なぜ麒麟・川島明は「#ホテルカワシマ」を建てたのか。 なぜ麒麟・川島明は「#ホテルカワシマ」を建てたのか。
さまざまなバラエティ番組で活躍し、
4月からはTBS朝の顔にも。
日々大忙しのはずの麒麟・川島明さんが
ほぼ日曜日の空間に
「#ホテルカワシマ」をオープンします。

芸人さんがホテルを?

いったいどういうこと?

1年以上かけて準備してきたという
謎多きこのプロジェクトについて、
支配人であり仕掛け人の
川島さんに聞きました。
#1 カツカレーでいったらライスに。
――
9月17日からほぼ日曜日でスタートする
「#ホテルカワシマ」について、
いろいろと聞かせてください。
川島
なんでも聞いてください。
写真
――
いきなりですが、
「#ホテルカワシマ」って何なんでしょう?
あ、ちなみにわたしはほぼ日の者ですが、
この企画とは別チームなので、
今回の展覧会についてはほとんど知らないんです。
その立場から川島さんにお話を聞いてほしいと
たのまれてやってまいりました。
川島
なるほど。
――
「#ホテルカワシマ」‥‥。
いったいなにが行われるのか、
想像もつきません。
川島
そうそう、
本当はその状態のまま、来ていただきたいです。
第一弾の情報を公開したとき、
「芝居なの?」とか
「お化け屋敷なんですか?」「謎解きですか?」とか
聞かれたりしました。
詳細を言うまで
「こいつ本当にホテルを立ち上げたんか?」と
思われるのがいちばんの理想だったので、
周りのスタッフや後輩芸人からの
「あれ、なんなんですか?」という反応を聞いた時
「勝ったな」と思いました(笑)。
写真
▲「#ホテルカワシマ」第一弾ビジュアル。
――
謎のまま訪れたい気持ちもありますが、
もう少しだけ教えてください。
このイベントの、そもそものはじまりは?
川島
お世話になってるSLUSH-PILE.さん
(お笑いを中心としたライブ制作会社)から、
「ほぼ日さんと一緒に、何かやりませんか」と
お話をいただいたのが最初です。
――
SLUSH-PILE.の片山勝三さんですね。
ほぼ日にジャルジャルを紹介してくれたり、
片山さんご自身に登場いただいたことがあります。
川島
あ、そうだったんですね。
――
川島さんは、
ほぼ日のことはご存知でしたでしょうか?
川島
もちろんです。
『MOTHER』シリーズとか、テレビとかで
糸井さんのことは元々知っていました。
ほぼ日さんに関しては、
妻が「ほぼ日手帳」と「ホワイトボードカレンダー」を
使って「めっちゃいいよ」と言っていましたし、
人から「カレーの恩返し」をもらって以来愛用して、
番組でおすすめしたこともあります。
面白いことをずっとしている会社、
というイメージがありました。



で、声をかけてくださった
SLUSH-PILE.の片山さんは
元々僕のマネージャーをしてくださっていたこともあって。
面白いライブをどんどん生み出している、
すごくアツい人なんですよね。



この2つのコラボはもう、
僕にとってみたらカツカレーみたいなものだなと。
僕はライスとして参加できたらと思って
「ぜひ」とお答えしました。
――
カツカレー!
片山さんがカツで、ほぼ日がカレー(笑)。



最初の「何かやりませんか」が、
なぜ「ホテル」のかたちに?
川島
当初は
僕が出した『#麒麟川島のタグ大喜利』(宝島社)
(芸人仲間の写真をお題に、
その顔を絶妙に形容したハッシュタグをつけるもの)の
写真展はどうですか?
とご提案いただいていたんです。
でも写真を飾るだけ、
「#タグ大喜利」の新作を展示するだけだと
ちょっとさみしいな、と。
せっかくお話をいただいたのだったら
一から作る”お笑いの個展“みたいなものが
できないかなとご提案してみたら、
ほぼ日のみなさんがめちゃくちゃ面白がってくださって。
――
改めて、まっさらな状態で、
企画を練るところから
はじめることになったわけですね。
川島
はい。
写真だと2Dですけど、
「3Dの、来た人が体感できるお笑いができないかな」
とみなさんと話し合っているうちに、
「なにかテーマがあったほうがいいですね」ということで、
いろんなパターンのボケを見せる、
つまりいろんな部屋があるかたちにしようと。
そこで「部屋が複数あるなら
ホテルにしてみるのはどうだろう」
というアイディアを出していただいたんです。
――
具体的な中身は来てのお楽しみだと思いますが、
その部屋ごとに、いろんなかたちで
川島さんの笑いが詰まっているわけですよね?
川島
ひと部屋ずつ個性が違うというか、
仕掛けが違うんです。
お客さんには五感で楽しんでもらう。
「こんな最新鋭のシステム、こんなことに使うんか」
の連続だと思います。
――
川島さんの中で、
この「#ホテルカワシマ」は
どんなホテルのイメージですか?
川島
なんとなくの空気感でいうと、
映画『シャイニング』みたいな感じ。
写真
――
怖い雰囲気?
川島
『シャイニング』って
もちろん怖いですけども、
はじめのほうのシーンは
かすかな違和感がある、という程度じゃないですか。
あの感覚。



ホテルってじつは
自分の前に誰が泊まってて、
何があったかわからない。
そのちょっとした違和感、不気味さを
感じていただきたいなというのはあります。
――
川島さんは、
このホテルの支配人ということですね。
川島
そうですね。
「#ホテルカワシマ」の支配人であり、
仕掛け人ですんで、
映画『チャーリーとチョコレート工場』の
ジョニー・デップのイメージで
衣装も用意していただきました。
あれも一見楽しい雰囲気ですけど、
実は不気味だったり怖かったりするじゃないですか。
衣装はかっこええのに、
自分の顔が入るとうさんくさくなる、
その感じがいいですよね。
(つづきます)
2021-09-10-FRI