やさしいおっぱい、なりたいおっぱい。「世界一オッパイを見た魔女」のランジェリーワークショップwith ジョージさん

ジョージ この人格で、顔を出しまして、
人前に出るのはほぼ初めての経験なんです。
どうぞよろしくおねがいいたします。
「なんで、こういう人がここに来ているのか?」
という話なんですけれど、
皆さんがいらっしゃる、ここは新宿三丁目。
これを、ちょっと東っ側のほうに行きますと、
新宿二丁目っていう交差点があるんですね。
そこは、こういうふうな肌着を見ても、
「色っぽいなぁ」というふうに思わない男の人が、
いっぱい集まる所なんですよ。
そこで、以前、張り切って活動をしておりましてね。
最近休止中のような感じですけど、
伊勢丹さんは御近所のよしみで、
「住んでもいいわ!」
くらいのつもりで生きてまいりました。
ところがその伊勢丹に、ランジェリーという、
唯一、辿りつけない、秘密の花園があったわけなんです。
もう、結界みたいなの!
会場 (笑)
ジョージ そこではご婦人方が、
キラキラ、キラキラっとしていて。
でも入れない‥‥。
「そこで、どういうふうに、ご婦人方が
 肌着をお選び召されてるのか?」ということを、
どうにもこうにも知りたくて、
伊勢丹の方にご相談したら、
「すごい人がいるんです。
 おそらく、世界でいちばん、
 女性のオッパイを見た人がいるので、
 会ってみませんか?
 魔女みたいな人なんですけど」
というふうに言われ、
松原さんとお目にかかることができました。
松原さん、あらためて自己紹介いただけます?
松原 ありがとうございます。
私、伊勢丹に入りましてから、
最初は婦人服に配属され、
4年たってから肌着にうつり、
以来、肌着ひと筋で参りました。
肌着が好きでも嫌いだったわけでもありません。
仕事は好き嫌いじゃなくて、やるもの。
そう思って続けてきました。
ただ、自分は非常に恵まれているなと
感じることはたくさんありました。
伊勢丹に入ってからは
お客さまに触れたり、メーカーさんから学んだり。
いろんな人の話をきいて
自分の土壌ができあがっていったと思います。
新宿店だけではなく、支店のほうにも行き、
商品のバイヤーやセールスマネージャーも
経験させていただいて、
定年退職いたしましたんですが、
「まだ、使い途(みち)があるんじゃないか」と。
「お客さまにぴったりの
 肌着を見つけることによって、
 日本中に、いい女をたくさん増やしてほしい」という
ミッションを受けまして、舞い戻ってまいりました。
皆様方が「こういうふうに変身したい」
「いい胸になりたい」というご要望がありましたら、
1回で決まるわけではないですけれども、
10でも、20でも、その方に合うものを
探し続けていきたいと思っています。
肌着っていうのは大切なものなんですよ。
なにせ、服を着るときの土台ですから。
もちろん下着なんてつけてもつけなくても
見えないところだから、
「そんなところはどうでもいい」のかもしれない。
ただ、それをつけることによって、
その人は輝くでしょう?
気持ちがあがるでしょう?
そんな気持ちで、
金・土・日、今も新宿店で仕事をしております。
よろしくお願いいたします。
ジョージ (拍手)どうぞよろしくお願いします。
初対面のとき、松原さん、
いきなり、ものすごい肌着を、
会議室にズラリと出されましたよね。
松原 そうでしたね。ふふふ。
ジョージ もうビックリしちゃって!
だって、そんなの見たことないから。
ところが取材を重ねますうちに、
もう、今、なんてことないわ!
という域までまいりました。
どんなにセクシーなの見たって、
「あ、なるほどね」ってサラリと。
「世界でいちばんオッパイを見た魔女」の弟子の私、
「世界でいちばん、女性の肌着を見たゲイ」
かもしれません。
会場 (笑)
ジョージ いまセクシーという言葉を使いましたが、
たぶん「性」に「美しさ」を付けると、
「セクシー」になるんだと思うんですよね。
「美」のない「性」は、ただの「性」。
その「美」の要素を、松原さんがクリエイトしてる。
肌着の魔女は、美しくなる呪文をかけるわけ。
世界で一番「美」の呪文を持っている、肌着の魔女。
松原 恐れ多いです。
これから修行に行かなきゃ(笑)!
高野山に籠らなくちゃ!
ジョージ 高野山に行くと、
「もう、肌着なんか要らないわ」って
言い出すかもしれないからダメです(笑)。
──今、世の中って、
「人間として」のことばっかり言われていて、
「女がもっと美しく」とか、
「男がもっと男らしく」とかっていうのが、
どこかに消えてるように思うんです。
松原 ええ、ええ。
ジョージ 肌着って、心のお化粧ですよね。
松原 あぁ! そうです。素晴らしい。
ジョージ 靴や顔のお化粧と違って、
誰に見せるわけでもないじゃないですか。
ン‥‥誰かに見せることもあるけれど、
それは緊急事態。
けれども自分にピッタリと合った
素敵な肌着をつけてるっていうのは、
きちんとお化粧してることと一緒。
靴を買うことには、女性って、命がけになる。
何足でも試し履きをして、
歩き回って、運命の一足を見つける。
見つけた上に、合わなければ、お直しをして
自分の足に合うようにしていただける。
なのに肌着って、それほどの情熱を、
皆さん、お持ちにならないみたいで。
だから今回のこの機会が、
ちょっとでも、肌着の新しい役割や魅力として
皆さんに伝わればいいなぁというふうに思います。
松原 どうぞよろしくおねがいします。
ジョージ 前回の取材でうにちゃん(おおたうにさん)に
試着していただいた時に感じたんですけれど、
ボク、ずっと、おおたうにっていう女の子を、
女性として意識しないでいたんです。
容れ物は女性なのに、中身は男の子っぽい、
サバサバした人として付き合っていた。
それがどんどん、女の人になっていった。
松原 ええ、ええ。
ジョージ 女性としての美しさを引き出すっていうことが、
肌着なんだ、ってよくわかったんですね。
それを、松原さんが引き出しているの。
すごくポジティブな変化だった!
松原 ありがとうございます。
以前、20代から70代までの女性を対象に、
肌着メーカーがアンケートをとったことがあるんです。
そのなかで「女性から見て素敵と感じる、理想の女性像」は
「年代問わず、いつもポジティブな気持ちでいる人」だと。
この「ポジティブな気持ちでいる人」っていうのが、
私、いいなぁ! と思って。
そして私は、肌着の人間ですから、
「いつもポジティブな気持ちでいる人」っていうのは、
肌着をきちんとしている人が多いですよ、
って言いたいのね。
ジョージ 「見えない所で、自分磨きのために」ということですね。
松原 ジョージさんも
「女の人って、肌着で顔が変わるんだよ。
 本当に表情が変わって見える」とおっしゃったでしょう。
「スポーティなブラジャーをつけたら、
 キリッと引き締まったような顔になる。
 でも、レースがフワッと、
 柔らかそうなブラジャーをつけていると、
 優しい顔つきになったりして、
 オッパイと表情筋って、
 どこかで繋がっているんだよね」
‥‥なんていう感じでね。
あれから私も、接客を通して、感じることがありました。
それは、「今日は、どんな肌着がいいの?」って聞くと、
「着け心地が柔らかいのがいい」とか、
「胸が上がったほうがいい」とか、
多くの方が機能のことをおっしゃる。けれども
「本当のところ、わたしはもっと
 セクシーになりたいのよ」とか、
「もっとかわいらしい女になりたい」とか、
「男の人から褒められたい」とか、
「わぁ、いい肌着着てる」って思われたいとか、
そういうことだって、たぶん、
あるだろうと思うのに、おっしゃらない!
ジョージ ふむふむ。はずかしいのかな?
松原 私たち販売員は、そういうのを、
一所懸命汲み取ろうと努力をして、
口には出さないけれど、
その方の思ってることが
表れているような肌着を探します。
ぴったり合えば、本当に喜んでくださる。
お客さまが「これなのよ!」って、
最後に笑ってくれるのは、
自分が言わない、言えないことを、
「この人は感じてくれて、持って来てくれるのね」
っていう瞬間なんです。
ジョージ それはとっても嬉しいですよね。
松原 でもね、私は、
「これからは、堂々と言っていいのよ」と申しあげたい。
「恥ずかしくないよ」と。
「もっとセクシーなのがいい」とかね、
そういうことを販売員に告げなさい、って。
そうすると、1時間かかるところが、
30分で決まっちゃいますから!
ジョージ あぁ(笑)!
松原 もったいないでしょ?
せっかく来たんだから、躊躇しないで。
ジョージさんは、男の人が1センチ身長が伸びるのは
好きな人から「あなたって、素敵」っていう褒め言葉だと
おっしゃっていたけれど、
女性は、当てにならない褒め言葉なんか、待っちゃダメ。
ジョージ あら、アハハハハ!
いいですね、「待ってるんじゃないわよ!」って(笑)。
松原 そう、「自分で行きなさい」ということね。
(つづきます!)

ほとんどのお店で自分に合うサイズが無く、
店員さんに申し訳ないし恥ずかしいので、
中学生の時以来、
フィッティングをお願いしたことがありません‥‥。

お恥ずかしいということ、よくわかります。
百貨店というとすぐに店員が寄ってきて、
「何をお探しですか?」
と質問攻めにあう‥‥というような
印象があるのかもしれませんし、
逆に、声をかけてもらうまで、
しばらくじっとしている時間がいやだとか、
とにかく肌着売場が恥ずかしいとか‥‥。
でも、ぜひいらしていただきたいんです。
そういう方は、まずお店に来る前に
ランジェリー・コンシェルジュに
電話でご相談ください。
松原がいないときでも
他にもランジェリー・コンシェルジュが
おりますから、予約をしてください。
そのお時間にいらしていただければ、
まっすぐ試着室にご案内いたしますよ。
そして、お部屋に入ってから、
どういうものを探しているか、ゆっくり伺います。
どうぞ怖がらないでご相談くださいね。

ちなみに、私たち
ランジェリー・コンシェルジュというのは
メーカーの垣根をこえて商品を
ご紹介しようという考えです。
メーカーの人ではなく、中立な立場で、
国内のメーカーでもつけ心地が違うことも
感じていただけますし、
つけ心地や考え方の違う輸入品のものもつけてみて、
比べてみて、良さをわかっていただきたい。

値段のことも気になりますよね。
「もっと安いものがほしい」と言うことに、
ちょっと気後れすることもありますもの。
大丈夫です、ゆっくりお話をする中で、
そういうことをこちらで察知していきますよ。

ちなみに、採寸は1年に1度はぜひ。
どうしても体形は少しづつ変化しますから、
計ることによってその変化を知り、
気をつけることができます。
「あっ、ここが出てきたな」とか
身体の変化に気づいていれば、
選ぶ肌着やお洋服も変わってきます。
健康診断とは違った意味で
あなたの美意識の確認のために
サイズを計っておいたほうがいいですね。

そして、自分が納得する肌着を見つけるには
少なくとも3枚は試着しないとわからないものなんです。
なぜかって、違いがわかるから。
3枚つけると選んだ1枚を自分でも納得できる。
ジャストフィットを探すのも当然ですが、
「これかっこいいじゃない」
「これをつけると気分がいい!」
「女っぷりがあがっちゃう」
という気持ちの部分も、
試着で必要だと思います。

2014-02-26-WED

 

イラスト・おおたうに