My 余命宣言
2020-11-01
医師に、
「もし、治療を受けなければ、
どうなるんですか?」
そう訊いたことがある。
医師は、しばらくぼくの顔を見つめて、
「なにも治療をしなければ、2ヶ月。
治療をしても、効果がなければ、1年」
頭が真っ白になるって、こういう時なんだね。
2ヶ月、あるいは1年という時間が、
長いんだか短いんだか。
2ヶ月だって、1日1日、大切に生きれば
すごく長いように思えるし、
1年なんて永久に続くようにも感じられる。
でも、逆に、
「たった2ヶ月? たった1年?」
という声も、頭の中で回り続ける。
人生初の余命宣告。
もちろん、治療しなければ、
という仮定の話だったけれど。
以前に聞いた、医師ジョーク。
患者「先生、わたしの命は、
あとどれくらいなんでしょうか?」
医師「あと10だね」
患者「えっ? 10って、あと10年?
それとも10ヶ月? ま、まさか10日?」
医師「10、9、8、7、6、5‥‥‥」
10とは、たった10秒だったという、
実にブラックなジョーク。
でもね、誰だって、10と聞いたら
10年て思いたいもの。
お医者さま、余命宣言は
なるべく早めに出して欲しいです。
「あと45年です」
とかだと、嬉しい。
大酒飲みの先輩(50代)の言葉を思い出す。
「ヒック、こんなに酒飲んでたら、
きっと90歳くらいで、
ヒック、くたばっちゃうんだろうな」
先輩を見習い、これからも、
ずうずうしく生きるとしよう。
というわけで、My余命宣言。
「あと15年、たっぷり、生きます」
皆さま、今後ともよろしくお付き合いのほど。
ー明るく軽く親切なのに。
ほんの少し悲しみの味がするのだ。
マジックというのが、もともとそういう
素性のものなのだろうか。ー
糸井重里(帯コピーより)

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