鴨さんのダチョウ。

ほぼ日27周年記念テキスト中継
「ほぼ日、希望の27(ツナ)祭り」で作家の浅生鴨さんが
「武井さんにこっそりお渡しした食材、登場するかな〜?」
とメールをくださったのを紹介しましたが、ごめんなさい鴨さん、あの日、その食材は登場しなかったんです。
27(ツナ)しばりのなかではあまりにゲストとしてのインパクトが強く、調理時間もかかることから、紹介しきれなかったのです。

その食材がやってきたのは、さかのぼること6月2日。
鴨さんが「ほぼ日」にやってきて
「武井さーん。
バーベキューで余った食材、要りませんかー」
と、これを、くださったのです。

ダチョウの卵。

鴨がダチョウさんを。
じゃない、鴨さんがダチョウを。
ていうか、バーベキューで余ったって?

「食材持ち寄りのバーベキューに、つくばでダチョウ農場をやっている友人が持ってきてくれたんです」

それがひとつ余ったと。
い‥‥、いただきますとも! かならずおいしく調理します! そして冷蔵庫で眠らせること8日間、ようやく今日、調理と試食が実現しました。

それにしても、調理、たいへん。
まず殻を割るのがたいへん。
にわとりの卵のようにはいかないんです。

「暗いところでライトを当てると殻の先端に空気をとりこむ薄い部分があるのがわかるので、そこから丁寧にひびを入れて、薄皮を残して5センチくらいの穴をあけます。
そのあと薄皮を切って中身を出してください。
殻が厚いのでそれなりの力が要りますが、割れると細かくなるので、強く叩きすぎて卵の中に殻のかけらが入らないよう細心の注意が必要です」

しかし暗がりでライトを照らしても薄い部分は発見できず。
なんとか、先端からペンチでこつこつと、格闘すること20分、ようやく5センチの穴をあけ、中身をとりだすことに成功しました。

つくるのは目玉焼きです。
「ほぼ日」じまんの土鍋、土楽の「ベア1号」でつくります。
煮炊きだけじゃなく直火料理ができるし、オーブンにも入れられるから安心です。
よく熱してから、オリーブオイルとバターを入れ、そこにダチョウの卵を投入しました。
参考になるレシピがないので、まったくの無手勝流です。

しかしダチョウの卵って大きいんですね。
「ベア1号」がいっぱいになる量ですよ。

前半はガスの弱火で、全体が白くなってきた頃合いで、後半はオーブン(上火+下火、180度スタート、最後は200度に上げて)で、トータル30分近くかかったかなあ、かための半熟の目玉焼きができました。

塩と胡椒を振って、できあがり。
生の状態で水っぽかった白身は、火を通すと硬くなり、ゼリーのような透明感が出ました。
黄身の色はうすめ。
でもどちらも味はしっかり。
はじめていただきましたが、おいしいものだなあと思いましたよ。

満腹感というか、満足感がすごい。
にわとりの卵に換算すると、1個で20〜30個分に相当するそうだから、
「そりゃそうか」。

鴨さん、あらためて、ありがとうございました!

2025/06/10 15:26

前へ 次へ
日付を指定して見る
感想を送る
友だちに教える
ほぼ日のTOPへ戻る