店主3人 おおいに語り合う

神田ポートビルで開催中のフェニックスブックスフェア最後のトークは「店主鼎談」。
浅生鴨さんの「ネコノス」と竹田信弥さんの「双子のライオン堂」がいっしょになった「ネコのライオン堂」
店主おふたりと、河野書店店主
「フェニックスブックス」をめぐる楽しいお話を繰りひろげました。

まずは今回のイベントの発端から。
自社本の流通をどこに託せばよいのか迷った浅生鴨さんは竹田さんに相談。
八木書店を紹介されて神保町の本店にでかけたところ地下の倉庫に「お宝本」が埋蔵されていることを知りました。

河野は河野で、八木書店の八木会長とお話しした折りにやはり本店地下1階に
「足を踏み入れて」しまいました。
そこで二人の思いが一致し、今回のフェニックスブックスフェアとなりました。
そして一緒に選書をしてくださった竹田さんもあらためて八木書店の膨大な蔵書を知り、今更ながらその価値に気づいたそうです。

選書にあたって、河野は「関わりのある人の本やオーナーが亡くなって継ぐ人がおらず命運が尽きてしまった本など、人情で選びました」。

浅生鴨さんは「自分が欲しい本。
だから、売れると悔しい。
売れないと困るんだけど、自分の本棚のどこに入れるかまで考えていた全集が売れると、『ほんとですか!?』という感じ」

売れるのか売れ残るのか、鴨さんがいちばんおもしろがっているのが、日本鳥学会の大正から戦前の学会誌の復刻版。
誰が何のためにこれを復刻したのか?
鳥学会学会誌と「鴨」さんの運命の出会い。
不死鳥(フェニックス)のように蘇ってきたこの本の運命……。
このあたり、ほんとにおかしいので、ぜひ中継アーカイブをご覧ください。

とにかく同じリストから選んだとは思えないほど三者三様の本がならんだ景色をながめるだけでも一興です。

大変お買い得なフェニックスブックスの最大の利点は、
「失敗のダメージが少ないこと」(鴨さん)。
鳥学会学会誌のように
「なんじゃこりゃ!」と思う本でも思いも寄らない収穫があるかもしれません。
いろんな本に手を伸ばしてみてください。

明日は最終日(午後4時閉店です)。
私たちの関心は鳥学会学会誌が果たして売れるのかどうかに集まりつつあります。

2021/10/30 19:15

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