ライフ・イズ・マジック

人生はマジックだ、なんて言い方そのものが怪しいでしょ。
ひょっとしたら、マジックってのは、
宗教の種かもしれないし、驚きの商品化かもしれないし、
人類最古の情報産業だったりもして。

軽い笑いもとれるし、ちょっと好かれたり嫌われたり、
ひとつの国をまるごとだまし取るようなこともできる。
いま、マジックを考えたり感じたりするのは、
なんだかとても大事な気がするんですよ。

おおげさな紹介はよしましょう。
マジック・ナポレオンズのパルト小石さんです。どうぞ!

ナポレオンズのHPは
http://www.tvland.co.jp/napoleons/
e-mail:napoleons@tvland.co.jp

新・ナポレオンズ小石の無菌室日記10

師匠
「弟子よ、ついにコロナ後の
正しい芸人の暮らし方を発見したよ、
わっはっは」

弟子
「さすが師匠、
病院で寝ててもタダでは起きない」

師匠
「ホメてないよ、それじゃぁ。
それはともかく、ずっと入院してて
仕事なし、それなのにまぁまぁ生きている、
不思議だろ?」

弟子
「師匠のマジックは不思議じゃないけど、
生活ぶりは不思議です」

師匠
「入院費は払わなければならないから
赤字ではあるんだけど、
毎日パジャマ着て病院食を食べている、
つまり衣食にお金を掛けてない」

弟子
「そうかぁ!
これで家を引き払って病院に住めば
住(じゅう)もタダ!」

師匠
「それは無理かなぁ。
とにかく普段だったら
服買ったり外食にお金使ったりするでしょ? 
それらが無駄というもの。

だから、コロナ後は
仕事の日以外は家にいて
パジャマ姿で過ごす。
家で3食、済ましてしまう」

弟子
「なるほど、
それだったら毎月黒字のはず、ですよね」

師匠
「そう! それがコロナ後の
正しい芸人の暮らしというもの、むふふふ。
ところで、最近は仕事ってあるの?」

弟子
「残念ながら、
まだ仕事という仕事はありません。
知人の芸人さんは
師匠に食わせてもらったり
しているようです」

師匠
「そうですよ、君も家に来てくれれば
飯くらい・・・」

弟子
「でも、僕は地方暮らしで
東京に出てくるだけでお金掛かりますから。
ハッ、それで師匠は
地方の弟子しかとらない?」

師匠
「へへへ、バレちゃぁ仕方ない。
それより、師匠も大事だが、
コロナ後は友達が
いちばん大事ってことだよ。

あたしにも友達がいてね、
入院の時、散々お世話になったから、
『お金払うとしたら
幾らになるんだろうね?』
って訊いたら、

『そうねぇ、
友達時給というのがあるとしたら、
千円でいいかな。
だから、こないだの時のは
7時間で7千円』。
あたしゃ涙出たねぇ」

弟子
「いい話ですねぇ、
師匠にも友達がいたんですね」

師匠
「感心するのはそこかいっ!」

 


明るく軽く親切なのに。
ほんの少し悲しみの味がするのだ。
マジックというのが、もともとそういう
素性のものなのだろうか。ー
糸井重里(帯コピーより)

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