ライフ・イズ・マジック

人生はマジックだ、なんて言い方そのものが怪しいでしょ。
ひょっとしたら、マジックってのは、
宗教の種かもしれないし、驚きの商品化かもしれないし、
人類最古の情報産業だったりもして。

軽い笑いもとれるし、ちょっと好かれたり嫌われたり、
ひとつの国をまるごとだまし取るようなこともできる。
いま、マジックを考えたり感じたりするのは、
なんだかとても大事な気がするんですよ。

おおげさな紹介はよしましょう。
マジック・ナポレオンズのパルト小石さんです。どうぞ!

ナポレオンズのHPは
http://www.tvland.co.jp/napoleons/
e-mail:napoleons@tvland.co.jp

平穏な放送日

ナポレオンズ出演のご長寿番組が、
無事に放送されましたよ。
ありがたや、ありがたや。

「だって、もうとっくに収録済みなんだから、
 放送されて当然でしょ?」
などとおっしゃる方も多い。

だけど、何か大きなニュースがあったりすれば、
放送されなかったりするのですよ。

放送されても、画面にテロップが流れたりすると
マジックの肝心なところが文字に隠れたりして、
そりゃもう切ない。

ナポレオンズ名物のマジック
『あったま・ぐるぐる』の顔の部分に、
速報の文字がかぶったりしたら、
ちっとも不思議じゃなくなってしまうではないか。

まぁ、もともと不思議なマジックじゃないけれどさ。

もちろん、ニュースや速報、
警報の方が大切であるとは思う。

思うけれども、
「よりによって、このタイミングかよ」
などと、ついつい自らの不運を嘆いてしまう。

だから、ごく普通に放送されると、
しみじみと平穏な時間を過ごせたことに心から感謝する。

やはり、平穏であってこその演芸。

視聴率なんてのも少し、気になる。

知人のプロデューサーが担当したドラマが放送された。

「いやぁ、僕の最高傑作と言いたいくらい、
 素敵なドラマに仕上がったよ」

プロデューサーは鼻高々だったが、
裏番組がプロ野球の優勝決定戦で、
ドラマの視聴率はヒトケタ。
最高傑作なのに最低視聴率、あぁ。

「相変わらず、お気軽な芸でいいねぇ」
ご長寿番組を観た友人が言う。

おいおい冗談じゃぁありませんよ。
事前に打ち合わせ、ネタ見せ、台本作り、
収録日だってリハーサルを入念にやるし。

あれこれを経て、本番、収録。
それを何時間もかけて編集してもらい、やっと放送。

これでも色々と手間暇かかっているのでございますよ。

故郷の姉から電話。

「テレビ観たよ。
 でも、友達から『あんたの弟がテレビに出とるよ』。
 電話で話しちょるうちに出番が終わってさ」

うんうん、故郷も平穏だったようで。
故郷が平穏であってこその東京暮らし。
世の中が平穏であってこそのマジシャン・ライフ。




明るく軽く親切なのに。
 ほんの少し悲しみの味がするのだ。
 マジックというのが、もともとそういう
 素性のものなのだろうか。ー
        糸井重里(帯コピーより)

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