いやあ、暑いですねえ……。
本州の北端の地におりましても、
最高気温が33度、35度、36度と、
今年の記録を更新していくと、
外へ出るにも勇気が必要となります。
北海道の東部に位置するオホーツク海高気圧が、
東北地方や関東地方に冷たい風を吹きつけ、
一時的に猛暑が緩和された7月某日、
八甲田山麓に出かけました。
ここもまた、白神山地と同じく、
ブナを中心とする落葉広葉樹の森です。
気温は20度。
連日の猛暑が嘘のような爽やかさ。
沼をめぐる小径は、ほぼ貸切状態。
最高です!
森のいろいろな種類の木々の葉は、
ついこの前まで、新緑の鮮やかな色だったのに、
なんか、暑さに疲れたのか、緑が濃くなった感じ。
ミソサザイの鳴き声が清流に運ばれて森に響きます。
このところ、森へ出かけても、
あまりきのこの姿が多くなく、
暑すぎてふて寝をしているのではないかと思いつつ、
倒木をひとつひとつ丁寧にチェック。
倒木のすぐ脇の地面から、きのこにょきっ!
やったあ! ウラベニガサです。
ウラベニガサは春から秋にかけて、
広葉樹の枯木に発生します。
開くとほぼ真っ平になる傘は、径5〜9cm。
表面には灰褐色で放射状の繊維紋があります。
傘の裏側のヒダはぎゅっと密集していて、
初めは白色ですが、胞子が成熟すると肉色に。
これが「ウラベニガサ」の名前の由来ですな。
柄は長さ6〜12cmで、
白色の地に傘と同色の繊維紋があります。
食。
全体的に水っぽく、多少泥臭いものもあるけど、
味にはクセがないのだとか。
すんごくおいしい!
というきのこならまだしも、
味も香りも特筆すべきものがほぼなく、
毒がないからまずくても食べられる、
というレベルのきのこを、食べたいですか?
ぼくはまったく興味がないのですが、
食べたい人はそこそこいるんだろうなあ……。
それより、
暑さに意気消沈しているように見える森の中で、
すっくと立つ姿の凛々しさよ。
発生してくれてありがとう!
と、心の中でつぶやきましたとも。




