正解、食べられます!
コスリコギタケ食毒不明

「森」というと、なんとなく、
平坦な場所、というイメージがあったりしますが、
もちろん、そんなことはありません。
森の中を縦横無尽に流れる沢や川は
高きから低きへ向かっているわけですし。

森の傾斜があまりに急で、
上へ上へと高い方へどんどん向かっていく場合、
それは、山とも言えるわけで、
東北地方などでは「〜森」という名の山が、
たくさん存在します。

ぼくの感覚としては、
平坦であろうが高低差があろうが、
いろいろな種類の背の高い樹木がたくさん生えていて、
人の手があまり入ってない場所(これ重要!)は、
「森」だと思っているような気がします。

そういう観点から鑑みると、
ぼくが大好きな雌阿寒岳は、メインの樹木が、
アカエゾマツからハイマツへと変わり、
平均的な木々の高さが人の背より低くなりはじめる、
3合目より上は山、それより下は森、
というイメージです。

けっこうきつい傾斜の登山道を登るけど、
雌阿寒岳の2合目付近は、純然たる森なのです。
林立する太くて背の高いアカエゾマツの立派なこと!
落葉が堆積した林床はところどころコケに覆われ、
いろいろな種類のきのこが、にょきにょき。

きのこらしからぬ形のきのこ、
コスリコギタケも、にょきにょき。

コスリコギタケは、夏から秋にかけて、
各種林地の地面から発生します。

形は、すりこぎ形〜棍棒形で、
先端は太くて鈍頭(時にややとがります)。
高さは3〜10cmくらい。
表面は平滑で、淡黄褐色〜桃色を帯びた淡褐色。
肉は白く、海綿質を帯びた肉質です。

よく似たきのこで、
コスリコギタケより大型のスリコギタケは、
どうやら食べられるらしいのですが、
毒がない、というだけで、
苦味もありあまりおいしくはなさそうです。
コスリコギタケも毒はなさそうですが、
詳しいことはまだわかってないようです。
むやみに食べるのはやめましょう!

常に噴煙を吹き上げている、活火山の雌阿寒岳は、
登山口から、樹林帯、ハイマツ帯、砂礫帯と、
はっきりと分かれているので、
いろいろな環境を楽しむことができるのですが、
登山だけではなく、きのこ観察・観賞が目的でも、
思いっきり楽しめる、素敵な山なのです。

日本百名山にも選ばれているのですが、
日本百菌山なるものがあったとしたら(笑)、
雌阿寒岳は、制定されること間違いなし、です。

このコンテンツでは、
				きのこの食毒に触れてますが、
				実際に食べられるかどうかを判断する場合には、
				必ず専門家にご相談ください。