アトムのクリスマス

クリスマスなので、
あったかい雰囲気のキレイな菓子を
探してみてたのですけれど。

誤解を恐れずに言うと、
いつもの年のように、普通にクリスマス菓子を書こう〜♪
という気持ちになれなかったのです。
デパートやスーパーやケーキ屋さんの
キラキラした菓子の間を歩きながら。

でもね、
自粛しなきゃとか、人目を憚ってとか、
気が沈みがちでとか
そんなんじゃないんです。
うまく説明できないのですけど、
すごく大切な人や、すごく大好きな物を
失ってしまった年の暮れ‥‥
クリスマスの日は、
きっといろんなことを思い出してしまうと思うから。

身近な例でいうと、わたしも大好きな祖母と伯母を
今年、亡くしました。
いつもはこんなふうに書かないので、
今回も気にしないでさらっと
読み流してくださいね。
亡くした痛みは去らなくて、
心なのか頭なのか、体内のどこかの場所で
少しづつ少しづつ小さく固まっていって。
でも、消え去ることはなくて。
多分、牡蠣が異物の真珠を体内で育てるって、
こんな具合かなぁ‥‥と想像したりします。
いつか、この痛みや悲しみも、
そんなふうに綺麗な真珠になって、
誰かに優しくできる秘薬になってくれればいいなぁ‥‥
なんて考えてます。

悲しさや辛さは、
人と比べて減るような相対的なものじゃないですけれど、
どこかでおんなじ思いを抱いている人が
いると知るだけで、
“ひとりじゃないのかも‥‥”と、
少しだけ気持ちが温かくなる面もあるから、
長くなりましたけど、書いてみました。

身体の奥底の悲しさや淋しさは
クリスマスのあったかい雰囲気の中、
一層、きわだってやり切れないかもしれませんが、
どうかそんな時こそ、失ってしまった大切な方のためにも
ご自分の体や気持ちをいたわってあげてくださいね。

せわしくなってきた年の暮れ、
羽田空港に仕事で行ったら、
アトムのクッキーをみつけました。

アトムは、今の日本をどんなふうに見てるんでしょうね。

昭和のドラマや映画では、
身を粉に働いた祖父世代が登場しますが、
先達がそんなふうに頑張って築き上げ、
経済的な豊かさや、アトムに託すような未来が
ふくらんだ時代。
続く2000年代、
もしも精神的に豊かな時をつくれなかったら、
悔しくて、申し訳ないですよね。
先代にも次世代にも。自分たちにも。

アトムのほかにブラックジャックの
クッキーもありました。
あと、元素記号が表記されてる保存用パンの缶も。
空き缶になっても、
机に飾っておこうかなと思っています。
等身大の自分たちを労りつつ、励ましつつ、
口はばったいですが、
夢のある未来につなぐことができたらいいですね。

あ、重ねて言うと、
クリスマスはクリスマスで、
それぞれのスタイルでパァ〜っとやるのには、
すごく賛成です。
(って、私が賛成しようか反対しようが
 誰かのプラスにもマイナスにもならないよなぁ‥‥
 と思うものの、否定的と受け止められるのは違うので
 一応、書いてみました。)
今年のクリスマスは普通に書く気が‥‥とか言いながら、
わたし自身、スーパーで見つけた
スヌーピー顔の長靴に入ったキャンディを
思わず買ってしまいました。

ただ、頭の上が丸くないと
スヌーピーに見えにくいのが
難点かも‥‥。

あと、もの心ついた時にはもうあった
IZUMIYAクッキーのクリスマスバージョンも見つけたので、
メリークリスマスをこめて。
しかも、一番IZUMIYAらしい輪っかのクッキーの
ものすごく大きいバージョンが別売りでありました!
そう言われれば、クリスマスリースですよね。

どうか、あたたかいクリスマスを。

 

わたなべ まり

2011-12-20-TUE