僕は少年時代からの親友の名前をよく言いまつがえます。 例えばこんな感じで‥‥ 「なあ、カズ‥‥ じゃなかった、タクヤ。 タカ‥‥あ、間違えた。 カズヤに電話してもらいたいんだけど」 20年以上付き合いのある友人の名前をまつがえるなんて変な話ですけど、これは決して僕の認知機能と言いますか、名前処理能力に問題があるからではなくて、正当な理由があるのです。 友人というのが 「カズヤ」「タカシ」「タクヤ」の3人だからです。 カズヤとタクヤは名前のお尻が 「ヤ」で終わっているうえ母音が全く同じです。 タカシはタクヤの「タ」とカズヤの「カ」の字を内に秘めています。 それでこんがらがってよく言いまつがいをするのですが、理由を説明しても誰も納得してくれません。 僕の名前は「ユウスケ」という他3名とは共通点のない名前です。 ですから、タクヤからしてみれば 「タカシ」「カズヤ」「ユウスケ」の3人。 タカシからしてみれば 「カズヤ」「ユウスケ」「タクヤ」の3人。 カズヤからしてみれば 「ユウスケ」「タクヤ」「タカシ」の3人になるので、混乱も少ないのでしょう。 「カズヤ」「タカシ」「タクヤ」を友人に持つ僕だけの言いまつがえなわけですが、親愛なる読者の皆様ならきっとこの苦悩をご理解いただけるはずです。 さっきからタクヤタカシカズヤという?文字列に襲われてだいぶお疲れでしょうから。
(タカシカズヤタクヤの友人)
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