ライフ・イズ・マジック

人生はマジックだ、なんて言い方そのものが怪しいでしょ。
ひょっとしたら、マジックってのは、
宗教の種かもしれないし、驚きの商品化かもしれないし、
人類最古の情報産業だったりもして。

軽い笑いもとれるし、ちょっと好かれたり嫌われたり、
ひとつの国をまるごとだまし取るようなこともできる。
いま、マジックを考えたり感じたりするのは、
なんだかとても大事な気がするんですよ。

おおげさな紹介はよしましょう。
マジック・ナポレオンズのパルト小石さんです。どうぞ!

ナポレオンズのHPは
http://www.tvland.co.jp/napoleons/
e-mail:napoleons@tvland.co.jp

インフルエンザニモマケズ

あるご長寿番組への出演が決まった。

まずはマジックの打ち合わせを
しなければならない。

制作会社のスタジオであれこれ、
シャベリも含めて綿密なネタ・チェック。

「じゃぁ、当日は10時半入りで、よろしく」

これが収録日の12日前。
そこから、これまでにないくらいの
プレッシャーを感じ始めてしまった。

なんせ世の中、インフルエンザが大流行。
私の周りのあの人もこの人も、
次々バタバタ倒れている。

「当日まで絶対に風邪とか引かないでね。
 もちろん、インフルエンザなんて
 かかった日にゃぁ、永久追放だからね」

このプロデューサーのご忠告が、
巨大なプレッシャーとなって
私におおいかぶさってきたのである。

しかし、
「インフルエンザにかかるな」
と言われても、
絶対にうつらない方法なんてないよね。

「人前に出るな」
なんて言われても、
だいたい人前に出るのが仕事だし。

電車に乗ると、前に座っているおじさん、
めちゃ具合が悪そう。
仕方ない、後ろの車両に移動。

エスカレーターでは、
すぐ後ろの女性がゴホンゴホン。
背中にウイルスが付かないかとビクビク。

やっと家にたどり着くと、
プロデューサーから電話があり、私はついつい、

「インフル、ウイルスがこわくて。
 もう、すごいプレッシャーです」

するとプロデューサー、

「そんなのを気にするより、
 マジックの出来を気にしなさいよ!」

はい、どうもすみませんでした。

でも、おかげさまで肩の力が抜けて、
収録は大変にうまく行ったのでした。
お後がよろしいようで。

関連コンテンツ

今日のおすすめコンテンツ

「ほぼ日刊イトイ新聞」をフォローする