不仲コンビの内情
2019-07-28
ある番組に仲の悪い漫才コンビが出演し、
その仲の悪さの深刻度が評判になったらしい。
笑いが売りの漫才コンビが、
笑えない不仲を暴露、
まさにドキュメンタリーではないか。
プロデューサー、ディレクターは、
こりゃ面白いと再度企画を立てることになった。
催眠術士を呼んで、仲の悪い漫才コンビが
仲良くなる催眠をかけてもらい、
その様子を収録するという、確かに興味深い企画。
ところがというか、やはりというか、
そんな催眠術が効くはずもなく、
漫才の片方は、
「ふざけんな、いい加減にしろっ」
怒りをあらわにスタジオを去り、
残った相方は涙に暮れたという。
昔は仲のよいコンビだったのに、
いったい二人に何があったのか?
マジシャン・コンビの私には
どうにも気になるところ。
そんなある日、演芸番組の収録があった。
まずは人気絶頂の漫才コンビがステージに登場、
仲違いしてしまった先輩コンビのエピソードを
面白おかしく解説。
「今日は、そんな様々な同級生コンビが
登場します」
てなフリを展開。
その直後が、我々ナポレオンズの出番。
「とっても仲の良い、ナポレオンズでーす!
僕らの後は、順番に仲の悪いコンビになって、
最後に出てくるのが、最悪のコンビでーす」
そんなマクラにしようと、一瞬、思った。
しかし、それをやってしまうと
編集が大変になると、私は考え直した。
実は、収録時の出演順に放送されるわけではなく、
編集で見やすく面白く
順番をやりくりしてもらっているのだ。
だから、私が勝手に変なことを言ってしまうと、
編集のジャマになるだけ。
出番前のほんの数秒、そう考えを巡らし、
「まだやっているナポレオンズでーす」
と、いつものフリにしてみた。
私たちの後に、
どんな仲の悪いコンビが出てくるのやら。
また、怒りと涙の仲違いコンビは出演したのか?
なんとも気になる演芸番組は、
8月に放送されるという。
コンビ解消、なんてことになる前に、
ぜひ観ていただきたいと切に願う、今日この頃である。
ー明るく軽く親切なのに。
ほんの少し悲しみの味がするのだ。
マジックというのが、もともとそういう
素性のものなのだろうか。ー
糸井重里(帯コピーより)

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