コッペパンの春

今年の桜も
終わっちゃいましたね。

年度末は、
とかくバタバタと慌ただしく
過ぎませんか?

そろそろ確定申告が…なんて思い始める頃から
あっという間に雛祭りも過ぎ、
ホワイトデーも飛んで行き、
もう桜の開花宣言? と気づく頃には
3月の年度末が目前に。
やっと乗り越えたと思ったら、
ソメイヨシノも舞い始める4月になってるような具合で。

と、これ、
お察しの通り、ぜんぶ言い訳です。
書こう、書こうと思いながら
砂時計みたいに流れる時間に抗えず、
気づいたら、ひと月以上更新してないという事実。。。

この際、気分もあらたに、
新年度っぽい菓子を。



花が咲いたような
いろとりどり、というか
具とりどりのコッペパンです。

これが、また
ふんわりと、おいしくて。



3月末、毎年恒例となっている
東北ユースオーケストラのコンサートが
盛岡で開かれました。

東日本大震災から、今年で8年。
被災して、使えなくなってしまった学校の楽器を
調査するところからはじまった活動は、
たくさんの方々の賛同と協力を得て
東北の小学生から大学生までが参加するオーケストラへと
形を変えて育ってきました。
非力ながら毎年、参加させていただいていますが、
子どもたちの奏でる音色、真剣そのものの表情、
演奏を終えた時のはじけそうな笑顔や、ホッとして流れる涙に
わたしの方が勇気づけられているという実態‥‥。

もう、8年
と言うこともできるのかもしれません。
でも、
まだ、8年
としか言えないような実情をもっと知っていただければ、と
願いながら、続けています。

こんなさらっとした説明では、わかりにくいと思うので、
ご参照までに、こちらを。m(_ _)m ↓
http://tohoku-youth-orchestra.org/



盛岡駅に着いてすぐ
子どもたちの情報網で教えてもらったのが、
ものすごくおいしいコッペパンがある、と。



盛岡駅構内でも売っていて、
大きさは、昔ながらのコッペパン同様、
片手の手のひらに余るくらい。
ただ、その種類というのが ↓











これは、ごく一部です。
はさむ具だけで、60種類くらいあるらしく。

リハーサルと本番と合わせて2回、
盛岡駅に行ったのですが、
あんバターとか、練乳とか、ピーナツあんとか
目移りするくらい種類があるわけです。
えーと、前回は練乳を買ったから、今回は練乳バターと
ホイックリームも試そうかな?なんてカゴに入れてたら、
帰京する東北新幹線に乗り遅れそうになって
マネージャー嬢から怒られる始末。







ピーナツも、ベリーのクリームも、あんバターも
それぞれ捨てがたかったのですが、
東北ユースオーケストラスタッフで一番人気だったのは
クッキークリームだそうです。
パンというより、もはや菓子です。
分類する必要はないのですけど。

ちなみに、クッキークリームは駅構内には
ありませんでした。残念。
でも、個人的には、ピーナツ最高!でした。

そして、お店での一番人気は、
どうやら、あんバターみたいです。









なぜ、ここまで人気? と調べてみると、
盛岡のソウルフードなのですね、コッペパンって。
岩手、盛岡はコッペパンの聖地という説も。

東京にも出店してもらえないのか? というデマンドを
「パンは地元で、近所で食べるもの。
 生活の中で身近なものだから
 岩手、盛岡に来て食べてほしい」とこだわり、
断り続けて70年の老舗、福田パン。
素敵です。
その原点は、3代目の現社長の祖父にあたる初代が
「学生さんをお腹いっぱいにしてあげたい」と、
大きなコッペパンを安い価格で出したことだったとか。
ますます、素敵です。

市内のお店にまで行く時間はなかったのですけれど、
どうも対面式で、その場で好きな具をパパっとコッペパンに
詰めてくれるようなのですよね。
パン好きにとって、夢のような。





福田パンで調べていくと、震災の時の様子も。

震災が起こった時、
とにかく沿岸部の方たちにパンを届けなければ、と
被災して3日後にパン作りを再開して、避難所を回り、
あったかいごはんと味噌汁じゃなくて
コッペパンでごめんなさい、
と思いながら配られたそうです。



コッペパン。
不思議と、その文字や音(おん)だけで
なんとなく、あったかさを感じる食べ物です。

東北は、これから春。
盛岡に、コッペパンを食べに行くか!と
つい誘われるような卯月です。

どうか、よい春を。


わたなべ まり




 

 

2019-04-12-FRI

福田パン



ツイートするFacebookでシェアする