糸井重里のコラム
2025-12-21
そういえば、わたしの働き方は。

・会社に属して働いている人と、フリーで働いている人とでは、休みの感覚がちがう。元会社員の知人と、もともとフリーの知人が、同じような時期に、それについての文章を書いていた。ぼくは、少しだけ零細企業に勤めていて、それが倒産してフリーになった人間だ。「ほぼ日」をはじめるまでは、ずっとフリーだった。ざっと25年くらいフリーをやっていたから、その時代の働き方はかなりに身についていると思う。しかし、もう「ほぼ日」の時間のほうが長くなって、会社をやってる側の感覚もたぶん身についている。そう考えると、たしかに、ぼく自身の働き方は、両方が混じったようなところがある。

だいたい、毎日、「ほぼ日」の「これ」を書くって、会社員の仕事としてはありえない。ローテーションを組んで複数人で書くとか、週に何日書いて何日休むとかの方法があるだろう。しかし、「ほぼ日」をはじめた当初は、(有限会社だったり株式会社だったりもしたけど)ぼくはフリーのつもりでいたので、じぶんで「おれは毎日書くよ」と決めたことだ。だれに相談することもなく、そうなったというだけだ。そして、休日というものはみんなと同じようにあるけれど、「あれ」やら「これ」やら「まだ」やらについて、だいたいひっきりなしに考えたりしているので、これは、フリーのときとほぼ同じことをしている。そして、本人が休むつもりになれば、あらかじめ予定が入ってなければいくらでも休める。いまでも、「イトイさんは、どれくらい出社しているの?」という質問をする人がいるようだけれど、外での仕事がないかぎり、毎日、出社している。もちろん、スタイルとしては乗組員一同と同じように、年末年始なども長い休みを取っている。その間も、フリーと同じように遊んだり考えたりしている。こういうスタイル以外、考えられないので、こうなった。連休がうれしいというわけでもなく、出社が嫌でもなく、じぶん自身と、会社の都合とのミックスで働いている。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。付き合いの酒席や会食やゴルフが一切ないのが、快適かなぁ。

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