ライフ・イズ・マジック

人生はマジックだ、なんて言い方そのものが怪しいでしょ。
ひょっとしたら、マジックってのは、
宗教の種かもしれないし、驚きの商品化かもしれないし、
人類最古の情報産業だったりもして。

軽い笑いもとれるし、ちょっと好かれたり嫌われたり、
ひとつの国をまるごとだまし取るようなこともできる。
いま、マジックを考えたり感じたりするのは、
なんだかとても大事な気がするんですよ。

おおげさな紹介はよしましょう。
マジック・ナポレオンズのパルト小石さんです。どうぞ!

ナポレオンズのHPは
http://www.tvland.co.jp/napoleons/
e-mail:napoleons@tvland.co.jp

新・ナポレオンズ小石の無菌室日記11

『もうすぐ退院なのに』

ハゲてしまった。
ハゲたて、抜けたて、光りたて。

ハゲるのは早かった。

シャンプーしてもらうと、
排水溝が詰まるくらい抜け、
タオルで頭を乾かすと
タオルにも大量に抜け毛が。

枕にも抜け毛がたくさん付くので、
粘着テープで取った。

それでもまた抜けるので、
粘着テープを頭で転がした。
抜けた、抜けた。

そうして、わずか10日ほどで
見事なハゲ頭。

主治医には、
「いやぁ、髪の毛なんて抜けても
 ヘッチャラですよ」
なんて言ってた。

つらい副作用の中では、
髪の毛が抜けるなんてのは
なんの問題でもない。
もちろん、心底そう思っていた。

なのに、実際にハゲてみると、
なんとも哀しく、切ない。

もうすぐ退院の日を迎えるというのに、
このタイミングでハゲ頭かよ。

ある日、久しぶりに無菌室を出て
CTスキャンの検査を受けることになった。

これまた久しぶりにエレベーターに乗ると、
正面の鏡に知らないハゲ頭のおじさんが
映っていた。
なんと、おいら自身ではないかっ!

その夜、夢を見た。

ステージに出ている。
カツラをかぶっている。

しかし、どうにもカツラがゆるいせいで
ズレる。
いかんいかんと修正するが、またズレる。
それを直そうとカツラをどんどん回す。

すると、ウケている。
お客さんがめちゃ笑っているではないか。

ステージを降りるとプロデューサーが、
「いいねぇ、新ネタ『ハゲ頭・ぐるぐる』」

これを『不毛中の幸い』と人の云う!?

後記:さて、これからしばらく
   夏休みをいただくことになりました。
   この間、どうか皆さんお元気で!

 


明るく軽く親切なのに。
ほんの少し悲しみの味がするのだ。
マジックというのが、もともとそういう
素性のものなのだろうか。ー
糸井重里(帯コピーより)

「神様の愛したマジシャン」
著者:小石至誠
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