歌舞伎愛が いっぱい!

江戸時代に歌舞伎が生まれて415年。
そのうちの130年間を民間企業として支えてきた松竹株式会社。その歴史を、歌舞伎座で育ったといっても過言ではないご自身の足跡と重ねて、岡崎哲也さんが楽しく語ってくださいました。

ほぼ日の学校Hayano歌舞伎ゼミ第4回。
今日も高密度の講義でした。

漏電や、関東大震災による歌舞伎座の焼失。
第二次大戦時の空襲による三度目の焼失。
経営難のなか経営権の争奪戦。
占領軍による仇討ちものの上演禁止など、様々な歴史を経て、2013年の現在の歌舞伎座の新築。
山あり谷ありの歌舞伎座と松竹の歴史を一息に語る岡崎さんの口調はときに講談調。
物語を聞くように耳を傾けるうち、あっというまに2時間半がすぎてしまいました。

歴史に残る名優たちの演技を
「アリア」「メトロノームのような正確さ」
「レガートがかかる」と音楽にたとえながら、深い愛と敬意を込めて語る岡崎さんのものすごい熱量に、今日も教室の温度はかなり上昇したような気がしました。

五世中村歌右衛門、二代目市川左團次、GHQのフォービアン・バワーズ、三波春夫、東京都知事だった安井誠一郎‥‥折々に苦境に立たされた歌舞伎を救った人々のことを語るとき、岡崎さんのことばからは感謝の気持ちがあふれていました。

「生き字引」としか言いようのない岡崎さんの知識量にも驚かされましたが、負けていないのが、ゼミを主宰するです。
岡崎さんがいまはなき名優たちの音源を披露すると、教室後ろに立っていたは、なんと「口パク」で、その台詞を役者と同じタイミングで語っているのです。つまり、映像や音源で何度も耳にしているフェローも完全暗記しているわけですね。
ふたりとも、尋常ではありません。

こんなにも強く人をひきつける歌舞伎の力に改めて驚嘆しました。

2018/09/26 22:25

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