タマ、帰っておいで

横尾忠則さんの新著
『タマ、帰っておいで』が講談社から発売されました。
私はこの本の発売をずーっとたのしみにしていました。

横尾さんはタマの絵を描くとき
「これは芸術じゃない、タマへのレクイエムなんだ」
とおっしゃっていました。
ですからこれは、横尾さんの芸術の本ではないのかもしれません。

フラッと横尾家にやってきて15年をすごした白と黒の猫タマは、2014年に亡くなります。
そして6年間に渡り、タマに宛てた手紙のような絵を横尾さんは描きつづけます。
それだけを集めた画集が、芸術でないはずがないとも思います。

横尾さんの切実であたたかいまえがきと、タマによるあとがき(手紙)の動物ならではの堂々とした落ち着きの差がすごくて、この両方を横尾さんが書いておられると思うと、何度読んでもぐしぐしになります。

横尾忠則さんの、猫にむけたすばらしい91点の絵とたくさんの言葉があふれ出ます。
みなさんも、この春に、よかったらぜひ。

2020/03/31 14:52

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