ライフ・イズ・マジック

人生はマジックだ、なんて言い方そのものが怪しいでしょ。
ひょっとしたら、マジックってのは、
宗教の種かもしれないし、驚きの商品化かもしれないし、
人類最古の情報産業だったりもして。

軽い笑いもとれるし、ちょっと好かれたり嫌われたり、
ひとつの国をまるごとだまし取るようなこともできる。
いま、マジックを考えたり感じたりするのは、
なんだかとても大事な気がするんですよ。

おおげさな紹介はよしましょう。
マジック・ナポレオンズのパルト小石さんです。どうぞ!

ナポレオンズのHPは
http://www.tvland.co.jp/napoleons/
e-mail:napoleons@tvland.co.jp

突然ですが、ナポレオンズ・小石の無菌室便り

私、ナポレオンズ・小石は昨年の某日、
急性白血病と診断され、
都内の病院に緊急入院いたしました。

67歳まで、無事これ名馬とばかりに
病気と無縁の人生だったのに
初めての入院、それも病名は急性白血病。

9月くらいだっただろうか、食欲不振が続いた。
お腹が空かないし、食べてもいつもの味を感じられない。
でも、それくらいじゃ病気なんて疑わないし、
お酒は普通に飲めてたし。
ただ、その後、疲れやすくなり、微熱も出てきた。
それでやっと何かの病気を疑い、
近くの内科で血液検査をしてもらった。

翌日、結果を聞きに行こうと病院に向かう途中に
電話があり、
「すぐさま○○病院に入院してください。
 予約は取ってあります」

リュックひとつ背負い病院に到着、
案内された部屋は無菌室。

担当の医師の診断は、
「急性白血病です。それで‥‥」
いつ終わるとも知れない説明が続いた。
インフォームド・コンセントという事前のリスク説明。
「命を落とすリスクもあります」
67歳という年齢も治療リスクになるらしい。
抗ガン剤治療に耐える体力があるかどうか、
持病の問題も少なからずあるだろうし。

ともかく、人生初の抗ガン剤治療が始まった。
説明された副作用というものも初めて味わった。
激しい発熱、悪寒、筋肉が悲鳴を上げるほどの震え。

しかし、どうやらそれくらいの副作用で収まり、
重篤にはならず、熱は下がり、
体調はすっかり良くなった。
人生初の病院食も完食!

白血病の治療はめちゃ進歩しているらしい。
私の白血病に対するイメージは昭和初期のままで、
故に主治医から診断結果を聞いた瞬間、
「あぁ、私の人生もこれまでか」
なんて激しく落胆したものだ。

しかし、治療が進むうちに、
「あれれ? 意外と痛くない、こわくない」
主治医の先生は安全、患者の安心第一。
看護師さんはカワイイキレイだと、すぐさま立ち直り。

「年齢のことで、
 治療に耐える体力を心配してたんですが、
 小石さんは体力あります!
 この病気を治すには体力!
 体力! 体力です!」

そうだったのか!
私には知力はなくとも体力があった!
体力こそ我が命!

私は今後、体力だけを磨いて
長々と生きて行こうと
堅く心に誓うのであった。
               (つづく)




明るく軽く親切なのに。
 ほんの少し悲しみの味がするのだ。
 マジックというのが、もともとそういう
 素性のものなのだろうか。ー
        糸井重里(帯コピーより)

「神様の愛したマジシャン」
著者:小石至誠
価格:1,365 円(税込)
発行:徳間書店
ISBN-13: 978-4198625429
【Amazon.co.jpはこちら】



<DVDの紹介>


『ナポリニコフの魔術学校
 (カードマジック編)』

定価 3,150円(税込)
*前田知洋さんがゲストです!



<単行本の紹介>


「ライフ・イズ・マジック
 種ありの人生と、種なしの人生と」

定価 1,050円(税込)

関連コンテンツ

今日のおすすめコンテンツ

「ほぼ日刊イトイ新聞」をフォローする