど。
肩幅は広くなり、肩身は狭くなり。
そのあと、スーパーへ行って、食事作って、
家で友だちの順ちゃんと会う。
夜中には順ちゃんがお皿を洗ってくれた。
ついで、とか言ってキッチンピカピカに。
ラッキー。

2月1日・火曜日
「今朝、朝市で買いたてですよ!
 誕生日おめでとうございます」
という手紙と共に、香川県の知人からお魚の干物が届く。
ありがてえ。
さっそく夕食にした。
大根おろしと共にいただく。なんてうまいのだ。
私は日本酒は飲めないんだけど、
こういうのを肴にしたらおいしいんだろうな。
うるめ、鯛、かわはぎ。
サメの干物は生まれて初めて口にした。
うるめなんか、ウチのコは初めてだろう、と思ってたら、
給食でけっこう出てるんだそうだ。
今年一番おいしいおかず!
と、コドモ、興奮して食べてた。
「俺も!」と夫。実は、私も。
料理って、テマヒマかけない方がおいしいような。
(普段もかけてないですけど)。

2月2日・水曜日
黒沢明の「夢は天才である」を読みつつ、
「七人の侍」のところで、
三船敏郎が自在に「青っ鼻」を出したところ
“あまりに汚いので、映画ではカット”に、笑った。
なんて人なんだ。
芸人でも、ガスの方は出す人はいるけど、
鼻汁の方を自在に、の人は、ちょっと見た事ない。
撮影中に、「俺は、出るよ」と、言ったそうだ。
そして、本当に出されたんだそうだ。

ときどき、
「もし私が男だったら、そのくらいの事
 (お尻やおちんちんを出す)はできるぞ」
と思う事もあるけど、
鼻を出す方は、自分が男だったらと仮定してもできない。
技術(?)もそうだし、人格としてキツイもんなー。

それにしても、時代が、
こうして同士を呼ぶ事が不思議だと思った。
赤塚不二夫さんが住んでらした、
「ときわ荘」もそうだし、
(詳しくないけど)文芸界や、ジャズ、フォークの世界も。
そうして、天才が出るって事。
で、いちように
「なんだかわからないけど、当時はよく集まってね」
なんて答えてるんだよね。
言ってみてえー。

2000-02-12-SAT

第124回

2月3日・木曜日
ビバリーとCBC生放送。
帰りにヤノッチと原宿「じゃんがらラーメン」へ。
席に座って待ってると、メニューのあたりに、
なにやら格言っぽい人生の言葉が
貼ってあるのに気がついた。
こないだはウチの近所のラーメン屋さんにも、
相田みつをさんの言葉が貼ってあったし、
ずっと前に行ったラーメン店に
もそういう教訓カレンダーがあった。
これってお鮨屋さんやファミレスでは、
まずなさそうな光景。
なんか、ラーメンって、しょっぱさ、暖かさ、湯気、と、
特殊に切実に人生と結びついてる食べ物なのかなあ、
なんて思った。
でも、おいしかった。でもという事はないが。

ビデオで「39」を夫と観る。
夜、大瀧詠一さんとメール。笑った。
このHPでの糸井さんと陽水さんとの対談といい、
この世代はまじめなようで、(と、ひとくくりにするのも
失礼だけど)どっかおかしい、と思う。
私達の世代の方が、ずっと生まじめみたいだ。

2月4日・金曜日
ピアノ弾く。そのあと近所で買ってきた魚を焼く。
このところずうっと焼き魚ばっかり夕食にしている。
今日は魚屋さんで買ったいさきを焼いた。
それに平目のお刺身に、油揚げとお豆腐の味噌汁と
小松菜のおひたしに、豆腐と卵の炒り煮。
ところで私がいっさい作らないのは天ぷら。
春野菜の天ぷらなんか、大好物なんだけど、
キッチンに、匂いや、うっすらつく汚れがつくよりも、
「あれはばあちゃんの家で食べるごちそう、
 あるいは買ってくるもの」と、
決めていくことにしたのだ。

2月5日・土曜日
LFで生放送。
LET IT BE(あるがままに)、
とナチュラルに始まる一日より、
「よりおもしろく」と思うと、
それだけでボキャブラリーも違ってくるようだ。

本当に自然体でいると、ろくなもんじゃなくなる。
私は「口が悪いようでいて」、
実は意外と善人、のようで、実はそうでもないという、
やっかいな性格のよーだし。

ところで、今日は絶対的善人、
滝本淳助さんから年賀状が届いた。
「今年から旧正月制を取り入れました」
と書いてあったのに笑った。
去年の年賀状には「今年、ヨロシク!」と、一言あった。
「今年」と「ヨロシク」のあいだに、
「も」がないだけで、おっかしかった。
今年ヨロシク。
これは、彼の声と顔を知ってる人だと、
よけいおかしいだろうな。
とにかく一言ヒトコトがおもしろい人なのだ。

滝本さんはかつて、QRの、
えのきどいちろうさんの番組のレギュラーだったんだけど、
その最終日のむっつり感もおかしかったなあ。
聞いてた車の中で爆笑した。
子どもみたいなんだ。
ぷんぷん怒ってるんだよ。終わるってことに。
彼に限らず、QRは、地味に見えて
ホントに見る目がある放送局だ。

2月6日・日曜日
仕事の帰り、本屋さんで友部正人さんの
「耳をすます旅人」を見つけ、
あ、と思って立ち読みしてたら、
なんと高山で私の実家の喫茶店に立ち寄った、
という一行を発見し、思わず購入。
実家に送ってやろ! と思った。
帰って夫に見せたら、違うページに、
偶然にも夫のカレー屋のいとこが
アップで思いっきり登場してた。
遠くて近い友部正人。

コドモ、好きな人がなかなか決まらない、とこぼしていた。
もうすぐバレンタインデーで、まわりの女の子と、
「手作りチョコは作ろう!」と、
イベントとしてはもりあがってるのだそうだが、
あげる人が見あたらないんだそうだ。
しかも、クラスのH子ちゃんが
「好きな先輩に告白するのに勇気がない、と頼まれたから、
私が14日に渡すんだ、と言ってて、
それを聞いた夫と私が
「何それ、ワッハッハ!」と笑ったら、
なんで笑われるのかまったくわからない、
とまじめだった。

2月7日・月曜日
TBSでシゴト。
メークを落として、渋谷へ行き、
楽しみにしてた映画「シックスセンス」へ。
おーもしろかったなあー!
映画館を出てから、頭っからのストーリーを
もう一度思い返し、また、おーもしろかったなー!
もう一回見たいー。

そのあと「北野チャンネル」で、
テリー伊藤さんとご一緒し、廊下で
シックスセンスがいかにおもしろかったかを
しゃべりまくる。
映画では、
「この映画のどんでん返しを、
 決してしゃべらないように」と
冒頭で出てくるんだけど、言いませんとも!
まかせてください! そんなカンジ。
で、こうして自分から広告塔に立ちまくっている最近です。

2000-02-17-THU

第125回

2月8日・火曜日
恵比寿の歯医者さんへ。ここの歯医者さんは、
たぶん誰もがとろけるようなヴォイス。
声優になればいい、と、いつも思う。
ショーン・コネリー系かな。
そのいい声で話されたところによると、
関根勉さんや、柄本明さんもここの患者さんなのらしい。
ややお笑い系歯科か。

それにしても柄本さん、ここんところ謎のように、
会わないかたちで私のまわりに何度も登場している。
こないだは、たまたま夫が行ってきたエッグマンの
下田逸郎・高田渡ライブで、ま後ろの席におられ、
「まわりまで楽しくさせるほど幸せそう」だったそうだ。

2月9日・水曜日
髪の毛のエステへ。
と、慣れてるように書いたけど、生まれて初めて。
全体に緑の泥みたいなパックをしてもらうのだが、
これがものすごくおいしそうな匂い。食欲がわく。
「濃厚なおぼろ昆布、みたいな匂いっすよね」
と言ったら笑われた。
髪つやつやになって、メレンゲのナレーションへ。

こないだ浅草キッドの玉ちゃんから、
新宿・アイマックスシアターでやっている
「ファンタジア」は、子供連れて行くといいっすよ、
という意味のメールをいただき、
夕方、時間がある、と見て、コドモ、ヤノッチ、
夫と待ち合わせし、4人で見に行った。

昔見た、シネラマサイズのまた2倍くらいの大画面で
(そういえばシネラマってどこいったんですかね)、
迫力あって酔いそうなくらい。
予告によると、ガラパゴス諸島の実録ムービーも
今後やるみたいで、見ただけでめちゃ見たくなった。

ファンタジア、ニューバージョン部分の、
ドナルドがディジーと再会するシーンなど、
また一人だけいきなりウッ! ときて、泣いてしまった。
どうも、ディズニーの音楽的盛り上がりには、
わけもなく嗚咽してしまう。
これまたすごく気持ちがいいんだ。
ストレス解消ってぜったいありそう。

2月10日・木曜日
ニッポン放送のビバリー生放送。
番組の終わりに、生まれてはじめて
時報を担当させてもらい、気持ちよかった。
1時をお知らせします。
ピッ、ピッ、ピ、ポーン! ってヤツ。
「えー、わたくし、清水ミチコが、
 ついに今、まさに1時を、皆さんにお知らせします。
 い・ち・じ・よおーん!」と、
後半をピッ、ピッ、ピ、ポーン! に合わせて歌った。
「時報の音階ってちょうど1オクターブ上がるんだね!
 ポーンのとこで、裏声になった」と言ってたら、
1時に始まった次の番組で
「ただ今、放送事故がありました」と言われていた。

2月11日・金曜日
CX「どーなってるの」へ。こないだ玄関で、
警備さんに「待った!」をかけられたので、
今日は背筋を伸ばし、オーラをかもし出し、
ノーメークでも自信! みたいな目つきで、
つっつと堂々と入った。入れた。
しかし、後ろにいたヤノッチが
「あの方は……?」と訊かれていた。おしい。

ところで、ヤノッチに聞いた話によると、
このあいだ、車の会社に、車の私の席のヒーター、
ちょっと風が弱いようです、と、
苦情を言ってくれたんだそうだ。

そしたら、
「でも、座るのは清水さんですよね。
 あんまり風が強いと、清水さんの鼻がかわくでしょう?
 大丈夫ですか?」と、言われたらしい。
それをあんまり普通にスーッと言われたんで、
ヤノッチ、瞬時に「業界用語か!」と思い、
つい「はあ、そうですかね」と
まじめに答えてしまった、と言ってたのに笑った。
「鼻がかわく」って、何なんだ。
人間にそんなジャンルがあるのか。犬以外で。

でも、言葉を味わってみると、
確かに業界用語にありそうなのがおかしい。
「今日の客じゃあ鼻もかわくわ、パリパリ」みたいな。

2月12日・土曜日
ハッピーウィークエンド、生放送。
FAX番号、おまちがえのないように、なんて言ってたら、
隣にいた放送作家の清水さん、思い出したように、
「実は俺んチにもしょっちゅう間違いFAXが来て困る」
と言う。

なんでも週1回くらいのペースで必ず
「遺体確認の認知FAX」が送られて来るんだそうだ。
そういうシステムがあるんですかね。
亡くなられた方のお名前を読んでしまうたび、
とにかく人間は毎日のように
しょっちゅう亡くなってるもんなんだと、
一日ブルーになるらしい。
そりゃそうだろうなあ。

私は、初めて携帯を持った時の、初めての留守電に、
せっぱ詰まった大阪弁の子供の声で
「あ、お父ちゃん、今な、家が燃えてんねん、そんでな」
で、切れていた事があってびっくりした。
その時は、マニュアルがなかったので、
そのままにするしかなかったのよ。
とにかく、番号はお間違えのないように。

2000-02-23-WED

第126回

2月13日・日曜日
「長崎ぶらぶら節って、泣けるよ、いい本だよ」と、
信頼している放送作家の松岡さんに言われ、買ってみた。
まだ読んでないけど。
こういう、「まだ読んでない本」っていうものって、
いっぱい本棚の脇にたまってる。
いつか、とは思っているのだ。
こうしていつも、心より身体が先行してしまう。

音楽の世界でも、リズムを練習しようとすると、
たいがいの人間は、つまびくうちに
「あっ、メトロノームが遅れる! 狂ってる!」
と思いがちなのだそうだ。
つまり、先へ、先へ、と走っちゃうんだそうですね。
「メトロノーム、自分のペースよりも早いわ」
と感じる人は少ないのだそうだ。
ある意味、あせりがちなペースなのが、
誰しもの生来の性格なのかも。

2月14日・月曜日
番組で、生田智子さんとご一緒。
スポーツ全般音痴の私は、生田さんが
結婚してるなんてことすらつゆ知らず、
「へー、結婚してるんだ?」なんつったら、
「ジュビロ・イワタの……」と、
とても言いにくそうにおっしゃる。

「ジュビロ・イワタなんか、
 私にだってめちゃ有名じゃない!
 知ってる! 大丈夫!」
と言い、近くにいたサッカー少女・ヤノッチに、
「ヤノッチ! この方、ジュビロ・イワタ夫人!」と
指さして叫んで、めちゃ恥かいた。
そんな夫人は絶対にありえないのだそうだ。
(万が一、この意味がわからない人は、
 まわりの常識人に聞きましょう)。

コドモ、
友達の好きな、学年がひとつ上の男の子に
代理でチョコレートを渡しにいったそうだ。
しかし、
「ごめん、ノー、って言ってくれる?」と、
すげなく言われたらしい。
それを聞いて、また、私たちに
「わっはっは!」と、笑われ、
「こんな時でもあんたたちは笑うものなのか!
 わからん!」
という顔をしていた。

2月15日・火曜日
「レタスクラブ」という雑誌で、
私が平野レミさんに料理を教わる、という連載が始まった。
レミさんの料理はまったく自慢っぽいところがない。
フィニッシュの写真の飾り付けも、
どうも照れてしまうらしく、ちゃらーっとザツで、
これもいいよな! わかる! と、思った。
反対に、いばってる先生の料理だと、
「それがどした! メシくれーでよ!」と思い、
味まで腹が立つせいか、嫌いになる。

レミさんは「今、子の七光を浴びているの!」だそうで、
「お母さんですよね!」と、キラキラした目で
若い女の子たちから突然握手をもらったり、
自分の講演に、いかにも料理の嫌いそうな
高校生軍団がやってくるんだけど、
途中、眠そうにしてるので、突然、
「そういえば、ウチの息子がさあ!」と
サービスで言ってやると、
しゃん! と起きるんだそうだ。

2月16日・水曜日
友人、ジャズピアニストの中島芳枝さんと会って話をした。
彼女は、今度めでたくドレミ音楽出版から、
自分が解釈した、ジャズピアノの基本の
やさしい本を出されるんだそうだ。

ところで、話を聞いて驚いたんだけど、
音楽のコードって、どんな名曲でも童謡でも、
必ず5度上がって、また5度下がる、という
単純なルールが存在するんだって。

5度、絶対に上がりたがるものなんだってさ。
もちろんそのルーツに、めちゃ横道にそれたりして、
音楽的に飾ったりするんだけど。
でも結局はどんな曲であろうと、5度登っては帰ってくる、
という登山を繰り返してるんだって。
よく気がついたもんだよね。

2月17日・木曜日
ビバリーなど。
ここんところ、ずうっとブルーな事件が続いてる中で、
一面にあった「ニホンカモシカ食べた」というニュースが
よかった。スカッとした。
スカッとしちゃいけないんだけど。
大人なのに、食べちゃいかんじゃないか!
と注意されたのかなあ。
つい、笑いながら注意したんじゃないかなあ。
もし私が婦人警官だったら、
早く現場に行って証拠をあげたかった。
取り調べも楽しみ。
鍋だって。

2000-02-25-FRI

第127回

2月18日・金曜日
岐阜市で、「WELCOME・岐阜」のイベントに出た。
山本寛斉さん、モンキーパンチさん、
野中ともよさんらと御一緒。
山本寛斎さん、岐阜の出身とは思えなかった。
なんというかたくましさと、自己顕示欲と、
エネルギーが圧倒的に強くって、外人入ってた。

話がどんどん自分に脱線し、
「それじゃあ、寛斎さんの(自分の事を指す)シゴトを
 見てもらおう!」と言い、
ロシア各国での活躍を映像で流し、
この時、いかにすごかったかのトークは、
自分大好き! な、ルー大柴さんを彷彿とさせた。

会場も、この思いがけないサービスに盛り上がり、
最後に「いかにしたら元気になれるか」と、
自分の著書のトークもなさり、会場で売っていた。
感心した。
自分大好き! な人は、
無意識にこうやって他人を激励しているものだなあ。

2月19日・土曜日
シゴトで、名古屋に泊まり。
連絡を取り、ヨメに行った、もとマネージャー、
コトミちゃんの新居を見せてもらった。
「大工さんに嫌われる覚悟で、どんどん口を出した」
と言うだけあって、本当にすごい家だった。

頑張り屋の彼女でしか建てられなかっただろう、
という住宅で、なんと、平屋建てで、
その中に小さな地下もあり、土間があり、
北米の薪ストーブに、
天井は高く、広い窓はたくさんで、
中庭の芝生が見えるように置いてあり、と、
ところどころの個人的工夫がまた美しい。
リゾート・癒しの家。

ただ、お風呂を大きく作るのが夢だったんだけど、
そのため経費もバカにならない、
薪も電気より高い、と言っていた。
そのくらいはチャラだろうて。
しまいにゃお風呂が光るんだそうな。
そら払ってもらわんと。

2月20日・日曜日
泊まりの間、ばあさん(夫の母親)に
来てもらってたのだが、
「お礼に洋服でも買ったる」と言って、
二人で新宿・伊勢丹へ。
年寄りと歩くのって久しぶり。
私の母は東京生まれで、
地味に見えていいモノしか着ない人だけど、
こっちはマジで地味なところが
かえって私のオヤジ的・購買欲をそそる。
安いモノ買えないから。
芸能人なんだから、と言うも、試着すらとまどっていて、
オーマイエンジェル、ってカンジ。
体小さいし。

家に帰ったら、夫がジァンジァンの方と会って帰宅して、
こないだのライブの時に、ジァンジァンのスタッフが
「ファンの方から渡されていたプレゼント」を渡された。
その中に偶然にも「ちゃお」の漫画家、
杉木ヤスコさんからのプレゼントがあり、
コドモ、瞬時に夢の中に入っていった。

2月21日・月曜日
テレビのシゴトをして帰宅。
異種・ハムスター2匹を
ちょこちょこ対面させてるんだけど、
どうもソリが合わないらしく、すぐケンカしてしまう。
「どっちもいい子なのに、なんでかな」と、
コドモが言っていた。

今日もケンカしそうになったので、手で止めようとしたら、
コーフンしてたのか、噛みつかれてしまった。
しかも「わっ!」と驚いて、振りほどこうとしても、
私の小指を噛んだまま、負けまいとぶら下がってて、
すごい絵になった。
なんだよー! 助けてやろーとしたのにー!

バンドエイドをコドモに貼ってもらい、
「おやつでも食べよう」と気を取り直し、
珈琲をポットに注いでたら、
今度はお湯で足をちょっとヤケドしてしまい、
バンドエイド大活躍の、トホホな一日だった。

2月22日・火曜日
休み。
一回起きて朝食を作り、
また寝て起きたら、家に一人だけだったので、
「今日はとにかく、ものすごーく落ちついた日にして、
 静かーにすごしてみよう」と、
ベッドで決心し、そろりそろりと生きた。
テレビも音楽もかけない。
必要な家事だけひっそりとやって、
沈黙の長い時間を、身体に染み渡らせるのだ。
自分リゾート。

夕方から、しーんとする中、
凝った料理を、できるだけゆっくり作り始めた。
それでも根がせっかちなのか、
思うよりも手が早く動いてしまう。
さあっと一気に人参の皮を剥こうとするので、
“今、皮を剥いているのを、感じる”、
“捨てる皮を見る”、“切った人参をながめる”と、
手にも言い聞かせるようにして時間を取るようにしてみた。
じゃあ、味はいつもと違うか、というと、
そうでもないのが実状なのだが。

2月23日・水曜日
夜、ニッポン放送で
「リクエスト番組」の生放送を、小林克也さんと。
局に到着する前に時間があったので、本屋さんに行った。
そしたら田川律さんの
「シンガーソングライター」という本があった。
田川さんは音楽評論家なのだが、
林さんの友人で、私がパテ屋で働いていた頃、
よくやってきては、音楽の話などせず、
料理の話ばっかりしてカレーなんかを作ってくれ、
その風貌や大阪弁にも魅力があって、
まわりを楽しくさせ、忘れられないカンジの人だった。

本を買って一気に読んだ。
夢中になると、本も1時間で読めるものなんだなあ。
へえ、こういう人生の人だったんだー、
などと思いながら本番へ。
この、今の集中をそのままシゴトへ持ってけー! と思い、
ホントによくしゃべり、よく遊んだ。

2000-03-04-SAT

第128回

2月24日・木曜日
シゴトの帰り、車の窓から
「馬麺(まめん)」(ラーメン屋さん)の看板を発見し、
車を急停止してもらった。
確かここは、中村ゆうじさんが「よく行くんだ」と
言っておられたお店だったはず。
さっそくお店に入って注文したんだけど、
おなかがあまりにも野性的に空いていて、おいしいのか、
それとも普通なのかよく判断できないまま、
とにかくおいしかった。おかわりしたかった。

お勘定のついでに、
「こちらのお店の名前の馬麺、とは
 どういう意味なんですか?」と聞いてみた。
中国の馬が、走りながら小麦粉の袋をぶるんぶるんと
うまいことこねている、などという光景を期待しつつ。
しかし、返ってきた答えは、
「あ、ウチの店長、馬年の生まれなんで」に笑った。
「ああ! 馬年! なるほど!」だって。
意味ないじゃん。

家に帰ったら、ナンシー関さんから新刊本
「ナンシー関の記憶スケッチアカデミー」が届いてて、
読みながら笑った。
素人の記憶と、そのスケッチ。
よく「犯人」は捕まっているものだ。

2月25日・金曜日
夜、夫と
「ETVカルチャースペシャル・20年目の再会」を
ビデオで観た。すごかった。
「まだちょっとワルなコドモたち」を更正させるため、
実際、刑務所にその子たちを連れて行き、その囚人たちに
「いかにここの生活はキツイか、
 更正する方がどんなに楽で、生き甲斐ある事か」を
実際に説得してもらう、というドキュメント。

いちばん驚いたのは、そこの囚人たちが、
ものすごいスピードで、
スラスラとハイテンションのままで
長時間強くしゃべり続けてたってこと。
なんで、一度としてカマナイまま、
こんなに熱くどんどん言葉が波のように出てくるんだろう、
と思ったら、言いたい欲求の違いなんだなー。
いいものを見た。

2月26日・土曜日
生放送4時間。
思いついた事=言いたいこと、と思ってしゃべり、
模範囚を目指した。
そのあと沖縄へ。FM番組の公開放送。
那覇に着いたとたん、なんだかなつかしくなる。
ただいまー! と言いたくなる。
お客さんもめちゃフレンドリー。
私の好きな「名護のアルゼンチンチキン」を
差し入れにいただいて、それにも好感度アップ。
深夜、「ちゃたん」のフリーマーケットで
古着やアクセサリーやチョコレートなど、やたら買う。
沖縄では花粉症が止まる、という噂は本当だった。

2月27日・日曜日
二間基地のホテルに宿泊、
窓から見える球場に、
野球の選手の方たちがたくさんおられ(キャンプ)、
朝はその練習の声で起きた。
なんとも幸せそうに練習しておられ、
野球音痴の私でも、なるほど! と意味もなくわかった。

タクシーに乗ったら、運転手さんが、
車内に英語の本を置いておられた。
お客さんに外人が多いので、
ずいぶん役に立ってるそうなのだが、
「こんなに英語が必要な土地なんだから、小学校から
 英語を教えるようにしてくれればいいのにさー、
 どこのアジアだってコドモのうちから
 ペラペラしゃべれるんだよー」と言っていた。

公共市場の2階でのお昼のごはんを楽しみにしていたのに、
行ってみたら日曜日は休み、と看板にあった。
悔しかったが、大人らしく、
そのへんの定食屋さんで済ませた。
そしたら「ごーやちゃんぷるー」などはきたけど、
私が注文した「そーきそば」が
いつまで待っても来なかった。
「そーきそば、まだですか?」と、聞いたら
「あっ! 私が忘れてました!」と、
店員の女の子が正直だった。
「また食べに来ますから、大丈夫でーす」と言いながら
お店を出て歩いてると、その女の子が走ってきて、
「あのっ! 今のこと(ハアハア)、
 テレビやラジオで言わないでくださいね!(ハアハア)」
と、真顔で言った。
「それ言うために(走ってきた)?」と聞きながら笑った。
書くのは止めてなかったので。

2月28日・月曜日
テレビ。そのあと原稿を数本。
イギリスに行っている夫の友人の、
松本きょうじさんから手紙が来てた。
住んでいるアパートの窓から、
アビーロードが見えるんだそうだが、
毎週、世界各地から来た旅行者たちが、
しょっちゅう「ビートルズのマネ」をして、
そのように並んでは、写真を撮って行くんだそうだ。

たとえばインド人はインド人の恰好のまま、
4人で並んでいる、という図がおかしい。
アビーロードって、
そんなにヒットしたレコードなんだなー。
そういえば夫は、オーディオを買ったら
まずアビーロードのB面でチェックする、
という事をやっていたようだ。
一度ちゃんと聴いてみよう。

2月29日・火曜日
ロケで、ロンブーの亮と浅草や巣鴨を歩く。
ここもある意味、人種のるつぼだった。
平日なのに圧倒的に混んでいて、人波を見て、
「これからあの中に入ってロケをする」と思っただけで
気負けしそうな雰囲気。
しかし、順調にロケは進み、楽しかった。
意外にも亮は素人さんに気を使うタイプなのらしく、
ロケバスの中でスタッフに
「ちゃんと送ってあげて」などと指示を出していた。
「えらいじゃん」と誉めたら、
俺はホントはそういう男で、最高にいいヤツやねん、
と自分で言う。
ところがしばらくしたら、
実はどんなに最悪の人間かという話をし始めた。
やはり、こっちの方がより味があるものだ。
バツゲームで、私がチアリーダーの恰好をしたら、
「ほぼ日に送ればいいじゃん」と言っていた。

2000-03-08-WED

 
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