第3回 3つの動機と、ニコチンパッチ。
はははは。
そう、だから、糸井さん、なかなか原稿に書かないんですよね。
「今日のダーリン」に「禁煙が続いてます」って。
[糸井]
信じられないんだもん(笑)。
[永田]
ああ、だんだん思い出してきた。
で、成功したとは書かないんだけど、ちょっとずつやめてることは知られていって、
「糸井重里さんの禁煙を本にさせてください」
みたいな依頼がけっこう来るんだけど、
「いや、いつ吸うかわかりませんから」ってことでぜんぶ、お断りすることになるんですよね。
「ほぼ日」のコンテンツとしてもけっきょく、はじめられなかった。
[糸井]
こっちは、それどころじゃないからさ。
[永田]
そうですね(笑)。
[糸井]
で、8月2日から、ひと月過ぎ、ふた月過ぎ、どんどん過ぎていって、11月10日が誕生日だから、そこまで吸わずにいられたら、いったん、やめられたと思うことにしようと。
[永田]
3ヵ月。
[糸井]
そう。8月2日から3ヵ月で11月2日。
そこからさらに1週間ほど様子を見て、11月10日まで禁煙できたら、ひと区切りだと。
[永田]
そうでした。
で、実際、そのまま今日に至る。
[糸井]
うん。
[永田]
振り返ってみて、糸井さん、ニコチンのパッチをつかった禁煙は、
「簡単ですよ」って人におすすめできます?
[糸井]
そうは言えない。
[永田]
言えない。
[糸井]
意志がなかったらダメだと思う。
[永田]
あーー、うん、うん、意志。
[糸井]
そりゃそうだよ。
そんな、お金を払ったからやめられますとか、スイッチを押すようにやめられはしない。
やっぱり、意志‥‥うーん、
「意志」っていうことばは、ちょっとぴったり来ないなぁ。
なんだろう‥‥要するに、
「やめたいのか、やめたくないのか」
どっちかですよね、ってことだよね。
(つづきます)