おしい!食べられるんです!
タモギタケ食

今年は、マツタケが不作だった……。
今年は、ヤマブドウが豊作だった……。
今年は、エゾシカをあまり見かけなくなった……。

などなど、
阿寒の自然は、良いも悪いも、
毎年けっこう大きく変容しているような気がします。

ただし、良いも悪いも、という判断は、
あくまでも、個人的に、人間的に、という話であって、
自然環境そのものの価値ではありません。

だって、いつ、どんな時でも、
阿寒の自然は素晴らしいのですから(笑)。

しかし、その素晴らしい大自然を、
人間の営みが邪魔をしているとなると、
多少なりとも、責任を感じざるをえません……。

さて。

タモギタケは、阿寒の夏を代表するきのこで、
これまた、毎年、当たり外れがあるんです。

「豊作」のときは、薄暗い森の倒木に、
まるで黄色い灯りをともしたかのように、
ぶわ〜っと大発生しますし、
「不作」のときは立枯木の高い場所に、
いくつか見かけた、という程度。

撮影した過去の写真をきちんと分析すれば、
やや統計的なデータを得られるかもしれませんが、
ま、とりあえずは、いいか……(笑)。

タモギタケは、6月から9月くらいにかけて、
ハルニレやオヒョウやヤチダモやダケカンバなどなど、
広葉樹の倒木や切株からよく発生します。

傘は、まんじゅう形からやがて開いてロート形に。
表面は鮮黄色〜淡黄色で、湿り気を帯び、平滑。
径は5〜10cmほどです。

ヒダは柄に向かって深く切れ込み、白色。

柄は高さ2〜5cmほどで、ほぼ円柱形。
白、あるいは、わずかに黄色を帯びています。
基部でいくつかのきのこがくっつき合い、
ひとつの根株から多数のきのこが生えているかのよう。

食。
味よし、香りよしで、
北海道では昔から知られた優秀な食菌です。
最近では人工栽培も行われています。

北海道では、近年、エゾシカが増えています。
冬に餌がなくなると、広葉樹の皮をかじって、
(マツなどの幹はかじりません)
飢えをしのいでいるのですが、それが食害となり、
多くの木々が枯らされる事態に……。

そう、枯れた広葉樹の木々からは、
タモギタケが、にょきにょき。
う〜む……。

喜んでばかりはいられない状況もあり、
いろいろと考えさせられるし、
いろいろ考えなければならないと思います、はい。

このコンテンツでは、
				きのこの食毒に触れてますが、
				実際に食べられるかどうかを判断する場合には、
				必ず専門家にご相談ください。