ライフ・イズ・マジック

人生はマジックだ、なんて言い方そのものが怪しいでしょ。
ひょっとしたら、マジックってのは、
宗教の種かもしれないし、驚きの商品化かもしれないし、
人類最古の情報産業だったりもして。

軽い笑いもとれるし、ちょっと好かれたり嫌われたり、
ひとつの国をまるごとだまし取るようなこともできる。
いま、マジックを考えたり感じたりするのは、
なんだかとても大事な気がするんですよ。

おおげさな紹介はよしましょう。
マジック・ナポレオンズのパルト小石さんです。どうぞ!

ナポレオンズのHPは
http://www.tvland.co.jp/napoleons/
e-mail:napoleons@tvland.co.jp

愛しのキツネうどん

お昼ごはんは12時半過ぎに、
「小石さん、お昼ごはんですよ〜」
という声とともに届く。

さてさて、今日は何ですかと
丼のフタを開けてみれば、
今日は麺類、うどんではないか。
それも、ワカメたっぷりのキツネうどん。

3食とも白米、ごはんの日が多いので、
麺類がどうしても恋しくなる。

それに、今日は少し肌寒い。
そこに熱〜いうどん、ありがたい!
美味しそう!

だれに向かっていいのかわからないけれど、
ありがとう〜って、叫びたいくらいだ。

熱い感謝の想いとともに丼を持ってみれば、
うん? ちっとも熱くない?

熱くないし、湯気も立ってない。
日本酒ならば、かなりのぬる燗状態。

お酒ならそれもいいかもしれないが、
うどんはもっと熱く、
フゥフゥしながら食べたいもの。

なんだ、この高揚感からのガッカリ感。
しばし、丼を抱えたまま放心状態。

もちろん、レンジで温めなおす手もある。

だが、ここでは、なにを温めるにしても、
すべて看護師さんに頼まなければならない。

これが、なぜか大変。

熱いお湯が欲しい場合、ナースコールして待つ。
自前のカップにミネラルウォーターを注ぎ、
看護師さんに渡す。

5分後には熱々のお湯が到着、とは限らない。
理由は未だ謎なのだが、早くても15分、
遅いと30分くらい待たされる。

今回はお湯でなく、うどんである。
汁が蒸発するまで加熱されて、
まるで焼うどんみたいになってたら困る。

ワカメがパリパリの
乾燥ワカメになってたら困る。

そう考え、なまぬるいワカメうどんを
なまぬるいまま食べることにした。

ぼくは、なまぬるいキツネうどんを
最後の一本まですすり、
なまぬるい汁を一気に飲み干した。
なまぬるいキツネうどんは、それでも旨かった。

ご馳走さま、ぼくの愛しのキツネうどん。

 


明るく軽く親切なのに。
ほんの少し悲しみの味がするのだ。
マジックというのが、もともとそういう
素性のものなのだろうか。ー

糸井重里(帯コピーより)

「神様の愛したマジシャン」
著者:小石至誠
発行:徳間書店
ISBN-13: 978-4198625429
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「ライフ・イズ・マジック
種ありの人生と、種なしの人生と」

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