ご用心!食べられないんです!
オチバタケ食不適

ウイルスが話題にならない日がない今日このごろです。

肉眼では見ることができないような、
小さな生物のことを総称して微生物と言いますが、
我らが菌類、細菌とともにウイルスも含まれています。

菌類や細菌であれば、
光学顕微鏡(最大拡大倍率は1000倍くらいまで)で、
どうにか観察することができますが、
ウイルスの大きさは、細菌に比べて、
約十分の一から百分の一くらいと超超微小なので、
高倍率の電子顕微鏡を使わないと、
その姿を目にすることができません。

ウイルスと言えば、
遺伝子は持っているけど、細胞はなく、
かつ、単独では増殖できないことから、
生物ではない、ということになっています。

が、ウイルスの研究をしている方の著書を読むと、
ウイルスを生物だと認識している方々がけっこう多く、
ぼくも、きのこと微生物仲間であるウイルスは、
心情的に、生物として扱いたいと思います(笑)。

きのこが微生物に含まれるのは、
本体が糸状の細胞(菌糸)だから。
我々が「きのこ」と呼んでいるものは、
正確に言うと、きのこの生殖器官である、
子実体(しじつたい)のことです。

子実体は、きのこが増殖するために、
細胞が集まってできた構造物ですが、
きのこの種類によってけっこう大きさが違います。

今回ご紹介するオチバタケは、
小さい部類の、そりゃあ可愛らしいきのこです。

オチバタケは、夏から秋にかけて、
主に広葉樹林内の落葉や枯枝から発生します。

傘は薄い膜質で、直径は0.5〜1cmほど。
半球状か〜まんじゅう形〜平らに開きます。
表面は乾燥していて赤褐色〜茶褐色。
放射状のしわがあります。

傘裏のヒダは間隔が広く、帯白色のち汚肉色。

柄はとても細くて、高さ3〜5cmほど。
黒〜赤黒褐色です。

食不適。

小さいし、硬いし、ゴワゴワしてそうだし、
絶対においしくなさそうだし、
噛んだら歯の間に挟まりそうです(笑)。

それにしても、
良い、悪いは別にして、
この地球は、微生物でいっぱいです。
(きのこファンとしては嬉しい!)

我々人間の体も、もちろん、微生物まみれ。
消化器官にいる常在菌の数だけでも約100兆とか!
細菌よりももっと小さなウイルスの数は、
もう計り知れませんねえ……。

ウイルスや細菌は目に見えないものだけに、
しっかりとした知識を身に着けて、
その存在を理解しておきたいものです。
怖がりすぎるのも、無視するのも、ご法度です。

このコンテンツでは、
				きのこの食毒に触れてますが、
				実際に食べられるかどうかを判断する場合には、
				必ず専門家にご相談ください。