ライフ・イズ・マジック

人生はマジックだ、なんて言い方そのものが怪しいでしょ。
ひょっとしたら、マジックってのは、
宗教の種かもしれないし、驚きの商品化かもしれないし、
人類最古の情報産業だったりもして。

軽い笑いもとれるし、ちょっと好かれたり嫌われたり、
ひとつの国をまるごとだまし取るようなこともできる。
いま、マジックを考えたり感じたりするのは、
なんだかとても大事な気がするんですよ。

おおげさな紹介はよしましょう。
マジック・ナポレオンズのパルト小石さんです。どうぞ!

ナポレオンズのHPは
http://www.tvland.co.jp/napoleons/
e-mail:napoleons@tvland.co.jp

効能と目玉焼き

< 効能 >

山奥の温泉に入った。
入り口に、
『すべりやすいのでご注意ください』
と書いてある。

そろりそろりと歩くのだが、
湯船のもうもう湯煙を見ると
ついつい早足になり、
言わんこっちゃない、すってんころりん。

幸いにも、右足をうって少し痛い程度。
風呂にはまだ誰もいなくて恥ずかしくもない。

私はいつもより長く湯船に浸かり、
すっかり温まった。

湯船を出て、体を洗い、
脱衣所で体を拭いていると目の前に、
『効能、打ち身、捻挫、・・・』
という効能書き。

どうりで打ちつけた右足はちっとも痛くない。

温泉の効能をその場ではっきりと実感できた、
初めての経験だった。

どうやらここは、名湯らしい。
 
 
< 目玉焼き >

毎日の食事日記をつけている。
朝のメニューは定番のトースト、ヨーグルト、
目玉焼き。

以前、アメリカ人の友人と朝食を食べていると、

「この卵料理は、英語だと
 サニー・サイド・アップ、

 日本語では?」

「め、だ、ま、や、き、目玉焼き。
 ベイクド・アイ・ボール」

と、合ってるかどうかわからないまま
直訳してみた。

すると友人は、気持ち悪そうな表情になって
目玉焼きを食べ残してしまった。

子供の頃から食べ慣れている目玉焼き。
しかし、ふと気づけば
めちゃくちゃグロテスクなネーミング。

食事日記を書く時、
いつもこのことを思い出してしまい、
『目玉焼き』と書くのをためらってしまう。

そうかといって、
『サニー・サイド・アップ』と書くのも
ちょいと恥ずかしい。

目玉焼きに代わる良いネーミングはないものか。
日記を書くたびに、私は小さく悩み続けている。




明るく軽く親切なのに。
 ほんの少し悲しみの味がするのだ。
 マジックというのが、もともとそういう
 素性のものなのだろうか。ー
        糸井重里(帯コピーより)

「神様の愛したマジシャン」
著者:小石至誠
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