不正解、食べられません!
アシグロホウライタケ食不適

何回も言いますが、
阿寒湖周辺の森、最高です。

森を形成している中心的樹木である、
トドマツもアカエゾマツも、本州以南では、
ほぼ見ることができませんから、
北海道外からやってくる人たちにとっても、
すごく新鮮に感じるのではないでしょうか。

さらに、阿寒湖周辺の森は、
人の手があまり入ってないような、
原生林的な雰囲気を残す場所もあるので、
なおさら、日常とはかけはなれた印象も。
たまりません……。

まあ、一般的な人であれば、
いわゆる森という場所に行くことも、
日常生活ではそれほど多くはないでしょうけど、
阿寒の森を体験する前と後では、
自分の中の「森」の認識が変わるのではないかと。

ぼくは、きのこ、というより、
きのこを含めた阿寒の森そのものの魅力に魅せられ、
もう四半世紀以上も通っています。

阿寒の森で出会うきのこは、
どれもこれもみんなステキだと思えるのですが、
客観的になって考えてみると、やはり、
好きなきのこ、あんまり気にならないきのこ、
という線引があるような気がします。

好きなきのこ、というのは、
好きな子のタイプと似ていて、
好きになったタイプのきのこが、
好きなきのこなんです(笑)。

今回ご紹介するアシグロホウライタケも、
ぼくが大好きなきのこのひとつ。
ありふれたきのこですが、見つけたら大喜びです。

アシグロホウライタケは、夏から秋にかけて、
各種植物の枯葉や茎から発生。
阿寒の森では、ハリギリの落葉上で多く見られます。

今回の写真ですが、枝から発生しているのではなく、
ハリギリの葉柄(ようへい=葉と枝をつなぐ茎)です!

傘は経0.3〜1.5cmと非常に小さく、
表面は白色で、放射線状の条線があり、
開くと扁平になります。

小さな小さなきのこですが、
よく見てみるとヒダが確認できます。
ヒダは間隔が広く、白色のち暗色に。

柄は高さ1〜2cmほど。
上部は白く、下部は黒色。
これが「あしぐろ」の名前の由来ですね。

食不適。

まあ、思いっきり小さいですし、
触ってみると固くごわごわとした感じで、
とても食べるような気にはなりませんね。

ぜひぜひ、ルーペなどを用意して、
拡大してじっくり鑑賞してみてください。
その造形の妙を堪能できること請け合いです。

ちなみに、今回の更新で、
「きのこの話。」の連載は、
通算555回となりました!

読者のみなさま、いつもありがとうございます。
そして、今後ともどうぞよろしくお願いします!

このコンテンツでは、
				きのこの食毒に触れてますが、
				実際に食べられるかどうかを判断する場合には、
				必ず専門家にご相談ください。