[糸井]
うーん。
それはつまり、「通り一遍」ってことですよ。
ぼくは「通り一遍」が大好きですし、伊丹さんも「あ、そういうことね」というのをやっちゃうんじゃないでしょうか。
だいたいの人はやるんです。
村松さんがやんないだけなんですよ(笑)。
[村松]
あ、そうなの?
[糸井]
村松さんは、ほんとうにピント合わせていくでしょう。
[村松]
ピントが合わなかったり違うレンズだったりしたら俺、ポワーンとしちゃうんだよね。
で、伊丹さんが行くべきところの科学者の取材にひとりで行って帰ってくると伊丹さんが、
「じゃ、こことここの問題は どうなってるの?」
って言うわけ。
現場に伊丹さんがいれば簡単に解決することなのに、それを「どうなるの」つったって俺がわかるわけない。
また同じ人に取材に行って、というようなことをくり返してたんです。
子どもの使いだよね。
[糸井]
大変ですね(笑)。
[村松]
人使いが荒いというわけじゃないんだけど、人の事情を歯牙にもかけないとか、人はほかの時間で別なこともやってんだ、ってなことに対する理解がですね‥‥。
[糸井]
村松さん、具体的な文句が出てますよ(笑)。
[村松]
いや、人の事情を理解しないんじゃなくて、一切その考えを作動させない(笑)。
[糸井]
うん、頓着しないんですね。
[村松]
しない。だから、子分と親分みたいなそういうスタイルで成り立つ仕事が多くなっていたのかもしれないね。
しかも、やわらかそうな伊丹スタイルで。
(つづきます)
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