ええ、はい。
[小田社長]
なにか「心酔」ポイントとかって言って‥‥。
ああ、これこれ、これ。資料としてあげます。
[──]
ありがとうございます‥‥あ、すごい、12位。
何というか、任天堂より上。
[小田社長]
他にもいろんな観点からランキングしてて総合順位はもっと下なんだけど、
「心酔ポイント」というジャンルでは、こういう結果になったみたいなんですよね。
[──]
つまりこれは、
「ファンが、どれだけ大ファンか」をくらべたランキングなわけですね。
[小田社長]
ぼくもビックリしちゃって。ありがたいことです。
[──]
あの‥‥あたりまえかもしれませんが、六花亭の人気が高いのは、何よりまず「お菓子が、おいしい」ということだと思うんです。
[小田社長]
ありがとうございます。
[──]
今日、ここにおうかがいしているのは、弊社のなかでも「六花亭好き」の3人なんですが、事前に「十勝日誌」という六花亭のお菓子の詰め合わせを取り寄せて、40種類くらい一気に食べたんです。
現実に存在する『十勝日誌』という本から表紙などを複製した、お菓子の詰め合わせセット。
われわれは「42個入り」を注文しました。
[小田社長]
ええ。
[──]
‥‥たのしい仕事でした。
[小田社長]
よかったねぇ(笑)。
[──]
で、あらためて六花亭のお菓子はおいしいなと思ったんですが、もっとおどろいたのは、こんなに食べたのに
「ハズレがない!」ということだったんです。
[小田社長]
ああ、それは、六花亭にとって最高の褒め言葉ですね。
その「ハズレがない」というのは。
[──]
「おいしい」よりも?
[小田社長]
それもね、もちろんうれしいんですよ。
でも、「ハズレがない」っていうのは、ぼくらの「究極の目標」なんです。
[──]
そうなんですか。
[小田社長]
つまり、新商品を開発するのも当然大切ですが、いま現在、販売している商品をつねに「もっともっと、よいお菓子にするんだ」って改良を重ねていくことで、お客さまの信頼を得ることができるわけだから。
[──]
さっきのショートケーキみたいに。
[小田社長]
そう、たとえば六花亭の喫茶のメニューに
「ホットケーキ」ってのがあってね。
[──]
はい。
[小田社長]
これ、昭和30年代からやってることもあって、ぼくらも、相当自信を持ってたんです。
まあ、くわしくは言えないんですけど、いくつか仕掛けもあるし、他店との差別化もできてましたからね。
「うちのホットケーキはちがうよ?」‥‥と。
[──]
ええ、ええ。
[小田社長]
ところが先だって、雑誌の『藝術新潮』にね、
「ウエスト」さんのホットケーキが紹介されてたんですよ。
[──]
東京の喫茶店の「ウエスト」ですか?
[小田社長]
そう、青山の。
[──]
ええ、はい。
[小田社長]
それが、すごくキレイなホットケーキでね‥‥ほんとビックリしちゃった。
[──]
へえー‥‥。
[小田社長]
もう、ぼく、すぐに食べに行ったんです。
そしたら‥‥もう、まいった。
[──]
まいりましたか。
[小田社長]
見事。
[──]
おいしかったんですか。
[小田社長]
味もよかったけど、やはり「見た目」が素晴らしい。
[──]
見た目。
[小田社長]
もう、見れば見るほど、あまりにキレイで。
上には上がいるなぁと思ったですね。
[──]
キレイと言うのは、具体的には‥‥。
[小田社長]
ウエストさんのは、なにしろ「焼き色」がすごい。
ぼくらの40年以上やってきたホットケーキも、今までの作りかたじゃ絶対ダメだっていうことが、すぐわかりました。
[──]
ははー‥‥。
[小田社長]
それで、帯広に帰ってくるなりね、うちのホットケーキを、もっとよいものにするためにああでもない、こうでもないって‥‥。
[──]
見た目の改良に取り組んだんですね。
[小田社長]
最初は、なかなかうまくいかなかったんだけど、
「ちょっとあれ、やってみよう」ってふと思いついたことを試したら、これがズバリ。
[──]
それは?
[小田社長]
それはね‥‥いやいや、言えないよ!(笑)
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