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『久保田万太郎の履歴書』
という本の履歴書 フェニックスブックスフェア本日ふたつ目のトークには、今回仕入れた本のうちの一冊『久保田万太郎の履歴書』の著者大高郁子さんにご登壇いただきました。 自著が断裁の淵に立ち、そこからまた救い出されるのはいったいどういう気分なのか、率直なところを語っていただきました。 イラストレーターの大高さんによると、版元の河出書房新社から 「残念ながら絶版」という連絡がきたのは今年5月のこと。 刊行から3年ちょっとのことでした。 大高さんからすると、すでに過去の作品であり、 「身を切られるほど痛い」ということはなく、自然の流れ、と受け止めたそうです。 その後、「自由価格本」としてセカンドチャンスを得るのは、本が切り刻まれてしまうよりは、読者の手に渡る方が良いと考えて 「ありがたいこと」と思ったそうです。 ただし、絶版の本が売れても著者に新たな印税は入りませんから、複雑な気持ちがなくはないけれど、読んでもらえる方がうれしい、と。 その後、 このあたり、とてもおもしろいので、ぜひ中継アーカイブをご覧ください。 おもしろかったのはトークのあと。 自由価格本を再度市場に流通させている八木書店のみなさんが大高さんにサインを求めながら、口々に感想を語っていかれたこと。 「この仕事を十年していますが、著者のお話を直接聞くのは初めてでした。 当初、緊張しましたが、『ありがたい』と言ってもらえてほっとしました」 「自分の仕事を再認識しました。 うれしかったです」と。 巡り巡って本がつなぐ縁の妙味を改めて感じるトークでした。 2021/10/30 16:51 |
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