むかしの暦で、いまを楽しむ。 旧暦と暮らす「ほぼ日」の12か月。
2007-01-16-TUE
旧暦:十一月二十八日
沖縄ではいまだ旧暦が現役。 文化は全部方言


志の輔 何かを併用するといえば、
大工さんって「尺」使いますよね。
設計士さんなんかだと、
センチメートルなのかもしれないですけど、
大工さんになると、
やっぱり、体から出てきてる
長さの単位って、わかりやすいんでしょうかね?
近松 人間起源なんですよね。尺貫法っていうのは。
志の輔 感覚的にわかりやすくって
便利だから
やめられないんじゃないかって思うんですよ。
「センチメートル」って単位って、
感覚的じゃないですよね?
糸井 そうですね。
尺貫法のほうは、単位というよりは、
自然にわかる感覚ですかね。
志の輔 ええ。
でも、メートル、センチの話を
拒絶してるんじゃないんですよ。
そういうことではなくて、
「それが、便利だから」という話ですよね。
糸井 健康ですよね、でもその考え方はね。
近松 日本だけなんですよ。
法律でメートル法1本にしましょう、
と言ってるの。
糸井 そうだ。
だって、実際フィートだ、インチだって、
温度だってやってますもん。
アメリカだって。
近松 ええ。
糸井 釣りをやると、
フィートとかインチとか覚えさせられるんです。
何フィートの竿だとか。
めんどくさいですよ。だから、オンス、インチ。
尺貫法知らない癖して、そんなのばっかり。
俺って、なんかちょっと嫌なヤツ。(笑)
何フィートのヨット、とか言うじゃない。
志の輔 ゴルフもおもしろいでしょ。
グリーンに乗るまでは、みんなヤードで言うんですよ。
あと何ヤードだ、何ヤードだって。
で、グリーンに乗った途端に、
「50メートルぐらいのカップがさ」って、
メートルって言うんですよ。
遠いところだと
なんだかごまかされちゃうんですけどね。
近くになると、
ヤードだとよくわからないんです。(笑)
見えるところまできちゃって、
距離が短くなると、
自分のわかる長さの単位になっちゃうんですよ。
「5メートル、
 この5メートルが難しいんだよね」っていう。
これ、自分たちだけじゃないですよ。
テレビの解説の人もそうですよ。
糸井 だからありとあらゆる文化っていうのは、
方言ですね。
アメリカ人の方言、イギリス人の方言、
日本人の方言みたいなのに。
メロディーだってそうじゃないですか。
たとえば、ギター買ってすぐに、
古賀メロディーの真似とかって、
みんなできるんですよね。
ブルースギター弾けって言ったって、
そうはいかないんですよ。
それとか、パン、パン(手を打つ)、
これできますね、みんな。
だけど、シンコペーションでリズム刻めって言ったら、
あれはアフリカの人が得意だろうね。
男性ンチャ、ンチャ、ンチャ、みたいな。
近松 それは、方言……ですよね。
志の輔 また沖縄の話に戻りますが、
その沖縄でやったとき、
竹富島でもやったんですよ。
あの時も面白かったな。
竹富は、人口が300人しかいなくて、
そのうちの150人がそこに集まったんです。
行くところは、公民館1つしかないから、
意外と早かったです。(笑)
みんな集まっちゃうの。
もう、島ごとに、集まり方っていろいろ。
めちゃめちゃなんですよ。
糸井 つまり、そういうことも方言だ、
ということですね。
だから、いろんなことに
方言となまりの発想を
盛り込んだほうがいいですね。
志の輔 太陰太陽暦も、
方言として、とっときゃよかったのにね。
とっときゃっていうか、本当はそっちを大きく書いて、
横に太陽暦を書いといてくれりゃ
よかったんですけどね。貿易の時だけ使うとか。
近松 その使い分けは、日本人の智恵なれば、
できるはずじゃないかと。
併用というのもできると思うんです。
糸井 太陰太陽暦に関しては、
なんかできそうか気がしますね。
なんかね。
志の輔 地球を一つにするのに便利だから、
暦も、時間も一つにしましょうって
どこに便利なんですかね?
みんな同一にしておくことって‥‥。
昔に暦がなくて暮らしていけたように、
生きていけたように、
無くてもいいんじゃないかってくらいだから、
そんな、統一の必要もないんじゃないかな?
近松 ただ、今現在で、
現代的な快適な生活をするのは、
一つの基準があるといい、
という風になっちゃうんです。
地球を1つの共同体と考えてる場合だったら、
共同、共通の基準が必要なわけなんですけど、
それぞれの個体、個体で考えていけば、
その必要はないですね。
志の輔 で、エスペラント語まで行っちゃうと、失敗するけど、
時間やカレンダーぐらいだと
統一規格が採用できたんですかね。
近松 そうですね。時の采配までですかね。
統一規格ができたのは。

(続きます。)

イラストレーター:玉井升一
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