明治時代に、依田勉三さんという十勝開拓の祖がいらしてね。

「晩成社」という移民会社を設立した人なんだけど、その晩成社牧場でつくっていたバターが
「マルセイバタ」なの。

[──]
ええ、ええ。「バター」と伸ばさずに。

[小田社長]
今つかってる「マルセイバターサンド」の包装紙は、その当時の「マルセイバタ」の缶ラベル。

当時は「右から左」へ文字が綴られていたから、これを現代の人が読むと
「タバイセルマ」になっちゃうんだな。

[──]
今や、あの朱赤と金の包装紙はマルセイバターサンドの代名詞になってますよね。

[小田社長]
うん。

‥‥それにしても、あの缶ラベルっていったい誰がデザインしたんだろうなぁ‥‥。

[──]
あ、わかってないんですか?

[小田社長]
うん、わかってないんですよ。

[──]
へぇーえ、誰なんでしょうね。

[小田社長]
依田勉三さんは、伊豆のご出身で黒船到来の年にお生まれになってるから、ああいうセンスが備わっていたのかもしれないなとは思うけど。

[──]
ええ、ええ、なるほど。

[小田社長]
実際、誰がデザインしたのかは、わかってないんですよ。

‥‥あのパッケージ。



<つづきます>


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