不正解、食べられます!
サクラシメジ食

今さらですが、きのことの出会いは一期一会だから、
日がな1日、森のあちこちを探し回るわけです。
できる範囲で1本でも多くのきのこを鑑賞したいし、
きちんと、美しく、写真を撮りたいと思いつつ……。
のこのこと突然現れるくまさん(ヒグマ!)に怯え、
これでもか、と襲いくる大量の吸血昆虫に耐えつつも、
六月から十月までの間のきのこハイシーズンは、
百代も続いている阿寒の天然の森と、
本気で対峙したいと思っています。

阿寒湖やオンネトーの周辺は、
遊歩道がきちんと整備されている場所であっても、
森らしい雰囲気が十分に楽しめるので
敬愛なる「きのこの話。」の読者の皆さまにも、
ぜひぜひ森の素晴らしさを体験してほしいと思います。

実は、くまさんが生息している場所に、
犬を連れて行くのはご法度なんですよね。
要は、人馴れしてないくまさんは、
人間が怖いのでササの影などで隠れているのに、
犬がくまさんの匂いに気づいて騒いじゃうんです。
すると、仕方なく、くまさんも、
ばあ、と出てきちゃうわけです。

うちの柴犬のはなさんは、
もともとおとなしくおだやかな性格で、
ネコにもネズミにも非常に友好的だし、
何より、ほとんど鳴くことがないので、
かつてはよく森へ連れていきました。

きのこを探してくれるわけではないのですが、
それでも、何かくんくん匂いを嗅いでるなあ、
と目を向けると、そこにきのこがあったりします。
さすが、きのこ写真家の愛犬!

今回ご紹介するサクラシメジは、
はなさんに見つけてもらったと言っても、
まあ、過言ではありません……(笑)。

サクラシメジは、夏から秋にかけて、
広葉樹の林地から発生します。

傘の経は5〜12cmほど。
まんじゅう形から平らに開きます。

表面は暗赤色〜ワイン色でとても美しく、
中央部は色がやや濃く、周辺部は淡くなっています。

傘の裏側のヒダはやや間隔が狭く、
最初は白色ですがやがてワイン色のしみができます。

柄は高さ7〜10cmほど。
中実で、はじめは白色ですが、
やがて傘と同色に変色していきます。

食。

やや苦味があるものの、
古くから知られた食菌です。

よく似たサクラシメジモドキは、
発生時期がやや遅いことと、
針葉樹の林地から発生することで、
区別することができます。

ちなみに。
今回で「きのこの話。」は、
なんとなんと、連載600回となります。
きのこの専門サイトでもないのに、
きのこがずらりと並ぶトップページは壮観。
なんせ、600本ありますから。

糸井重里さんをはじめ、
ほぼ日刊イトイ新聞のきのこチームの皆さま、
そして、いつも読んでくださる読者の皆さま、
本当にありがとうございます!

今後ともどうぞよろしくお願いします!
(最初の段落の縦文字に気づいてくれたかなあ……)

このコンテンツでは、
				きのこの食毒に触れてますが、
				実際に食べられるかどうかを判断する場合には、
				必ず専門家にご相談ください。