ライフ・イズ・マジック

人生はマジックだ、なんて言い方そのものが怪しいでしょ。
ひょっとしたら、マジックってのは、
宗教の種かもしれないし、驚きの商品化かもしれないし、
人類最古の情報産業だったりもして。

軽い笑いもとれるし、ちょっと好かれたり嫌われたり、
ひとつの国をまるごとだまし取るようなこともできる。
いま、マジックを考えたり感じたりするのは、
なんだかとても大事な気がするんですよ。

おおげさな紹介はよしましょう。
マジック・ナポレオンズのパルト小石さんです。どうぞ!

ナポレオンズのHPは
http://www.tvland.co.jp/napoleons/
e-mail:napoleons@tvland.co.jp

邯鄲(かんたん)夢の枕

マジシャンになる以前、
マジック道具やマジック関連の本を売る店で働いていた。

マジック道具のカタログ本も多数あり、
その中に『邯鄲(かんたん)夢の枕』という
マジック道具があった。

『邯鄲、夢の枕』マジックは、
美女が竹竿1本の上に横たわり、
まるで竹竿を枕にして
眠っているように見えるというマジック。

そんなマジックが、
なぜ『邯鄲、夢の枕』というタイトルなのか?

昔のことだから、スマホで調べることもできない。
そこで、名付けた店主に聞いてみると、

「昔々、ある青年が中国の邯鄲というところを
 尋ねたそうな。

 で、老人から枕を借りて眠っていると、
 青年の未来、栄耀栄華を極める人生の夢を見た。

 しかし、目覚めてみれば、
 ほんのわずかな時間の夢にすぎなかった。

 つまり、人生のはかなさを
 『邯鄲の夢の枕』で知ったということじゃのう」

私は店主の教養の高さに驚くとともに、
『邯鄲、夢の枕』というマジックが、
とても素晴らしいマジックに思えたものだ。

『邯鄲、夢の枕』というタイトルのマジックは、
英語では何という名が付いているのだろう?

気になって外国のカタログをめくってみると、
『 Floating Lady 』とあった。

『浮いている淑女』。

そのまんま。

小学校を巡って公演してきた。
マジックを通して、子供たちに人間の盲点、死角、
思い込みなどを感じてもらう、特別授業である。

そこで驚くのが、最近の子供たちの名前。
『楓(かえで)』さんかと思えば、
『楓(ハイジ)』さんだったり。

ネットで調べてみると、
最近の人気キラキラ・ネームは
篤朱(アッシュ)さん、蘭人(ランド)さん、
奈七(ナナナ)さん、などらしい。

激しく困惑していると、担任の先生が、

「小石さんの名前は『至誠(しせい)』さん。
 すごいキラキラ・ネームですよね」

そうなの?




明るく軽く親切なのに。
 ほんの少し悲しみの味がするのだ。
 マジックというのが、もともとそういう
 素性のものなのだろうか。ー
        糸井重里(帯コピーより)

「神様の愛したマジシャン」
著者:小石至誠
価格:1,365 円(税込)
発行:徳間書店
ISBN-13: 978-4198625429
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『ナポリニコフの魔術学校
 (カードマジック編)』

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*前田知洋さんがゲストです!



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「ライフ・イズ・マジック
 種ありの人生と、種なしの人生と」

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