上を見るか 下を見るか

今日のトークサロンに来てくださったみなさんは、いまごろ夜空を見上げたり、道路脇の草むらに虫を探したりしているかもしれません。

ほぼ日の学校「ダーウィンの贈りものI」
プレイベントとして、科学エッセイ『科学する心』を上梓された作家の池澤夏樹さんと
「ファーブル昆虫記」全10巻20冊を完訳された仏文学者の奥本大三郎さんをお迎えして、ほぼ日でトークサロンを開きました。

旧知のおふたりに、これまた古いお付き合いの学校長が進行役として加わって、お話はゆるゆると始まりました。

池澤さんの新著から、生物学の研究者としての昭和天皇がどれほど熱心に楽しげにウミウシに向き合われたかが紹介されたり、
「ダーウィンの贈りものI」に講師として登壇してくださる奥本さんが、ダーウィンとファーブルの友情と交流を紹介してくださったり、科学と文学の間をたゆたうように、話は進んでいきました。

池澤さんは大学で物理学を学びながら、作家の道を歩みます。そのプロセスをこう語ってくださいました。
「子どものときの自分の中に科学少年と文学少年がいて、どっちを育てようかなと思っていた」
結局、文学の道を選んだものの
「身辺を科学の目で見ることを続けてきた」そうです。

文学者の心をもって科学してきたお二人は、便利になった今の社会が果たして「便利以上の価値」を生み出しているのか、といった問いかけや、産業に役立つ工学だけを優先するあまり、
「意味について考える人」がいなくなっているのではないか、といった危機感をそろって口にされました。

こうした危機に対してお二人が提言する対策は、極めてシンプルで柔らかなものでした。
「上を見るか、下を見るか」
天を見上げて星を観察するか、虫をみつけて幸せを感じるか。
振り返れば、そこにある自然に目を向ける心をもつこと。
料理でもいい、身近な科学を体感すること。

「まずは外へ出てキョロキョロしてごらん」

池澤さんの言葉はとてもやさしく耳に響きました。

詳しくは「学校ニュース」をあわせてお読みください。

2019/05/14 22:14

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