糸井重里のコラム
2026-01-02
犬も歩けよ、棒にあたろう。

・新年のいちばん最初の日をどうするか?ぼくは、子どものころからそれは意識していた。しかし、「1月1日はなにもしないんだよ」と、大人たちに教わって、元日にはただ家でごろごろしていた。翌2日も前日にならって、なにもしないで過ぎていった。毎年、ずっとそうだったような気がして、生まれてはじめて、元日から身体を動かそうと思った。「生きてるって、思い出をつくること」という、「ほぼ日手帳アプリ」のテーマは、じぶんを動かすね。

「散歩をしてくる」と上司に告げて、スニーカーを履いた。運動不足の年末年始には、血流がわるくなっているはず、計画なんかせずに、まず一歩踏み出せばなにかが変わる。

どっちに歩き出すかも決めてなかったが、青山霊園に向かった、散歩好きな犬と歩いたコースだ。いい歩き方なんかも意識して歩いてみる、気持ちがいい。もう、いっそ、どこまででも歩いてみようと思いついた。神田錦町の「ほぼ日」まで歩いたらおもしろいぞ。かなり遠いのはわかっているが、さて、行けるのか?仮に行けたとしたら、どこがどう痛くなったり、どんなふうに疲れるものなのか、知ってみたくもなった。よし、ダメならダメで降参してしまえばいい、進もう。乃木坂に出て、そこから赤坂、実はこれくらいでも疲れる。TBSの近くの自販機で水を買って、飲みながら歩く。日枝神社が見えたら、その裏手の道を通って霞が関方面へ。首相官邸だとか国会議事堂だとか、警備の間を歩いていく。ほんとは、坂道なんかもあるしけっこうくたびれているが、やればやれる感じが出てきて、足は前に進んでいる。皇居が見えたら、もう気分は最高だよ、ゴールを確信する。お濠に沿って外国人やランナーに混じり、ただ歩く。あとでツイッターに出そうと写真を撮っていたが、iPhoneが電池切れになってしまう、ゴールは近いのに。 コンビニで充電セットを買って、なんとか復活、神田錦町の「ほぼ日」に到着して、写真も撮れた。タクシーだと3000円以上の距離だが、歩き通せた。すごいじゃないか、おれ、こういう一年になるかもよ。新年早々、生まれて初めてのような思い出ができた。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。最高の元日になりました。健康にもよくて、しかも無料で。

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