おしい!食べられるんです!
センボンクズタケ食毒不明

きのこの生え方は、
生えている場所とともに、
きのこの種を同定する場合などに、
重要な情報になります。

地面から生えているきのこの生え方は、
1本だけ生えている(単生)、
間隔を空けつつまとまって生えている(散生)、
狭い範囲にまとまって生えている(群生)、
まとまって束になって生えている(束生)、
などがあります。

ぐるりと円を描くように生えている場合も多々あり、
フェアリーリング(菌輪)などと呼ばれることも。

例えば、地面に生えている、
いかにもきのこらしい形をした、
傘があり傘裏がヒダで柄があるきのこを見つけて、
その名前を調べようと思ったとき、
チェックすべきポイントは、けっこうあります。

・どんな場所に生えていたか

・どんな生え方をしていたか

・傘の形、色、特徴

・傘裏のヒダのつき方、形、密度、特徴

・柄の長さ、色、形状、特徴、ツバやツボの有無

ぼくは、きのこの写真を撮っただけで、
満足してしまうことがほとんどなので、
きのこの名前がわからない場合が多いんです……。
本に載せるとき、ちょっとだけ、困ります(笑)。

さて。
今回ご紹介するセンボンクズタケは、
夏から秋にかけて、広葉樹の朽木から発生します。
生え方は、ぎゅっとまとまって生えている束生です。

傘は直径2〜5cmほどの円錐形。
表面は湿っているときは焦げ茶色で、
乾燥しているときは淡黄色をしています。

ヒダは下面が柄に対して直角に付き(直生)、
暗紫色で、間隔は密。

柄は白く、高さ10〜17cmほどで、 下部に白い軟毛のようなものが生えています。

食毒不明。

毒はないようなのですが、
触るとすぐ崩れてしまうくらいもろいので、
食用には向かないでしょうねえ……。

きのこって、束になって生えていても、
同じ長さのものがほとんど無いんですよね。
個性があるようで面白いです。

たまに、SNSとかで、
真上から傘だけが写った写真をアップして、
きのこの名前を聞いている人がいますけど、
上に挙げたくらいの情報がないと、
多くの場合、種の同定はできません。

と、いうか、
まったく覚える気のない人に限って、
きのこの名前を聞いてくるんですよね……。
(きのこに限らず、花や昆虫なども)
なぜなのでしょう?

このコンテンツでは、
				きのこの食毒に触れてますが、
				実際に食べられるかどうかを判断する場合には、
				必ず専門家にご相談ください。