残暑のケチャップ

きびしい残暑がつづいていますが
空や雲には、だんだん秋の気配が濃くなってきましたね。
暗くなると、虫のすだく音が聞こえてきたり。

あと二週間もすると、
すっかり秋の様相に変わっている
のでしょうね。
今年の残暑も残り僅かかと‥‥。
といっても残暑って言葉自体、残りの暑さだから、
残りの暑さが残り少ないって
ヘンな言い方になりますかね。

まぁ、そんな折になんなのですが、
ちょっとアツイ感じの品ものなのです。
菓子じゃなく品ものと書いたのは、
この部屋には珍しく‥‥
というより初めてくらいかもしれませんが、
ケチャップなのです。

ケチャップなので、菓子じゃないです。
当たり前ですし、しつこいですよね。
いや、ず〜っと性懲りもなく菓子の部屋なので、
なんとかトマト系菓子にこじつけたりも考えたのですが、
やっぱりやめました。
今回はスッパリ単品で、ケチャップです。

これが、なかなかおいしいのです。
偶然、横浜の明治屋スーパーで見つけたのですが、
明治時代、横浜で初めて作られた国産ケチャップの
復刻版だそうです。
復刻っていうのは
ノスタルジックな雰囲気に浸れる強みはありますが、
味とか実質(物だと性能とか)は
やや置き去りにされる場合も否めないかと。
ただ、これは掛け値なしに美味しくて、
何というのでしょう‥‥ただかけても、料理に加えても
不思議に深みが出てくるようなケチャップです。

ポテトにケチャップ、最高ですよね。
オーガニックやヘルシー嗜好が追求されて久しいなか、
個人的には生来、変節なくジャンクなものが好きなので、
仕事終わりのビールにフライドポテトと
たっぷりのケチャップなんてあったら至福です。
スコーンにつけるクリームでも、
野菜につけるマヨネーズでも
オムライスやフライドポテトのケチャップでも
たくさんあればあるほど至福です。

瓶のかたちも何となくかわいいのですが、
横浜が村だったころ、
西洋野菜を初めて栽培してみた農家が
横浜の外国人スポーツクラブの料理人に手ほどきを受けて
初めてケチャップを作ってみたとか。
パンもアイスもビールもラムネも、
横浜から入ってきたものはたくさんありますが、
初めて目にして口にした当時の人たちは
かなりビックリだったんでしょうね。
東京の堤防のような横に長い浜は、首都を守りつつ、
おどろきながら、ちょっとビビリながら、
でも結構たくましく
自分たちの味や暮らしに取り入れていったのかなぁ‥‥
と思いを馳せてみたりします。
あ、鉄道とか新聞、ガス灯、テニスなどなど
食べ物以外の国内初めてもたくさんあって、
こっちも正しくビックリ! だったのでしょうけど、
やっぱり食べ物の方が実感をもって
想像したくなるといいますか。

ちなみに、このケチャップを最初に見つけたのは
明治屋山下町ストアーでしたが、
横浜開港資料館の売店にも
置いてるみたいです。
最近は元町ユニオンという
スーパーでも見かけるようになったので、
広がりつつあるのかな。
おいしいものが広がっていくのは嬉しい限りです♪

これからの季節は、
ますます食の楽しみがふくらみますね♪♪
どうか、よい秋を。

 

わたなべ まり

明治屋山下町ストアー
横浜市中区山下町30-1
2011-09-06-TUE