和菓子のサンタとトナカイと。

クリスマス、
和菓子もがんばってます。



上生菓子の
サンタクロースと、トナカイと、雪だるま。
ツリーに、赤い靴下も。



サンタクロースは、
真っ白なヒゲも眉毛も、
もじゃもじゃっとしてて、
どこか可愛らしい面立ちですよね。

頬のあたりがシュッと細めで
普段のイメージの大きなお腹をした
ふくよかなサンタさんより、
ちょっと気弱な印象も。

サンタクロースがいるのですから
トナカイもいます。



和菓子なので、どっちかというと、
まるっとしてるトナカイです。

雪のなかを走ったのか、体には雪がついてて
赤い鼻はきれいに光ってます。

ちっちゃな目が、どことなく寄ってるから
サンタもトナカイもちょっと自信なさげに見えて
カワイイのかな。
あ、でも雪だるまは、ちょっと目がはなれてます。



目がはなれてるというより、
鼻筋が通っていて、眉も濃く、
意志の強さを感じる面立ちです。

青いマフラーをまとって、
遊ぶ気まんまんに両手を挙げてるのは
「よっしゃーっ」なのか、「バンザーイ」なのか。

もちろん、ツリーもあります。



上生菓子のきんとんが、ツリーに変身してます。
丸いきんとんなので、もみの木というより、
盆栽っぽい感じがしなくもないような。

でも、こういう感じのツリーがあったら
手頃で可愛いかも。



練切りの赤い靴下には、
白い雪の結晶がデザインされてます。

どちらかというと、
和菓子は中間色や穏やかな色合いが
通年、多いなかで、
真っ赤な練切りって、ハッとさせられます。


あと、Christmasyなおまんじゅうも
あるんです。





ひと口まんじゅうの上に、
サンタと、トナカイと、雪だるまと、
ジンジャークッキーと、ツリーが。

がんばれば、全部いっぺんに
手のひらに乗るくらいの
小ぶりな薯蕷まんじゅうです。

そういえば、この”薯蕷”は山芋を指すんですね。
山芋や大和芋、つくね芋をすりおろして加えると
生地がふわっとふくらんでおいしくなるから、
山芋を加えたまんじゅうで、薯蕷まんじゅう。
それがだんだん転じて、上用まんじゅうとも
書くようになったと聞きます。
位の高い方々に好まれるおいしいお菓子という
意味合いも兼ねたという説も。

言われてみれば、
お好み焼きの生地にも入ってますものね、山芋。
あれで、よりふわっとなるわけだから、
おんなじ作用なんですね。



このクリスマスまんじゅうも
生地はふっくらしつつ、しっとりもしていて、
餡こはサラッとなめらかに濾してあって
小ぶりながら、なかなかのおいしさです。



これは、もっと小さくて
ひとつが親指大くらいでしょうか。

白鷺宝という和菓子のクリスマスバージョンです。



白餡を焼いてミルクで覆った
あんこ玉のような菓子で、
白鷺の卵を型どったものだとか。

サンタと、トナカイと、ツリー
なのですが、形は全部おなじなので、
そう言われれば微妙にわかるかな?くらいな感じが
逆に新鮮で、可愛い気も。



こうしてみると、
洋菓子のキラキラしたクリスマスも素敵だけど、
和菓子のどこか控えめで、
こじんまりと可愛い聖夜も、
よくないですか?



なにはともあれ、2018年もあと一週間。
今年も、この部屋におつき合いくださって
ありがとうございました。

すぐそこまで来ている亥年が
良い年でありますよう祈りつつ。。。

心からの感謝をこめて。


わたなべ まり


 

2018-12-24-SUN

●菓匠 花見
https://www.kasho-hanami.co.jp/

●六人衆
http://rokuninshu.jp/index.html



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