CAKE

 
 
けっこう存在感のある鯉のぼり菓子


新緑の季節ですね。

桜が開いてから散り敷くまでは
昔も今も、たしかに特別な数日間ですよね。
でも、新緑が日に日に伸びて
柔らかい黄緑が梢をおおうこの時期は、
もしかしたら一年のなかで一番美しい季節かも…
そんなふうに思えてきます。

わたしみたいにそれほど葉っぱ好きじゃなくても
つまり、サラダが大好き! みたいなタイプじゃなくても
鹿やリスや、鳥や虫たちも
むしゃむしゃ頬ばりたくなるのがわかるような
柔らかそうな新芽たちです。

葉っぱ側からしたら、
たまったもんじゃない書き出しになりましたが、
とにかく、
まぶしいような、沁みるような、滴るような、
緑っていう色はこんなに綺麗なんだなぁと
改めて気づかされる
初夏の始まりです。

一人っ子で男兄弟もいなかったので
ほとんど鯉のぼりとは縁がなく暮らしてきましたが、
新緑の中、風になびく鯉のぼりはきれいで
なんだか気持ち良さそうですよね。
近寄って見上げると顔がこわかったりもしますが。

かなりデーンと立派な鯉のぼり菓子を見つけたので
つい食べてみたくなりました。
中身は、そろそろ季節を迎える
若鮎の鯉版といったらいいでしょうか。
薄めの皮に求肥が包んであって、
どら焼きの親戚っぽいけど
餡がくるんであるよりは少しあっさりめな和菓子です。
大きさというか太さは
若鮎二尾ぶんくらいは充分あります。

少々、顔がコワくても味はシンプルでも、
世の中とか時勢とか、いろんなものにくじけない
(といってもマイペースで全然いいのですけれど)
男の子たちの健やかな成長を見守ってほしいなぁと
端午の節句菓子に願いを寄せつつ、
よいゴールデンウィークを。

 

                   わたなべ まり

 

 

2011-04-29-FRI