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揺れ動く心をすくう短歌 トランプの絵札のように集まって我ら画面に密を楽しむ ご記憶でしょうか? 世界中にコロナ禍が拡がって、初めての外出自粛を余儀なくされ、Zoom会議が広がりはじめた頃のこと。 2020年6月に連載した 「私の新しき生活様式」12回で俵万智さんが披露してくださった歌です。 これを含めコロナ禍の歌も編まれた歌集『未来のサイズ』を読みました。 「画面にも上座下座がありますか?」 マナーブックにまだ答えなく 濃厚な不要不急の豊かさの再び灯れゴールデン街 2年前の春の戸惑いと不安が蘇ってきませんか? ほぼ日の學校・万葉集講座の授業で 俵さんは、短歌という定型の詩の強みは、日々の暮らしの中の小さな心の揺れに対応できることだとおっしゃいました。 「大河ドラマにならなくても、長編小説にならなくても、私たちの心は何かしら揺れ動く。 それをすくうのに、とても適した詩の形が短歌」 「歌を作るということは人生を丁寧に味わう、時間を丁寧に生きる、そういう作業」 朝日賞や迢空賞・詩歌文学館賞を受賞した『未来のサイズ』には、まさに丁寧に味わわれた人生がくっきりと刻まれています。 つまらない母親役をやっており髪染めたいと言いつのる子に 最後とは知らぬ最後が過ぎてゆくその連続と思う子育て 同世代の息子を育てる同世代の母親として強く共感せざるを得ません。 この授業の後半は、受講生のみなさんの「恋の歌」。 どの作品も秀逸ですので、こちらもお見逃しなく! きっと歌を詠いたくなりますよ。 2022/09/28 11:05 |
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