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 『白いカイト』
 MY LITTLE LOVER

 
1995年(平成7年)

不意打ちの優しい言葉に
一気に恋に
落ちてしまいました。
(ふゆ)

雲の切れ間からこぼれる 輝く予感を集めて


初恋は中学1年生のとき。
相手はクラスメイトで、男子とか女子とか気にせずに、
いつも冗談を言い合うような相手
(仮にワタナベ君とします)でした。

私が体調不良で学校を欠席した翌日のこと。
教室に入るとワタナベ君が私のところにやってきました。
いつものように冗談まじりの軽口をたたかれるのだろうと確信し、
なんて言い返してやろうかと頭の中で巡らせました。
けれど、彼の口から出た言葉は
「もう体調は大丈夫?」という私を気遣う言葉でした。

予想外の優しい言葉に動揺して
「うん」とひと言絞り出すのが精一杯だったことを覚えています。

実は、ワタナベ君が私のことを好きだという噂を以前、
耳にしたことがあったんです。
その時は仲が良いだけだよと気にも留めませんでした。
けれど、不意打ちの優しい言葉をキッカケに
一気に恋に落ちてしまいました。

自分が恋に落ちたことを自覚してからというもの、
冗談どころか挨拶すら
恥ずかしくてできない状態になってしまいました。
それでも授業中に彼を目で追ったり、
ただ同じ空間にいられることが嬉しくて、
それだけで本当に幸せでした。

中学2年生になり、ワタナベ君とは別々のクラスに。
もう授業中に彼の姿を見ることや、
彼の声を聞くこともありません。
たった3クラスしかない小さな中学校でしたが、
あの頃は教室の壁一枚がとても遠くて、
まるで世界が違うようでした。

私の中学校では当時、給食の時間になると
放送部がその時のヒットしている曲などを流していたのですが、
ある日のお昼に流れてきた曲が
MY LITTLE LOVERの「白いカイト」でした。

私と同じ班だった彼の親友が
「あ、この曲、ワタナベがいいって言ってたやつだ」
と何気なく言ったのを聞いて、
私はすぐにCDを買いに行きました。

ワタナベ君のことを想いながら、
白いカイトを口ずさむようになりました。

あの頃も中学生なりに悩み等もありましたが、
未来はキラキラした予感で溢れていることを
疑うこともない日々を送っていたと思います。
この曲を聞くといつも視線の先にいたワタナベ君への恋が
胸に溢れるような気持ちになって前向きになれるんです。
私は今年32才になりますが、
今でも変わらず、私にエネルギーくれます。

(ふゆ)

なつかしい。
『白いカイト』、好きな曲でした。
もう20年近く前の歌なんですね。
「少年はカイトを上げてる
 まるで地球と話をしてるみたいさ」
という歌詞が、
いちまいの絵になって印象に残っています。

(ふゆ)さんは『白いカイト』を聴くたびに、
心がするするっと凧のようにあの頃へとつながって、
キラキラしていたあれこれを思い出すんですよね。
そしてそれが今のエネルギーになる‥‥。
音楽ってすごい。
何度も感じたことを、また感じる投稿でした。

ワタナベ君(仮)、
いまもどこかでやさしく生きているのかなー?
きっとそうですよね。

え‥‥!
それ以上、ワタナベ君とは
進展はなかったのですか?
わー、そうなんだ。
クラスが離れただけなのに、
中学生はすごく遠くなってしまうんですね。
でも、たしかに
「あのときああしてなかったら」とか
「たまたま電車がおなじになっちゃって」とか、
恋のきっかけというものはほんとうに
ささいなことだったりします。
そして、大人になればなるほど
その「ささい」を逃さないようにする「根性」がつく、
というかんじがいたします。

ワタナベ君のように
あわく、しかし、あざやかに残る存在が
自分の足もとを固めてくれているような気が
わたくしもいたします。
いつだって前は明るい未来です、と思えます。

恋に落ちる一瞬の話、大好きです。
その瞬間から、よく、
目に映る景色も色も変わる、
みたいに言うけれど、
時間の経ち方や、空気のふるえ、
視線の交錯にすごく敏感になったり、
なぜか胃の上(胸ですけど)がぎゅっとなったり、
からだまで変化していっちゃうその感じ。
うれしいことと、かなしいことが
まったく同じ原因だったり、
もうわけがわからなくなる感じ。

ワタナベ君、中2でMy Little Lover、
それも「白いカイト」かあ!
冗談ばっかり言いながら、
じつは、おとなびていたんですね。
きっといまもかっこいい男になってると思うな。

ところでカタカナで「ワタナベ」っていうと
『ノルウェイの森』の主人公を思いだしちゃいました。
100%の恋愛小説。

好きな人の好みや趣味って、
うつりますよねぇ。
とりわけ、十代の恋は、
そのとき身についた好みや趣味が
その後の自分の根っこになってしまうから、
ほんとうに、自分の人生に
深く大きく影響してしまう。

その意味でも、経験すべきなんでしょうね。
自分の幅のようなものが、
若干乱暴に、ぐーんと広がるわけだから。

ああ、翻ると、年をとってからは
ちっとも趣味が広がらない。
否、まったく広げようとしていない。
なんか、昔聴いた音楽の
リマスターみたいなものばっかり
聴いちゃったりするもんなぁ。
で、ぜんぜんそれで問題なかったり。

あ、話がそれました。
どの世代でも自然体でいたいですね。
若い世代は恋をして新しい自分を上書きし、
安定した世代はアーカイブをたのしく懐かしむ。
思えば、その両方ができてないと、
このコンテンツはあり得ないのかもしれません。

次回は水曜日の更新です。
本とCDもどうぞよろしく。

2014-05-10-SAT

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