ライフ・イズ・マジック

人生はマジックだ、なんて言い方そのものが怪しいでしょ。
ひょっとしたら、マジックってのは、
宗教の種かもしれないし、驚きの商品化かもしれないし、
人類最古の情報産業だったりもして。

軽い笑いもとれるし、ちょっと好かれたり嫌われたり、
ひとつの国をまるごとだまし取るようなこともできる。
いま、マジックを考えたり感じたりするのは、
なんだかとても大事な気がするんですよ。

おおげさな紹介はよしましょう。
マジック・ナポレオンズのパルト小石さんです。どうぞ!

ナポレオンズのHPは
http://www.tvland.co.jp/napoleons/
e-mail:napoleons@tvland.co.jp

ナポレオンズ・小石の無菌室便り7

急性白血病を発症、緊急入院した頃、
事情を知った親しい業界人から、

「せっかく円熟期を迎えられ、
 名人上手の域も見えてこられたのでは、
 と密かに尊敬しておりましたのに」

あるいは、
「マジシャンの限界を超えて、
 様々なジャンルを開拓されたのに、
 それらの仕事もドタキャン、
 収入も途絶え・・・」

などと同情しきり、だったような気がする。

だが、時は過ぎ、あの新型ウイルスが発生、
瞬く間に日本上陸、ごく短期間に日本全国に、
世界に発症者が!

私が緊急入院した頃は
考えもしなかった深刻な事態になり、
これまで私に同情してくれた人々の思いが
徐々に変化してきた。

SNS上では、
「落語会、マジックショー、ライブ、演劇などが
 新型ウイルスのせいで次々に自粛」
という投稿が急増。

最近では、私の方が業界の緊急事態に同情しきり。
まったく、世の中なにが起こるか
分かったもんじゃぁない。

これまで、私に同情的であった
業界仲間の気持ちもすっかり変わったようで、
「小石さんて、今じゃいちばん安全な無菌室に、
 自分だけさっさと逃げ込んでるんでしょ?

 そいで、あたしたちが新型ウイルスに怯えたり
 仕事キャンセルに落胆しきりなのを、
 高みの見物と、しゃれこんでんじゃないの?」

なんてぇことになっているんじゃないかなぁと、
小さく思い悩んでいる、無菌室の日常でございます。

              (つづく)




明るく軽く親切なのに。
 ほんの少し悲しみの味がするのだ。
 マジックというのが、もともとそういう
 素性のものなのだろうか。ー
        糸井重里(帯コピーより)

「神様の愛したマジシャン」
著者:小石至誠
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