ライフ・イズ・マジック

人生はマジックだ、なんて言い方そのものが怪しいでしょ。
ひょっとしたら、マジックってのは、
宗教の種かもしれないし、驚きの商品化かもしれないし、
人類最古の情報産業だったりもして。

軽い笑いもとれるし、ちょっと好かれたり嫌われたり、
ひとつの国をまるごとだまし取るようなこともできる。
いま、マジックを考えたり感じたりするのは、
なんだかとても大事な気がするんですよ。

おおげさな紹介はよしましょう。
マジック・ナポレオンズのパルト小石さんです。どうぞ!

ナポレオンズのHPは
http://www.tvland.co.jp/napoleons/
e-mail:napoleons@tvland.co.jp

罪をあがなう、なう

< 闇営業 >

闇営業なんて、やったことない。
だいたい、闇営業という言葉すらなかったし。

以前は、所属事務所に内緒でする仕事を
職内と言っていた。
内職をひっくり返して、職内。

ある時、同じ事務所のタレントと
職内の仕事先でバッタリ、
「なんだぁ、お前たちも職内かぁ」
てなことも。

昔、某町内の夏祭りに出演することになった。
商店街の会長さんがマジック好きで、
「ナポレオンズさん、職内で頼むよ」

提灯が照明代わりの仮設ステージで、
30分ほどのマジック・ショー。

ところが、15分くらい過ぎたところで
電源が落ちたらしく、提灯も消えてステージは真っ暗。

これが、たった1度のナポレオンズの闇営業。
誠に、申し訳ありませんでした。
 
 
< パートナーは鳩? >

42年前、プロデビューした頃は
生きた鳩を鳩出しに使っていた。

ハンカチから鳩が出現する、定番のマジック。

ある日、相方が鳩を出現させようとハンカチを
広げたところ、鳩が息絶えていた。

「あとを頼む」

そう言い残して相方はステージを去った。
残された私は、おしゃべりマジックで
お茶を濁すしかなかった。

翌日、仕事先のホテルの裏山に鳩の骸を葬った。

その日以降、生きた鳩をマジックに使うのを止め、
ゴム製の鳩を出現させることにした。

相方はゴム製の鳩さえ、とても大切に扱っている。

あの日、亡くしてしまった鳩のことを、
今でも申し訳なく思っているのかもしれない。

「鳩は、マジシャンの大切なパートナー。
 マジックの道具じゃないんだよ」

相方の言葉を聞きながら、
「僕のことも、もっと大切に扱ってほしい」
そう思う私であった。




明るく軽く親切なのに。
 ほんの少し悲しみの味がするのだ。
 マジックというのが、もともとそういう
 素性のものなのだろうか。ー
        糸井重里(帯コピーより)

「神様の愛したマジシャン」
著者:小石至誠
価格:1,365 円(税込)
発行:徳間書店
ISBN-13: 978-4198625429
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『ナポリニコフの魔術学校
 (カードマジック編)』

定価 3,150円(税込)
*前田知洋さんがゲストです!



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「ライフ・イズ・マジック
 種ありの人生と、種なしの人生と」

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